(後編) 転校後に始まった陰湿ないじめ大橋史信さん(43)は、自分のことを「生きづらさ5冠王」と称する。 ①いじめ・不登校 ②家族との確執 ③発達障害 ④ひきこもり ⑤ワーキングプア……このうちの1つがあるだけでも生きづらさを感じることがあるのに、大橋さんの場合、すべてが自分に当てはまるのだという。 いったい、どんな人なのか。興味を抱いて会ってみると、とにかく人なつっこい。女性を見ると相手の年齢に関係なく「母ちゃん、母ちゃん」と呼んで、懐に飛び込んでくる。断続的に10年以上ひきこもっていたというが、そんな姿は想像できないくらい明るい。 大橋さんは1980年、東京生まれ。7歳上の兄がいるが、年が離れているため、一人っ子のように大事に育てられたという。幸せな日常が暗転したのは小学3年生のときだ。夏休みに引っ越して、新しい学校に転校して1週間後ぐらいからいじめが始まった。 「ガキ大将みたいな子が