男性が生前使っていた手帳をめくる長男(右上)ら家族。男性の死後に子供を出産した長女は「孫の顔を見せることができず、心残りだ」と話す=愛知県内で2024年11月17日午後4時31分、土田暁彦撮影 岐阜大の研究員として働き、大手航空測量会社の顧問を掛け持ちしていたダブルワークの男性(当時60歳)が、3年半前に自殺して労災と認められていたことが関係者への取材で明らかになった。大学で上司の厳しい指導を受け、会社で孤立していたとされる。労働基準監督署は両職場での就労状況を総合的に考慮した結果、強い精神的負荷が生じていたと判断した。 労災認定を巡っては、2020年9月施行の改正労災保険法で、複数の職場で受けたストレスを総合的に検討し、労災対象になるかを判断する新制度が導入された。労働力不足などを背景に副業が推進される中、新制度に基づく認定が明らかになるのは珍しい。 遺族や代理人弁護士によると、男性は橋