サクサク読めて、アプリ限定の機能も多数!
トップへ戻る
買ってよかったもの
courrier.jp
※本記事は『食べる時間でこんなに変わる 時間栄養学入門』(柴田重信)の抜粋です。 緑茶も「飲む時間」で体への影響が変わる 緑茶の主要なポリフェノールであるカテキンには、血糖値の降下作用があることが知られています。 我々はヒトを対象として、高濃度カテキン緑茶の食後血糖値の抑制効果を朝食時と夕食時で比較しました。そして、インスリンの分泌に対しては朝夕で差異が認められなかった一方で、血糖値の上昇は、夕食時の緑茶摂取によって顕著に抑制されることを報告しました。 同一被験食を朝、夕で摂食した場合の血糖値の上昇は、夕方で顕著であることが知られており、夕食後の高血糖の抑制を目指す場合には、夕方に緑茶を摂取することは理にかなっているでしょう。 次にマウスの研究で、朝もしくは夕方にカテキンを1週間投与し、その後、朝と夕に糖負荷実験を行いました。夕食に糖を与えた場合、夕食でカテキンを摂食していた群は、カテキン
日本でもテレビコマーシャルが放送され認知度が高まってきた中国の電気自動車大手BYD。販売台数がテスラを抜くなど好調さが伝わっている一方で、実は巨額の負債を抱えているのではと指摘する調査が出てきた。かつて中国恒大集団の財務問題を指摘した調査会社が指摘する、BYDの疑惑とは。 BYDの本当の負債額 電気自動車(EV)の販売台数がテスラを上回り、成長著しい中国EV大手のBYD。そのBYDに「巨額の隠れ負債」を抱えていることを香港の調査会社GMTが指摘していると、米メディア「ブルームバーグ」が報じた。GMTはかつて、中国恒大集団の財務問題をいち早く指摘し警鐘を鳴らしたことで知られている。 GMTによると、BYDは(サプライヤーへの支払いを遅らせるなどする)サプライチェーンファイナンスに依存することによって、急増する負債額を覆い隠している。BYDの実質的な負債は2024年6月末時点で3230億元(約
労働市場での成功を決める要因は何だろうか。学歴、職歴、容姿、運……。こうしたリストには挙がりにくい、ある要因が賃金を左右し、男女間の賃金格差にまで影響していることを、英国ケンブリッジ大学の経済学者たちが発見した。その最新の研究結果を研究者自らがひもとき、対策も提示する。 賃金を左右するものは何かと考えるとき、われわれは学歴や職歴、あるいは純然たる運の良さに注目しがちだ。 では、他者から認識されるわれわれの性格特性はどうだろう。それはたんに、人となりの一部なのか。それとも、労働市場での成功を左右する、より大きな役割を果たしているのか──。 私と同僚たちは最近実施した研究でこの疑問を検討し、性格がいかに賃金や仕事の見込みに影響し、さらには根強い男女間の賃金格差を部分的に説明するのに有用であることさえも明らかにした。 この研究ではドイツの社会経済パネル調査(約2万2000世帯を追跡する年次調査)
米国のドナルド・トランプ大統領は、1期目から不法移民を目の敵にしてきた。移民の流入を防ごうと、米国とメキシコの国境に壁を建設するよう命じたことも記憶に新しいだろう。 2期目でも、不法移民対策の一環で「史上最大の強制送還作戦」を実行すると息巻いている。米国各地で早くも、不法移民の摘発が始まっている。 トランプ大統領は1月29日、不法移民3万人を収容できる施設をキューバのグアンタナモ米海軍基地に建設するようにも命じた。 トランプ1期目で不法移民の送還はむしろ減った? だがこうした強硬姿勢とは裏腹に、送還された移民の数は、トランプ大統領1期目の4年間でじつは減っていたと、米ニュースメディア「CNN」の記者が分析している。 トランプは1期目でも不法移民の大規模な強制送還を公約に掲げ、実際に大勢を送還した。記者が取材した米シンクタンク「移民政策研究所」政策アナリストのキャスリーン・ブッシュ=ジョセフ
