母が、映画を観に行こうという。それが、ガンダムの映画なのだった。 しかし、自分はどうも気が乗らなかった。 これは前に見たことあるやつじゃないの?と思ったのである。 それでも母が「せっかくタダ券をもらったんだから」と言うので、渋々ながらついて行くことになった。 観た映画の内容は、あまりおぼえていない。面白かったという印象はない。 記憶に残っているのは、主人公の男の子が難民キャンプみたいなところで母と再会して別れるまでの一連の場面だ。 ここは、過去にテレビで観た記憶もあった。「母さん、これは戦争なんだよ!」。そんなセリフがあった。 母と一緒に観るには、少々居心地の悪さを感じた。 あのとき観たガンダムの映画が何であったのか、知らぬまま大人になった。あまりガンダムに興味を惹かれなかったからである。 20代の後半ぐらいに、知人が「ぜひこれを観ろ」と言って、ガンダムのDVD3本を貸してくれた。 いまさ