事故が起きたアンタレスは打ち上げ直後に爆発したことから、第1段エンジンの異常が原因だった可能性が高い。エンジンは安価な旧式で、米国の民間活用に伴うコスト削減策が裏目に出たとの見方もある。 このエンジンは約40年前に旧ソ連で製造されたとみられ、米国企業が輸入、改修して搭載された。日本の宇宙関係者は「米航空宇宙局(NASA)は開発段階でコスト削減を強く求めており、安価な旧式エンジンを採用せざるを得なかった。費用を抑えるため点検項目を絞ったことが影響した可能性もある」と話す。 性能面の評価は高かったが、今年5月には同型エンジンが地上の燃焼試験に失敗しており、この際の原因究明が不十分だった可能性を指摘する声も出ている。 国際宇宙ステーション(ISS)の運用にも暗い影を落とした。食料や実験材料を運ぶ無人補給機は日米欧露の計5機種が運用されてきた。このうちアンタレスが打ち上げるシグナスは、今回の事故で