bZ4Xにみる「カイゼンの限界」 トヨタはガソリン車とハイブリッド車に注力することで、2024年も堅調な業績を残した。しかし、EVの分野では出遅れており、長期的な課題を抱えていると、米メディア「ブルームバーグ」は報じている。 同記事では、トヨタがガソリン車の製造で培った「カイゼン」のプロセスはEVでは活かせないと、元ゼネラル・モーターズ幹部のテリー・ウォイチョウスキーが指摘している。 トヨタのカイゼンは、長年にわたり既存の技術に修正を重ねながら製品改良を試みるアプローチだ。しかし、EVに求められるのは、根本的な仕様変更である。 たとえば、トヨタがグローバル市場に向けて発売したEV「bZ4X」に搭載されるクロスカービームという鉄製の部品は、これまでトヨタのガソリン車にも組み込まれてきた。内燃エンジンの振動が乗車している人に伝わらないようにするため、長年にわたって改良されたカイゼンの賜物でもあ
味や鮮度を保つ加工技術や流通に優れた日本の水産業は、海外の有名シェフからも厚い信頼を得ている。高品質な魚の輸出拠点となっているのが、世界最大級の魚市場である豊洲だ。英誌記者が現地を訪れ、長年日本の水産業、飲食業を支えてきた「ヒト・モノ・カネ」のダイナミックな動きを取材した。 白いヘアバンド姿のヤマザキ・ヤスヒロは、痩せてはいるが屈強で、はつらつと店を切り盛りしている。 その周囲では従業員たちが魚をさばき、パック詰めにする作業をしている。東京ではよくあることだが、この店には隙間がほとんどない。ピチピチと跳ねるエビや、うごめくカニが入った水槽が迷路のように並ぶ。 青いバケツのなかでは魚たちが、まるで自分がまもなく食卓に供されることを予期しているかのようにせわしなく円を描き、山積みの白い箱にはありとあらゆる海産物が詰まっている。 大量に見えるこれらの商品も、普段あつかう量のわずか10分の1でしか
ウクライナへの軍事侵攻をめぐり、プーチン大統領は1月28日、ロシア側も停戦の交渉担当者を任命する考えがあることを示した。ただし、ゼレンスキー大統領は本来の任期を過ぎたまま政権についているため、交渉する権限がないと指摘している。 「交渉なら誰とでもできる」とプーチンは語る。「だが(ゼレンスキーは大統領として)非合法であるため、署名する権利がない。もし彼が交渉に参加したいのであれば、担当する人物をこちらも派遣しよう。だが問題は、最終的に署名できるかだ」 一方でゼレンスキーは、次のように反論している。 「プーチン大統領は今日、交渉を恐れ、強い指導者を恐れ、戦争を長引かせるためにあらゆる手段を講じていることを、改めて証明した。彼が取るあらゆる手段、あらゆる冷笑的な策略は、この戦争を終わらせないことを目的としている」 ゼレンスキーの本来の任期は? ウクライナメディア「キーウ・インディペンデント」によ
中国ディープシーク、どうやって米国を出し抜いたか 経験は邪魔になると考え、若い中国人技術者を雇用・活用する。さらに、プログラミングを巧妙に簡略化し、米国の規則の抜け穴を利用して先端半導体を入手する。 これは中国のAI(人工知能)新興企業ディープシークが採用した手法だ。それによって開発されたAIプログラムは世界を震撼(しんかん)させた。 これまでは、優れたAIの開発には高価な最先端コンピューターチップが大量に必要であり、中国企業はそうしたチップを入手できないため競争するのは難しいと考えられていた。ディープシークは才覚によってそうした予想を覆し、ウォール街に1兆ドル(約156兆円)の大損害をもたらすとともに、米テック企業に自社の手法の見直しを迫った。
