九州新幹線西九州ルートで佐賀県が提案した佐賀空港経由のルート(南回りルート)について、政府与党検討委員会は「技術的に困難」という結論に達した。2月9日に佐賀県庁で行われた「幅広い協議」で国土交通省が説明したところ、佐賀県は「フル規格を求めていない」と反発。どうして議論はかみ合わないのか。 国が想定する佐賀駅ルートと、佐賀県から要望のあった「北回りルート」「南回りルート」。黄色い円が建物の高さ45m規制範囲、青い部分が離着陸機の高度規制範囲。佐賀県側の要望だった「南回りルート」は、空港の高度規制と、堆積による軟弱地盤のトンネル困難で「不可能」という結論になった(地理院地図と国土交通省資料をもとに筆者作成) 九州新幹線西九州ルートは、1972(昭和47)年に国が基本計画路線として「福岡市~佐賀市附近~長崎市」を決定し、1973(昭和48)年に整備計画が決定した。このうち武雄温泉~長崎間は202
