「日本は、インドのIT産業との交流を深めるべき」。アジアITビジネス研究会が開催した「インドIT産業の現状 オフショア開発の強みと問題点」と題するセミナーで、クリシュナクマール・スンタラム氏はこのように強調した。同氏はコンサルティング会社の米ヘッドストロングの日本法人で、ビジネスデベロップメントディレクターを務めている。 インドでは、この30年余りで産業構造が大きく変容している。71年には農業46%、製造業44%、サービス業10%だったが、2004年には農業22%、製造業27%、サービス業51%となっている。生産人口、あるいはその予備軍の若さも見逃せない。25歳以下の人口比率が53%もある。中国では41%、米国が35%、日本は27%にすぎない。 インドのIT産業の内訳をみると、2003-2004年で、国内向けのソフトとサービスが34億ドル、ハード・周辺機器などが37億5,000万ドル。これ
「好きを貫く」よりも、もっと気分よく生きる方法 ちと分裂君のところで、「好きを貫く」ネタから始まって、おもしょい話がいっぱいでているので、せっかくなので尻馬。 まぁ、ゴッドランドの話をした時に、話そうと思っていた話でもあるんだけど、よくあるネタに引き合いにされる、退屈な「比較優位」の話から始めよう。 比較優位については、もともと、デビッド・リカードって人が提唱したものである。内容的には保護貿易の有害さ、自由貿易の有益さについて述べたものでもある。 そして、重要なのは、この「比較優位」に基づいて、基本的に経済学者のほぼ全員が、関税だったり極端な保護貿易を有害だと述べていることだ。無論、例外はいくつかあるけれども。 比較優位については、幾つか面白い例で説明することができるのだけれど、僕が一番好きなのはアインシュタインと秘書の例えだ。 アインシュタインは、タイプでも物理でも、秘書よりも上手にでき
「丸山眞男をひっぱたきたい」の反響は、単行本が出てようやく世の中に広がってきたようだ。ちょうどDankogai氏からTBが来たので、あらためてこのむずかしい問題を考えてみたい。 Dan氏の表現を私なりに言い換えると、赤木氏の表現はあまりにも否定的で、自分の置かれた状況を肯定するパワーが欠けているということだろうか。たしかに歴史的には、フリーターは「非正規雇用」ではなく、20世紀初頭までは技能をもつ職人が腕一本で職場を転々とするのが当たり前だった。請負契約を蔑視するのも間違いで、これは産業資本主義時代のイギリスでも19世紀の日本でも「正規雇用」だった。しかし第1次大戦後、重工業化にともなって工程が大きな工場に垂直統合され、職工を常勤の労働者として雇用する契約が一般的になった。いわば資本主義の中に計画経済的な組織としての企業ができたのである。 だが今、起こっているのは、この過程の逆転だ。か
まあもちろん、ことばの定義によってどうとでも変わる話なんだが、一般的な意味合いでいくと、この2つはたぶん、似て非なるものだ。「フラット」のほうは、例の「フラット化する社会」でいうような意味を念頭におく。インドでのアウトソーシングみたいな国際的なフラット化だけでなく、国内でも、プロとアマの境界がなくなってくる等、同様の現象はみられる。それまであった階層間の差、業態間の差みたいなものが次第にぼやけていくといったあたり。 「フラット化する社会(上)」 「フラット化する社会(下)」 今特定のサイトを挙げることはできない(忘れちゃった)のであくまで印象レベルだが、いろいろなところで、「でも格差は残ってるじゃん、ヒエラルヒーがあるじゃん、フラットじゃないじゃん」みたいなことを言う人がいるように思う。そんな奴いねぇよ、ということなら、以下はただの妄想なので無視していただきたく。ただ、記憶にちがいなければ
先日の「習作UI: 縁日の金魚を再現してみた」というエントリー。特に深い意味もなく作ったのだが、ソフトウェア・エンジニアを目指す学生さんのためにひとこと付け加えておきたいのは、この業界で本気で成功しようと思ったら、この程度のプログラムは、シミュレーションの専門家でなくともサクッと作れるように自分を鍛えておかなければいけない、ということ。 この業界で働きはじめると、担当した仕事によって、データ解析・Java・3D・シミュレーションなどのある特定の分野のプログラミングの経験を積むことになる。そういった経験を通して特定の分野を深堀りしてエキスパートになるのはおおいに結構なのだが、往々にして落ち込んでしまうのが「ボクはJavaのエキスパートだからRubyではプログラムは書かない」、「シミュレーションのことならそれに詳しいエンジニアがいるんだからその人に頼んで」、「今からFlashを勉強している時間