※本記事は『日本のロック名盤ベスト100』(川崎大助)の抜粋です。 「媚びること」をよしとする このシステムは、日本古来から脈々と受け継がれてきた。それが江戸時代に端を発するものであることを、前述の『歌謡曲から「昭和」を読む』の中で、なかにし礼が指摘している。 明治期に花柳界で流行した「さのさ(節)」および、それに影響を受けた流行歌などを論じ、そこに歌謡曲の原型を見た一文に以下の記述はあった。歌謡曲の中にあった「江戸以来の伝統」と、僕がここで言う「システム」とは、なんと似ていることか。 「その江戸時代の色恋とは、既婚の男と花柳界の女との間のものだった。夫婦とは家同士の結びつきだから、恋愛感情など生まれない。それでいて、妻は子を産み、家を守ることを義務づけられる。そこで夫は外で女と恋をする。 しかも相手の女は、どんなに深い仲になっても、『妻という字にゃ 勝てやせぬ』と、いつかは身を引いてくれ
※本記事は『日本のロック名盤ベスト100』(川崎大助)の抜粋です。 浸食されたロック 「アイドル」も同じだ。頑張っている女性を応援、でもなんでもいいが、そんな物言いが憤懣やるかたないおためごかしでしかないのは、「システム」に参加させられた当事者である女性たちには、そもそもなんのイニシアチブも与えられてはいないからだ。 システムそのものをコントロールできる権力は、かならず、「外部」にいる独裁者のごとき者の手の中にある。そしてその「誰か」の指導のもとで、振り付けのもとで、「外には出られぬ」囲いの中で、統制された行動をとる女性の「献身」を鑑賞したり、ときに賛美したりする、というゲームが現出することになる。これが男性原理を駆動エンジンとして使用した、日本特有のひとつのシステムの全容だ。 そして、こうした文化のありかたを許容する女性(や女性像)こそが、日本ではあらゆる場面で優遇される。「許容すること
※本記事は『日本のロック名盤ベスト100』(川崎大助)の抜粋です。 アイドルと日本の「欲望」 もうJポップではない、という声を最初に僕が聞いたのはいつのことだったか。さすがに2000年代のあとだったか。そのときの僕は、とある仕事関係の知人を前に、例によって例のごとく、なにかの歌詞の分析をおこなっていた。 「そんなこと、もうどうでもいいじゃないですか」といったことを、彼は僕に言った。Jポップはもう終わっているんだし、そもそもあんなものの歌詞、誰もまともに聴いちゃいないですよ、カラオケで歌いやすけりゃそれでいいんですよ──と。 僕も、このときばかりは驚いた。これほどまでにも早く、Jポップという言葉までもが使い捨てされようとは。渋谷系がバッシングされたときに感じたことと同様、「ああ、GSが終わったときと同じなのだろうな」と、このときも僕は感じた。日本の音楽業界とは、こうしてつねに「焼き畑農業」を
メタのマーク・ザッカーバーグCEOが、米国のいまの企業文化は「女性的すぎる」、職場は「去勢されてしまった」などと発言して物議を醸している。 いわく、「すっかり抑圧されてしまった男性的なエネルギー」を取り戻すべきらしい。 しかし、本当にそうなのか? まず、メタ社には女性よりも男性社員のほうが多い。女性社員が急激に増えたという事実もない。 社会心理学者のアダム・スタナランドは、同社社員の3分の2近くが男性であり、テクノロジー部門に至っては約4分の3が男性だと、米メディア「カンバセーション」に書いている。
