枝野幸男経済産業相は9日、東京電力の新たな経営体制の全体像などを示した総合特別事業計画(総合計画)を認定した。計画では国が1兆円の公的資金を投入するとともに、議決権の過半を握り実質国有化する方針を明記。家庭向け電気料金の平均10.28%引き上げなどを収益改善策の柱とする。経営難に陥った東電の再建が本格的に動き出す。電気料金は今年度から3年間にわたり上げる案を示した。東電によると、標準的な使用量
東電、実質国有化で再建=政府が計画認定−値上げ・原発稼働を明記 東電、実質国有化で再建=政府が計画認定−値上げ・原発稼働を明記 政府は9日夕、東京電力の再建に向けた「総合特別事業計画」を認定した。政府は6月の定時株主総会後に1兆円の公的資本注入を実施し、東電を実質的に国有化する。東電は政府管理の下、原子力損害賠償支援機構から迎える下河辺和彦次期会長と、常務から昇格する広瀬直己次期社長との新経営体制で、コスト削減などの合理化と経営改革を推進。電気料金の値上げや原発再稼働に取り組む。 政府は同日夕の関係閣僚会合で総合計画の認定を決定。枝野幸男経済産業相が東電の下河辺次期会長や西沢俊夫社長を呼び、認定を伝えた。 総合計画に基づき、東電は公的資本注入で財務基盤を立て直し、債務超過に陥るのを回避。福島第1原発事故の賠償と、事故炉の安定化・廃炉に向けた作業の着実な実施に努める。 収支構造の改善に
印刷 関連トピックス東北電力東京電力 東北電力は9日、東京電力からの融通電力の上限を、現在の140万キロワットから最大200万キロワットに引き上げることで合意した。東日本大震災と新潟・福島豪雨で供給力が落ち込むなか、ギリギリの対応を迫られている。 東北電は、9日の最大使用電力を1250万キロワットと予想。従来の融通の上限140万キロワットをすべて使っても、供給の余力は53万キロワットで、需要の4.2%しかない状態だ。 余力が3%未満になると計画停電の恐れが出るため、東北電は融通枠拡大を東電に依頼。両社が使う常磐共同火力勿来(なこそ)発電所(福島県いわき市)から東電に60万キロワットを送っている送電設備を流用して融通してもらうことで合意した。 関連記事東北電、東電から1日2回緊急融通 8日使用率96%超(8/8)東北電、8日の電力需給も「大変厳しい」 使用率96%(8/7)東北電、東電
印刷 関連トピックス中部電力原子力発電所 中部電力が2012年3月期連結決算で、1951年の設立以来初の営業赤字に転落する見通しとなったことが分かった。浜岡原子力発電所(静岡県御前崎市)の全炉停止で代替の火力発電に使う燃料費がかさむため。赤字幅は1千億円を超える可能性もある。 29日に第1四半期決算とあわせて発表する。 浜岡原発停止で失われた発電能力を全て液化天然ガス(LNG)で補った場合の追加費用は、年間2500億円。ただ、実際にはLNGだけでなく、より割高の石油を燃やす火力発電所もあるため、燃料費はさらに膨らむ。5月14日に浜岡5号機で発生した原子炉への海水流入事故への対応や高さ18メートルの防潮堤建設などの津波対策でも、追加の費用負担が見込まれている。 こうしたコスト増分は電気料金にそのまま転嫁もできるが、水野明久社長は当面、値上げしない方針を表明済み。このため、赤字分は数千
電力10社でつくる電気事業連合会(会長=八木誠関西電力社長)は18日、東京電力福島第一原発の事故に伴う損害賠償の枠組みについて、経済産業省資源エネルギー庁に要望書を提出した。原子力は国策で推進してきたとして、政府に賠償責任を果たすよう求めた。 賠償枠組みの政府案では、原発を持つ電力各社が負担金を払って「機構」をつくり、その機構が東電の賠償を支援する。枠組みは、将来の事故にも備えた共済制度になっていて、東電を含めた電力各社が毎年、負担金を払い続ける仕組みだ。 政府は一時的に公的資金を投入するが、東電が全額を返済する。電事連は、国も賠償負担を明確化するように要望した。
「東京電力への電力融通は中止せざるを得ない」--。中部電力の水野明久社長は浜岡原発の停止を発表した9日の会見で苦渋の表情を浮かべた。当初、福島第1原発事故などで夏場に深刻な電力不足が見込まれる東電に余剰電力を回し、支援するはずだったからだ。 ところが、首相からの浜岡原発の全面停止要請の受諾で、中部電自身が電力不足のリスクを抱えることになった。夏場に向けて、東電への融通中止に加え、武豊火力発電所(愛知県武豊町)再開で供給力を上積みするが、7月の供給力はピーク電力(2560万キロワット)を2・1%(55万キロワット)上回るだけ。「企業や家庭の冷房需要が増える夏場は気温の1度上昇で電力使用が80万キロワット増える」(アナリスト)とされており、薄氷の対応となる。 「中部電が電力不足に陥らないように支援する」(海江田経産相)という政府は西日本の電力各社から中部電への電力融通を進めたい考え。計算上は関
