本日はこのような場を設けていただき、誠にありがとうございます。 改めて、芥川賞という、たいへん栄誉ある賞をいただいたこと、嬉しく思います。同時に、少しばかり居心地の悪さを感じてもいます。パーティーというのは、また主賓というのはそういうものだ、それぞれがそれぞれの居心地の悪さを担い合うことでしか、場というものは成り立たないのだ、と言ってしまえばそれだけなのですが、今日はもう少しだけそのことについて考えてみたいと思います。 居心地の悪さ、というのは、ごく簡単に言えば、自分がいるべき場所にいない、ということだと思います。逆に言えば、この宇宙にただ一つだけあるのか、それともいくつもあるのかはわからないけれども、ともかくも自分がいるべき場所に、人型に自分の肉体を嵌めるように寸分たがわず身を置いていれば、居心地の悪さ、を感じることはないはずです。 自分がいるべき場所、と言われて、私が思い浮かべるのは温