中国のAI企業「ディープシーク」のチャットボットが、世界に衝撃を与えている。だが、中国政府の検閲下にあるこのサービスは、同国についての微妙な質問にも答えてくれるのか。英紙「ガーディアン」記者がいろいろ聞いてみた──。 いまや世界中でユーザーを獲得している「ディープシーク」の新たなチャットボットだが、中国や同国政府にまつわる微妙な質問への回答を検閲しているようだ。 中国の全国サイバーセキュリティ標準化技術委員会が発行した技術文書によれば、同国の生成AIは自国の「中核にある社会主義的な価値」を侵害するコンテンツを含んではならないという。 そうしたコンテンツに該当するのは、「国家権力の転覆と社会主義体制の打倒を扇動する」、または「国家の安全保障や利益を危うくし、国家イメージを傷つける」ものなどだ。 そこでわれわれは、これまでグレートファイアウォール(中国のネット検閲システム)によって検閲されてき
2024年末に戒厳令を出した尹錫悦大統領の弾劾裁判を巡り、与野党の対立が激化する韓国では、とくに20~30代の若者世代で男女間の溝が深まっているという。昨今の政治的混乱によって拍車がかかる男女の分断の背景を、共同通信社編集委員・論説委員の佐藤大介が現地からリポートする。 このところ、韓国に関するニュースで「憲政史上初めて」という言葉を目や耳にすることが多い。そのいずれもが、2024年12月3日に「非常戒厳」宣言を出した尹錫悦大統領に関わることだ。 尹は、12月14日に国会で弾劾訴追案が可決されると大統領としての職務は停止されたが、その地位には留まっている。だが、戒厳令を巡って内乱首謀の容疑をかけられており、2024年末にソウル西部地裁が逮捕状を発布したことにより、2025年1月15日に高官犯罪捜査庁(高捜庁)などによって身柄を拘束された。 さらに、高捜庁は19日に尹を逮捕して送検し、26日
※本記事は『日本のロック名盤ベスト100』(川崎大助)の抜粋です。 ③ザ・ブルーハーツ『ザ・ブルーハーツ』 ヴォーカルの甲本ヒロト、ギターの真島昌利、ふたりの卓越したソングライティング巧者の力量が遺憾なく発揮されたことで、まさにロック・シーンに「爆弾が落っこちた」かのような衝撃が走った、彼らにとってのファースト・アルバムがこれだ。代表曲のひとつ「リンダリンダ」を聴くだけで、彼らの功績の巨大さはいつでも理解可能だろう。 甲本と真島の作詞作曲法の最大の特徴は「巧さを感じさせない」ところにある。わかりやすい、くっきりとした日本語とメロディとのマッチングは、童謡や学校唱歌すら連想させられる。ひとつの音符に、原則かならず「言葉の中の一音節だけ」を乗せていく、という方式がとられているからだ。これが朴訥な語り口調として聞こえる秘密だ。 だから聴き手は甲本ヒロトの歌に親密な感情を抱く。そんな「言葉とメロデ
レストランでの食事や、ビジネスにおける社交の場、あるいは冠婚葬祭……最低限のエチケットを守るべき場面が世のなかにある一方で、本当に必要なのかと疑問を持たずにはいられない「謎のマナー」も存在する。 こうしたルールは結局のところ、何のためにあるのか? 英紙「タイムズ」のジャーナリストが、英国式エチケットの専門家、ウィリアム・ハンソンと食事をともにしながらインタビューした。 小うるさい男が来たらどうしよう… 高級ホテルのクレリッジスでウィリアム・ハンソンと昼食の約束をしたものの、到着してみると自分がひどく緊張していることに気づき、苛立ちを覚えた。 ハンソンはエチケットの専門家だ。インスタグラムでは300万人、TikTokでは200万人ものフォロワーを抱え、クロワッサンの正しい食べ方(手でちぎる、バターを塗らない、コーヒーに浸さない)、パーティーで立ち入った質問をしてくる招待客への対応(にこやかに
