NHKの記者として働いていた娘を過労死で失った母親は、11年目を迎えたことしの命日の法事で突然、異変に襲われました。全身から汗が吹き出て、娘が自分に乗り移っているような感覚にとらわれたのです。「命日反応、命日症候群です」と医師から言われ、自らの命を守るため入院を余儀なくされました。 仕事に夢や希望を託していた人たちが、働き過ぎで命を落とす「過労死」。その根絶を掲げた過労死防止法が施行されて10年を迎えました。しかし、悲劇は繰り返され、遺族はやり場のない憤りと悲しみを抱え、日々を過ごしています。 取材/加野聡子ディレクター 聞き手/山田賢治アナウンサー 11年目の夏 法事の日に 異変に襲われたのは、NHKで記者として働き31歳の若さで過労死した佐戸未和記者の母親・恵美子さん。 これまでも7月24日の命日が近づくと精神的に不安定になったそうですが、この夏はより深刻な状況でした。 恵美子さん 「