東京都知事選で前広島県安芸高田市長の石丸伸二が165万票を集め、立憲民主党・共産党の支援を受けた蓮舫を追い抜いて2位になった。年代別で見ると、10~20代の投票先で最も多かったのは石丸で、30~50代でも1位の小池百合子に肉薄した。 蓮舫は、若い世代の所得向上による少子化対策を強く打ち出した。その一方で、石丸が若者対策を強調していたわけではない。しかし、蓮舫は若者や現役世代の票をつかむことができず、その多くが石丸に流れた。一体なぜか。 社会学者の伊藤昌亮は、毎日新聞7月12日朝刊の「論点・どう見る『石丸現象』」の中で、石丸を「ネオリベラリズム(新自由主義)的な『改革保守』のポピュリズム(大衆迎合主義)政治家」と捉える。石丸の著作は「自己啓発本」に分類され、演説や集会は自己啓発的な雰囲気が漂っている。彼の発するメッセージは「『自分を信じて着実に努力し挑戦すれば自己実現できる』といったニュアン