※本記事は『日本のロック名盤ベスト100』(川崎大助)の抜粋です。 ①はっぴいえんど『風街ろまん』 およそ日本語でロック音楽を作る者で、本作にて実用化されたアイデアから無縁の者はひとりもいない。自動車で言えばT型フォード、日本のロックはここから始まった。 メンバーは、細野晴臣(ベース、ヴォーカル、ギター、キーボード)、大瀧詠一(ギター、ヴォーカル)、松本隆(ドラムス)、鈴木茂(ギター)の4人。このセカンド・アルバムで彼らの方法論は完成した。成功を決定づけたのは松本隆の書く詞だ。 たとえば「風をあつめて」。細野晴臣の作曲とヴォーカルによる、はっぴいえんどの代表曲であり、日本のロックの代名詞とも言うべき一曲だ。ソフィア・コッポラ監督も東京を舞台にした映画『ロスト・イン・トランスレーション』(03年)の挿入歌として起用。 だからこの曲には、まるで坂本九の「上を向いて歩こう」のように、日本語を解さ
「別の場所に住んだほうがよい」 イスラエルとハマスの停戦協議をバイデン前政権から引き継ぎ、当事者に圧力をかけて停戦を実現させたトランプ政権。恒久的な停戦に至るかどうかはまだ定かではないが、ガザ北部には数十万人のパレスチナ人が戻ろうとしており、わずかな希望も見られる。トランプの働きはキア・スターマー英首相などに外交の功績として称賛された。 しかし、戦場となったガザ地区の復興をめぐるトランプの発言は、物議を醸している。 それは、パレスチナ人を外国に移住させるべきだとする発言だ。 米メディア「CNN」などによると、2025年1月25日にトランプは、「ガザ地区は文字通り解体現場だ。ほとんどすべてが破壊され、人々がそこで亡くなっている」として、ガザ地区を「一掃」するために150万人もの住民が「平和に暮らせるであろう別の場所に家を建てたほうがよい」と述べた。 CNNによると、トランプはすでにヨルダン国
「マイクロソフト」の共同創業者で慈善家のビル・ゲイツが、イーロン・マスクを「どうかしている」と批判した。 マスクが極右政治家の支持を表明し、他国の政治に介入しようとする「非常識な」姿を見て苦言を呈したようだ。英「ガーディアン」紙によれば、マスクはここ数週間、英国の政治家たちが10年以上前の強姦事件を隠蔽していたという根拠のない中傷を繰り返していたという。現在、英国では、マスクの経営するSNSサイト「X」などの事業を制限する新しいオンライン安全法の制定が進められている。 最近では、トランプ米大統領就任の関連イベントで見せた仕草が「ナチス式敬礼」だと物議を醸した。しかし、世界中から非難を浴びてもお構いなしのマスクは、その後もナチスに関連したジョークをXで投稿し続けている。
Text by Martin Fackler, Kiuko Notoya and Hisako Ueno 中居正広の性的暴行疑惑とフジテレビの杜撰な対応のニュースは海を越えて、米国でも大きく報じられた。「ニューヨーク・タイムズ」は、ジャニー喜多川による性的虐待事件を引き合いに、日本の大手スポンサー企業の変化に注目している。 フジTVからCMが消えた それは、ある週刊誌のスクープから始まった。中年の元アイドルスターで、人気のテレビ司会者となった人物が、何らかの不正行為の代償として女性に口止め料を支払ったという疑惑だ。 そこから後追い記事が出はじめ、それは性的暴行事件であったと報じられた。ここでその元アイドルだけでなく、彼を起用し続けていた大手テレビ局に対する世間の怒りが噴出した。 1月23日には渦中の中居正広(52)が引退を表明したが、この一件はすでに大きな問題となっていた。海外の投資家がフ
創業114年で急成長した理由 日立は、人工知能(AI)ならびにクリーンエネルギーの需要急増で最大の恩恵を享受した企業の一つだ。徹底的な経営刷新を経て、時価総額で日本企業トップ5の仲間入りを果たすまでに急成長した。 創業114年の総合電機メーカーである同社は、産業用ソフトウェアとハードウェアのメーカーへの変貌を支えてくれた投資家に報いたかたちだ。時価総額はここ2年で3倍になり、1000億ドル(約15兆円)を超えている。 日立は、2009年に倒産の危機に瀕した。しかしいまでは、デジタルとデータ分析能力を柱にした成長を加速させるべく、次の段階に進もうとしている。
