障害者が受けた性暴力の実態は、これまでほとんど明らかにされていなかった。理由は、「障害者が大げさに表現しているのでは」と疑われたり、知的障害のために被害を認識しづらかったりするなど「なかったこと」にされてきたからだ。 法政大学助教の岩田千亜紀さん(現代福祉学部)が今年、被害経験のある障害者を対象にアンケートを実施。結果から浮かんだのは「加害者は、障害があると分かっていて性暴力をしている可能性が高い」というおぞましさだ。詳しい調査結果を聞いた。(共同通信=山岡文子) ▽被害者と近い関係 ―どのように調査を行ったのでしょうか。 身体障害や精神障害、発達障害などの当事者団体や、支援団体に協力をお願いし、インターネットでアンケートを行いました。回答者は18歳以上であることが条件です。最近受けた被害を思い出してさらに傷つかないよう、過去3カ月以内にドメスティックバイオレンスや性暴力、自殺しようとした