政府による浜岡原子力発電所(静岡県御前崎市)の停止要請を受け、中部電力は8日までに旧型で効率が低いために長期間休止中の火力発電所を再稼働する検討に入った。浜岡原発を停止した場合、夏場の電力需要のピーク時に供給不足になる恐れがあるためだ。一方、政府も火力発電の増強に向けた燃料確保などで中部電を全面支援する方針を表明。当面は休止設備の再稼働で電力供給の維持を図る。中部電は9日午後にも名古屋市の本店
石原慎太郎・東京都知事は15日、神奈川、埼玉、千葉の4都県5政令市で今夏の節電に関する共同のルールを近く策定し、政府に導入を申し入れる考えを明らかにした。 石原知事は「国難の中で生活様式を変える必要がある。戦争中も灯火管制で明かりが漏れたら周りから注意された」など戦時中の体験を引き合いに、パチンコや自動販売機の電力消費を「無駄」と改めてやり玉に挙げた。 業界によると、東京電力管内のパチンコ店のピーク時の消費電力は計84万キロワット、清涼飲料水の自販機は計26万キロワットという。日本遊技関連事業協会は「パチンコをやめれば電力不足が解消するような言い方は納得できない。節電に努め、休業日の増加も検討中だ」と反論。全国清涼飲料工業会は15日、「生活者にとってかけがえのない機能を果たしている」との見解に加え、通常行っている夏場の節電を拡大すると発表した。【石川隆宣】
群馬、福島など4県にまたがる尾瀬国立公園(総面積約3万7200ヘクタール)の約4割を占める東京電力の所有地の行方が注目されている。 福島第一原子力発電所事故の被害者への補償金を捻出するため、東電は保有資産の売却・整理を進める方針だが、国立公園内の土地の売却は難しいためだ。 原発賠償金へ 東電は尾瀬国立公園に約1万6000ヘクタールの土地を所有している。前身の電力会社が1900年代前半から持っていた土地で、現在は環境保護などのために毎年約2億円を拠出している。東電の所有地は、尾瀬ヶ原を含む特別保護地区では全体の約7割に達する。 東電はホームページで「日本の宝でもあり、世界の宝でもある」とうたい、湿原の保護や観光客が歩くための木道の整備などを行っている。尾瀬は無料で開放されており、収入はほとんどない。
やまざき・はじめ/1958年、北海道生まれ。東京大学経済学部卒業。現在、楽天証券経済研究所客員研究員。株式会社マイベンチマーク代表取締役。東京大学を卒業後、三菱商事に入社。野村投信、住友生命、住友信託、メリルリンチ証券、パリバ証券、山一証券、明治生命、UFJ総研など、計12回の転職を経験。コンサルタントとして資産運用分野を専門に手掛けるほか、経済解説や資産運用を中心に、メディア出演、執筆、講演会、各種委員会委員等を務めた。2024年1月1日、永眠。 山崎元のマルチスコープ 旬のニュースをマクロからミクロまで、マルチな視点で山崎元氏が解説。経済・金融は言うに及ばず、世相・社会問題・事件まで、話題のネタを取り上げます。 バックナンバー一覧 被害者からカネを取る前に マイケル・サンデル教授のベストセラー『これからの「正義」の話をしよう』の冒頭には、ハリケーン・チャーリーで被災したオーランドで、生
1948年三重県生まれ。京都大学を卒業後、1972年に日本生命保険相互会社に入社。企画部や財務企画部にて経営企画を担当するとともに、生命保険協会の初代財務企画専門委員長として、金融制度改革・保険業法の改正に従事する。ロンドン現地法人社長、国際業務部長などを経て、同社を退職。2006年に生命保険準備会社を設立し、代表取締役社長に就任。2008年の生命保険業免許取得に伴い、ライフネット生命保険株式会社を開業。社長、会長を10年務めたのち、2018年より立命館アジア太平洋大学(APU)学長。2024年より現職。 出口治明の提言:日本の優先順位 東日本大地震による被害は未曾有のものであり、日本はいま戦後最大の試練を迎えている。被災した人の生活、原発事故への対応、電力不足への対応……。これら社会全体としてやるべき課題は山積だ。この状況下で、いま何を優先すべきか。ライフネット生命の会長兼CEOであり、
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