世界には、労働力マーケットが2つある。 高能率労働者マーケットと低能率労働者マーケットだ。 高能率労働者マーケットでは、慢性の人手不足のせいで、賃金が上がり続けている。 企業と労働者の力関係は、圧倒的に労働者の方が強く、 企業は、労働者に頭を下げて、お願いして企業に来てもらっている。 当然だ。 企業は、その労働者から、給料以上の価値を受け取るのだから。 交渉では、常に、より多くのメリットを相手に与える方が、優位に立つ。 当然、高能率労働者の待遇はすごくよい。 これは、単純な需給バランスの問題でもある。 需要が大きいのに、供給が小さいから、労働力の価値が上がっていく。 労働者がでかい顔をする。圧倒的なパワーを持つ。 一方で、低能率労働者マーケットでは、世界的に、労働者の数はどんどん増えている。 その需要を上回るスピードで。 そのせいで、賃金は下がり続ける。ワーキングプアに転落する。 これも、
昨日のエントリを書くために自分の過去ログを検索していて再読したが、道に落ちてる直径30cmのケーキに出くわしたアリさんモデルという表現は、実に、今、WEBで起こっていることの本質を表現していると思う。 Skypeやグーグルが何でもかんでもタダで提供するのは、第一には自分たちだけではとても食いくれないからだ。 そして、これはそんなに特殊なことでも不思議なことでもない。 本書でいわれる「リアル社会」を、私はかねがね「脳化社会」と呼んできた。ネットの社会は、私から見れば、「リアル社会」がより純化したものである。 「リアル」な社会とは、養老氏の言い方で言えば「脳化社会」、つまり、シンボルの操作で回っている世界である。だから、現代の労働は大半がシンボルの操作である。 そして、純粋なシンボルの操作であるプログラミングという作業においては、生産性の個人差が非常に大きく、今までの社会は生産性の低い方の人間
404 Blog Not Found:有能な経営者を期待したら負けである 私は「経営者が無能であることに怒れ」と言ったけど、「有能な経営者を期待しろ」とは言ってない。特にそれを事前に判定せよとは言ってない。 経営者が有能か無能かを判断できるほど賢くなるのは後でいい。 有能な経営者を彼が会社が起こす前に見分けることは永遠に不可能だけど、既にダメな会社を経営している無能な経営者を見分けることは簡単だ。 もし月給50万円の先進国人と月給5万円の発展途上国人がいたら、前者をクビにして後者を採用するのが今どきの経営者の義務なのである。 この義務を果たさずに、先進国人を月給5万円で使うことを夢見ている経営者は無能である。そちらへ無理にでも進もうとしている経営者を見抜くことは、そんなに難しいことではない。 しかし、前者をクビにして後者を採用する為には、イノベーションとシステム化が必要であって、その為には
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天文学の用語である「ダークマター」というメタファーで、ネットによる経済の構造変化を語ってみる。 今年の新書ベスト3 ウェブ進化論 本当の大変化はこれから始まる (ちくま新書) グーグル―Google 既存のビジネスを破壊する 文春新書 (501) ヒューマン2.0―web新時代の働き方(かもしれない) (朝日新書) 私は新書をそうたくさんは読まないけど、2006年という年を語る上で、この3冊は欠かせない気がする。そして、この3冊に共通するテーマとして「ネット列強は個人のエンパワーメントを促進する」ということがある。 「ウェブ進化論」のその側面については、アドセンスは21世紀のフルブライト留学制度だで論じている。佐々木さんの本については、佐々木氏のググル本に自助努力系の人が登場する理由に書いた。どちらの記事も、読みかえすと、自分が書いた所にはいろいろ直したい所があるが、引用はいい所を引用して
