辻野 照久(科学技術振興機構研究開発戦略センター 特任フェロー) 2013年 3月11日 科学技術振興機構(JST)が2009年にとりまとめた「中国の宇宙開発の現状」[1]では、中国の宇宙科学衛星は「双星」2機と「実践」2機の計4機であると述べた。その後2011年に行った「世界の宇宙技術力比較調査」でも、その4機だけが地球近傍環境観測衛星に該当するものとして比較評価を行った。 今回改めて中国における「地球近傍環境観測」ミッションの実施状況を調査したところ、これまでは技術試験衛星(例えば新型ロケットの性能を評価するための衛星)と見なしてきた衛星の中に、実は宇宙環境計測を行っていると判明したものがいくつか出てきた。それを集計すると、中国の地球近傍環境観測衛星は14機となった。以下、中国の「地球近傍環境観測衛星」について、ミッションの詳細を紹介する。 双星計画 「双星」(Double Star