初めて鳥取市に行ってきた。出会った人はみな理知的で気さくだったのだが、驚いたのは街の風景だ。仕事柄、国内外の多くの街を訪れるが、これほど寂しい場所は初めてかもしれない。駅前から続くのは長いシャッター商店街。ようやく明るい店を見つけたと思ったら、石破茂事務所だった。 【写真をみる】鳥取駅は自動改札機すらない…石破総理の“お膝元”の寂し過ぎる現状 そう、鳥取は石破茂総理の地元である。1986年の初当選以来、約40年にわたって鳥取で選挙に勝ってきた。僕は今回、石破総理を見直した。こんなにも地元への利益誘導に無関心で、地方の衰退も仕方ないと割り切れる胆力のある人だとは思わなかった。それくらい、鳥取経済は冷え込んでいるのである。 田中角栄を師と仰ぐ石破総理だが、鳥取まで無理やり新幹線を通すようなことはしなかった。鳥取や島根を通る山陰新幹線の計画は1973年から存在するものの、実現のめどは立っていない