「現代は文化ではなくお金がステイタスに直結する時代になった。本を書いたひとつの動機はそれに異を唱えたかったからです」と語るデーヴィッド・マークス氏 初めは毛嫌いされたビートルズの髪型「マッシュルームカット」は、どうやってクールになったのか? 90年代の日本を席巻したコギャルたちは、なぜガングロに進化したのだろうか? 文化にまつわるそんな変化を、人々の「ステイタス」への欲望に着目して解説した本が 『STATUS AND CULTURE 文化をかたちづくる〈ステイタス〉の力学――感性・慣習・流行はいかに生まれるか?』(筑摩書房)だ。 まずアメリカで出版されたこの本だが、今年8月には邦訳され、一部で話題を呼んでいる。 著者のデーヴィッド・マークスさんはアメリカ生まれだが、実は東京在住。日本の音楽やファッションに詳しいマークスさんは、なぜ500ページを超える本を書こうと思ったのか? * * * ―