グローバルサウスと西側諸国の関係 ──日豪の2ヵ国は、グローバルサウスをどんな風にとらえていますか。 まず、グローバルサウスの概念は曖昧です。サウスという単語が目に入るかもしれませんが、これは地理上の地域を示すわけではありません。 グローバルサウスとは、植民地支配を受けていた時代の社会や経済の構造がいまも残る国々を指します。どこも世界経済に統合されてはいますが、それぞれの国を見れば、政情不安の国々から新興国まで、じつに多種多様です。 そんな多種多様な国々に共通点があるとするなら、それは植民地支配を受けた記憶です。西洋諸国をお手本とすることに対する拒否感が強く、米国が同盟国とともに中露と対立するときは、そこに巻き込まれないように距離をとります。なお、中国もグローバルサウスの一員を自任する国です。 グローバルサウスのそうした中立の姿勢は、ロシア政府にとって都合よく働きました。ロシアに対する経済
日本は2025年、約800万人の団塊の世代が75歳以上の後期高齢者になる「2025年問題」に直面する。これに伴い、人口減少や現役世代の介護負担といった問題が深刻さを増しているが、有効な対策は講じられないままだ。 自身もまもなく50歳の誕生日を迎える英紙の東京支局長は、いつまでも「若者気分」が抜けない日本人の態度に疑問を呈する。 大きな節目となる誕生日が、数週間後に迫っている。 山口百恵がシングル「冬の色」をリリースし、女性ソロ歌手として最年少(15歳11ヵ月)でのチャート1位記録を更新していた頃、筆者は生まれた。その年、映画『メカゴジラの逆襲』が大ヒットし、沖縄国際海洋博覧会が開催された。 まもなく50歳──この気の滅入る人生の折り返し地点については、こうも言える。「ハローキティ」よりひとつ年下で、東海道新幹線より10歳若く、富士山より10万年若い。これら三者は、老いてなおますます盛んだ(
北海道千歳市の地価が大きく上昇し、日本各地で今、休耕田が注目を浴びている。東京から満席の飛行機で千歳市を訪れると、昨年度の採用達成率が過去最低の51%になったという自衛官募集の看板が目に入る。 頭をよぎったのは米映画『フィールド・オブ・ドリームス』に出てくる名言、トウモロコシ畑に野球場を造れば、往年の大リーガーが「やって来る」という啓示のような不思議な声だ。 空に向かってそびえ立つ6台ものクレーンが、周囲の田園風景と何とも不釣り合いで目立つ。半導体産業のトップを奪還するという投資総額5兆円とされる日本の賭けを、何千人もの建設作業員が驚くべきスピードで形にしている。 ここで建設が進められているのは、官民合同で2年前に設立されたラピダスの工場だ。同社は米IBMと提携し、最先端の回路線幅2ナノメートル半導体を2027年中に量産し始めることを目指している。 何であれリスクはつきものだ。産業振興にお
村上春樹の『世界の終りとハードボイルド・ワンダーランド』や『街とその不確かな壁』のような作品では、語り手の使用する一人称の違いが、異なる複数の語り手がいることを示唆する重要な要素となる。しかし当然ながら、英語には一人称は「I」しか存在しない。この場合、英語ではどのような表現が考えられるのか? 英語版の読者たちの読書体験は、どんなものになりうるのか? 『街とその不確かな壁』の英語版が2024年11月に刊行されたのを機に、英国の日本文化研究者が解説した。 日本語の一人称の豊かさ 村上春樹の最新作『街とその不確かな壁』は、17歳の少年の物語と45歳の男性の物語という、パラレルな二つの物語を中心に展開する。 英語版の読者は、小説内で一人称の語り手たちが各々の状況を明らかにするなかで、次第に二つの世界の存在に気づくようになる。だが、オリジナルの日本語版の読者には、このパラレルな世界は第5章の最初のペ