「盲導犬クイールの一生」を撮った写真家、秋元良平さんと久しぶりに会った。 秋元さんのことは、このブログでも何回か取り上げているが、彼の写真の撮り方は、独特だ。ほれ込んだ被写体を何年もかけて撮っていく。「盲導犬クイール」についても、たまたま、お産を手伝った(彼は畜産学科の出身)クイールと名付けられたラプラドールの子犬を撮ったのが、そもそものきっかけだった。 以降、12年間にわったって、この犬が盲導犬になり、年老いて亡くなるまで、レンズを通してずっと向き合い続けた。幸いなことに、その犬の物語とモノクロームの写真は、人々の心をしっかりととらえ、クイールは日本で最も有名な盲導犬となり、盲導犬というものの存在を世に知らしめる存在となった。 銀塩フィルムを使って、被写体の陰影を丁寧に押さえていく秋元さんの手法は、自分でもいっているが「アナログの究極」だ。その秋元さんが、今、デジタルカメラの魅力に目を向
都市は女性を美しくする。 学生時代、田舎から上京した友人が「東京のオンナは綺麗だ」と力説していたことを思い出す。 東京の下町育ちの私としては、そんな実感はなく、怪訝な面持ちで彼の言うことを聞いていた。しかし、上海に何回か渡る度に、この都市の成長につれて上海の女性たちがどんどん綺麗になっていることに気がついた。上海という街の1500万人を超える他者の眼差しと欲望が、この街の女性達の「綺麗になりたい」という願望に火をつけたのだ。 街を歩くと至るところに美容院があり、どの店もそこそこ客が入って繁盛している。現地のOLの平均月収は、1500元程度ということだが、その月収の1/3を化粧品に注ぎ込んでいる女性も少なくないという。最近では、韓国資本が進出して、韓国でも大流行となっている美容整形が上海でもブームになっている。もともと、上海の女性たちは美容に対する関心が高かったことと、美貌を武器にこの街で幸
安い労働力が光ケーブルを伝ってやってくる。困ったもんだと思う。 政府は失業対策をさて置いて、単純労働に関しても外国人労働者の雇用をアリにする方向で動いている。 goo news 自民党は経団連とグルだからなぁ。 自分のような立場から見れば、日本の経済は労働者が消費者として優秀だったからどうにかなってた印象なのだけど、今後どうなることやら。労働者受け入れ企業がメリットを得て負担は国民全体でみたいな感じかしらん。といった感想は置いといて。 んで、自分の畑のゲームの話。 海外の安価な労働力が日本に流入するの防いでいたのは、言葉の壁と、地理的な壁と、消えそうだけど法の壁。 ネットで仕事をすると、言葉の壁以外はほぼ無力だ。 ゲーム業界に関しては、光ケーブルを通して安価な開発力が既に日本を席巻しているのはご存知の通り。 デジタルデータに地理的な壁は関係無いから。 顔を突き合わせて云々は契約に関わる社員
社会生態学者、ピーター・ドラッカー氏が2005年11月11日に亡くなってから早くも1年が経った。この1年の社会の動きは目まぐるしかったが、変化が激しい時こそ、本質をつくドラッカー氏の言葉に耳を傾けるべきではないだろうか。こう考え、ドラッカー氏とのロングインタビューの記録をひもといてみた。 幸いにも、私はこれまで3度、ドラッカー氏にロングインタビューする機会に恵まれた。最初のインタビューは1997年のことだったが、当時のメモを見直してみると、現在に通じる示唆的な発言が満載されていた。1999年の2度目、2003年の3度目のインタビュー内容もまったく古びていなかった。 ドラッカー氏の魅力はたくさんあるが、何と言っても、物事をとらえるスケールにはインタビューのたびに圧倒された。現在起きている事象を読み解く際に、こちらが予想もしていなかった歴史上の逸話を持ち出し、それらを対比して、目からうろこ
「日本は、インドのIT産業との交流を深めるべき」。アジアITビジネス研究会が開催した「インドIT産業の現状 オフショア開発の強みと問題点」と題するセミナーで、クリシュナクマール・スンタラム氏はこのように強調した。同氏はコンサルティング会社の米ヘッドストロングの日本法人で、ビジネスデベロップメントディレクターを務めている。 インドでは、この30年余りで産業構造が大きく変容している。71年には農業46%、製造業44%、サービス業10%だったが、2004年には農業22%、製造業27%、サービス業51%となっている。生産人口、あるいはその予備軍の若さも見逃せない。25歳以下の人口比率が53%もある。中国では41%、米国が35%、日本は27%にすぎない。 インドのIT産業の内訳をみると、2003-2004年で、国内向けのソフトとサービスが34億ドル、ハード・周辺機器などが37億5,000万ドル。これ
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