閣議後の記者会見で事務次官人事を発表する金子国交相(奥)。官僚らが懸命にメモをとった=21日午前、国交省、関田航撮影 衆院解散を決めた21日朝の閣議。解散書類の署名前に承認された国土交通省のトップ人事が、官僚たちの話題をさらった。 事務次官に72年入省の谷口博昭技監(60)を充てる一方、同期で次官レースを争ってきた竹歳(たけとし)誠・国土交通審議官(59)を留任させたからだ。新次官の同期は役所を去るというのが慣例だが、それを覆す異例の人事だった。 「谷口氏が民主党系大臣と衝突した際の受け皿人事」。国交省幹部はこう解説してみせた。政権交代をにらんで、政治の激変から組織を守る二枚腰人事というわけだ。 民主党は高速道路無料化やガソリン税の暫定税率撤廃を掲げ、公共事業の廃止・見直しも打ち出している。政権をとれば国交省が標的となり、技術系で道路行政の中核を担ってきた谷口氏が矢面に立つことにな