ソフトバンクグループや生成AI開発のオープンAIなど3社が、米国内でのAIインフラに今後4年間で5000億ドル(約75兆円)を超える巨額の投資を行う計画をトランプ大統領とともに発表した。米国の巨額投資にソフトバンクグループが参画することについて、海外メディアはどう報じたのか。 発表された巨額投資 ソフトバンクグループとオープンAIは、AI開発向けの合弁事業「スターゲート」を立ち上げると発表した。孫正義やサム・アルトマンはトランプ大統領と共に記者会見に臨み、4年間で5000億ドルの巨額投資を実行することを明らかにした。 新事業はソフトバンクグループが財務を管理し、オープンAIが運営を担当するという。全米にデータセンターを建設し、AI開発に必要な電力需要も併せ持つ構想を明かした。
※本記事は『ヒットの崩壊』(柴那典)の抜粋です。 AKB48とSNSの原理 00年代前半にはまだCDバブルの余熱が残っていたが、00年代後半から10年代初頭にかけては、いよいよ音楽ソフト市場の縮小が大きく取り沙汰されるようになっていく。 その変化を牽引したのがインターネットの普及だった。小室はこう分析する。 「YouTubeが一番大きかったでしょうね。『映像が見れてMP3と同じ音で聴けるんだったら、別にこれでいいじゃん?』と思うようになった。その時点で、音楽にお金を払うことに疑問を感じる風潮が生まれてきた。『これが21世紀なんだな』って思いました。音楽はどこでも聴けて、当たり前のように身近にあるものになった」 ネットワークの帯域が広がり、いつでもストリーミング配信の形で音楽を聴いたり動画を視聴したりすることができるようになったことで、「コンテンツを所有することへの欲求」自体が減退していった
1月20日に第47代米国大統領に就任したドナルド・トランプは、初日から大統領令を乱発してバイデン前政権の政策を次々と覆し、エンジン全開の様子だ。その鼻息の荒さは、昨年11月の大統領選で「圧勝した」という自信からくるのだろう。 就任式前日の夜に支持者を集めて開いたイベントでも、「我々はこの国がかつて経験したことがないほどの劇的な政治的勝利を収めた」と息巻いた。 「圧勝した」「国民から圧倒的な負託を受けた」──大統領選当日の勝利演説以降、トランプとその取り巻きはこうした主張を繰り返し、だから「俺たちは何でもできる」と言わんばかりの政権人事や政策を打ち出している。
1969年の日曜午後6時半に『サザエさん』が放送開始になって以来、加藤はずっとその役の声を担当してきた。親分肌だが親切で、忘れっぽく、しょっちゅう何らかの不運な出来事にばつの悪い思いをしているキャラクターだ。テレビアニメ番組で同一の役を演じ続けた年数が最長の声優として、加藤は最近、ギネス世界記録に輝いた。彼女は、放送開始時から続けている唯一の声優であり、最年長者だ。 2023年に、サザエの息子タラちゃん役の貴家堂子が87歳で亡くなった。サザエの妹ワカメ役の声優だった野村道子(86)は、30年務めた後2005年に降板した。加齢により声が太くなり、「もう8歳の女の子の役はできない」と判断したためだ。 この日本で最も愛されているアニメは、いまもフジテレビで当初と同じ時間帯で毎週放映されている。サザエと夫、3歳の息子、(加藤よりずっと若い声優が担当する)サザエの両親、いたずらっ子の小学生の弟とかわ
次のページ
このページを最初にブックマークしてみませんか?
『クーリエ・ジャポン | 海外メディアから記事を厳選!』の新着エントリーを見る
j次のブックマーク
k前のブックマーク
lあとで読む
eコメント一覧を開く
oページを開く