米国の約3億年前の地層から発掘された絶滅魚アカントーデスの化石の目には色を識別する細胞があったと、日本と英国の研究チームが24日、英科学誌ネイチャーコミュニケーションズ電子版に発表する。 研究チームによると、脊椎(せきつい)動物の化石からこれらの細胞が見つかるのは初めてという。当時の脊椎動物が周囲をどう見ていたのかはわかっていなかった。 アカントーデスは最大で体長30センチほどで、汽水の極めて浅い水域に生息していたと考えられている。恐竜が出現した2億5千万年くらい前に絶滅した。研究チームが、米カンザス州で発掘された化石の目の部分を分析し、色を識別する細胞と、明暗を識別する細胞を発見した。 このほか、光を調整して昼はまぶしすぎず夜は光を取り込みやすくする物質ユーメラニンも見つかった。ユーメラニンの確認はこれまで2億年前が最古だったが、さらに1億年さかのぼることになった。 チームの田中源吾・熊