「殺人の時効は廃止」−。公訴時効制度の見直しを検討している法相の諮問機関「法制審議会」が、人を死亡させた罪のうち最高刑が死刑の罪を時効制度の対象から外すなどの見直し案を答申した。答申では時効を控える未解決事件も適用対象としており、被害者遺族らから歓迎の声があがる一方、さかのぼって適用することは憲法に違反するとの観点から、反対論も依然として根強い。また、事件発生から長期間が経過することで立証が困難になるとの消極論もある中、時効制度はどう在るべきなのだろうか。 (高橋裕子)改正法は6月半ばまでに成立の見通し 「大きな前進。被害者遺族の犯人を憎む気持ちは、時がたつにつれ薄れるどころか増大する。警察が細々とでも捜査を続けてくれていることが、心のよりどころであり生きがいだ」 法制審は2月24日、千葉景子法相に時効制度の見直しを答申した。平成8年に上智大生だった娘を殺害された、殺人事件被害者遺族の会「
八王子スーパー「ナンペイ」強盗殺人事件で現場に残された靴跡と同様の靴底を持つスニーカー=28日午前、東京・警視庁(三尾郁恵撮影) 公訴時効制度の在り方を検討してきた法制審議会の刑事法部会で28日、事務局が示したのは、廃止・期間延長の規定を、時効が進行中のものにも適用するとした案だった。 改正法が施行された時点で時効が完成していなければ、廃止・延長の対象となるというものだ。適用されれば、たとえば平成7年7月に発生し、今年で15年の公訴時効が完成する八王子のスーパー強盗殺人事件のほか、8年発生の上智大女子学生殺害、12年の世田谷一家4人殺害などの時効が廃止されることになる。 一方、現在再審公判中の足利事件では、犯人として無期懲役の刑に服すなど17年半にわたって身柄を拘束されていた菅家利和さん(63)が昨年、無罪の可能性が高いとして釈放されたが、事件は19年前の発生で、すでに時効が完成。改正法の
早川忠孝の一念発起・日々新たなり 通称「早川学校」弁護士・元衆議院議員としてあらゆる社会事象について思いの丈を披歴しております。若い方々の羅針盤の一つにでもなればいいと思っておりましたが、もう一歩踏み出すことにしました。新しい世界を作るために、若い人たちとの競争に参加します。猪突猛進、暴走ゴメン。 法制審議会の刑事法部会が昨日開かれ、法務省刑事局は、人を死亡させる凶悪重大な犯罪のうち、強盗殺人や殺人罪のように法定刑に死刑があるものは公訴時効制度の対象外とすることで事実上時効を廃止し、それ以外の犯罪については、強姦致死罪など法定刑に向きの懲役・禁固がある罪は30年、傷害致死罪など上限が20年の懲役・禁固がある罪は20年、業務上過失致死罪などそれ以外の懲役・禁固の罪は10年とし、いずれも現行の2倍とする、との要綱骨子案を提出したようだ。 昨年、森英介法務大臣の下で開催された「凶悪重大事件に係る
見直しに向けた議論が始まっている凶悪・重大事件の「公訴時効」について、法務省刑事局は21日の法制審議会で、どのように見直すかの選択肢をより具体的な形で示した。刑事局はこれまでの議論では罪名などを明示していなかったが、廃止、延長、停止(中断)の選択肢ごとに、対象の罪名や時効となる期間の延長幅を盛り込んだ。22日から来年1月17日まで、一般からも意見募集し、今後の議論の参考にする。 法制審は千葉景子法相の諮問を受け、11月から審議を開始。刑事局は、森英介・前法相時代の省内勉強会の議論を参考に、廃止、延長、停止(中断)を見直す場合の選択肢として示していた。 しかし、学識者らで構成される法制審委員から「抽象的すぎてイメージしにくい」との声が上がり、「たたき台」としてさらに要件や対象犯罪を具体化した試案を明らかにした。廃止と延長を組み合わせた具体案も初めて提示。この日の議論では各案の長所や短所が
【ニューデリー=田北真樹子】パキスタン北西辺境州のスワト地区で、17歳の少女が、義父と性的関係をもったとして、イスラム原理主義勢力タリバンのメンバーからむち打ちを受ける場面がテレビで放映され、パキスタン国内で衝撃が広がっている。スワト地区は治安回復を望む州政府が武装勢力の主張を受け入れ、3月中旬からイスラム法が導入されている。 映像では、大勢の男性が取り巻くなか、2人の男性に上半身と下半身を押さえられた少女が、もう1人の男性からむち打ちを受け、「やめて」と懇願する様子などが映し出されている。 タリバン側はこの映像の存在を認めたうえで、「少女は夫以外の男性と家から出てきたから、罰を受けなければならない」として、むち打ちは妥当だと述べた。一方、地元タリバンの司令官が少女に求婚したが、少女の父親が拒否したための報復との説もある。 一部の報道によると、映像は住民の携帯電話で広がり、テレビでも繰り返
ガン闘病記~骨肉腫になって~+α ご寄付のお願い。私の行っている学習支援に対して資金・物資の支援をしていただける方はメッセージをください。 ※本ブログは当初は骨肉腫に関する記事を投稿していました。 読売新聞社という会社が発行している「読売ウイークリー」という雑誌がある。(参照URL http://info.yomiuri.co.jp/mag/yw/ ) その雑誌の表紙にこう書いてある。 『加藤容疑者を無罪にする!?日本 秋葉原殺人 早くも「自分は精神病」/被告にユルい日本の刑法規定だと国民仰天判決も/他人のせいにするな!追跡・転落人生』 読売という会社はどうしても人を裁き、処罰したいようである。裁く権限も処罰する権限もないのに。 我が国刑法は、近代刑事法の大原則である罪刑法定主義を受けて、どのような行為が犯罪となり、どのような刑があり、それがどのように科されるかを規定している。被告人に言及
はてなブックマーク - 痛いニュース(ノ∀`):光市母子殺害事件 弁護側「死姦は蘇生行為」と主張 どんだけ煽られやすいんだよ、と。 伝えられているような主張は、確かにかなり無理があるというか、苦しいと見えます。死刑を避けるためになりふり構わない、というように見える。弁護団は21人。つまりこの主張を頭のおかしな主張、と捉えるなら、21人が足並みを揃えて異常な行動をとってることになる。もし本当そうなら、相当に異常な事態だし、ということは「そういう見方のほうがおかしい」って可能性もそれなりにあるってことだ。 弁護団の代表は安田好弘という人物なんですね。凶悪犯の弁護をずいぶん引き受けているらしい。安田弁護士自身が逮捕されたときには、多くの弁護士が弁護しようとしたとのことで、同業者からの信頼はかなりあるんでしょう。被害者遺族会の中にも彼を支持する人がいる、と Wikipedia にはありますね。少な
長沢雅彦監督の映画 「13階段」 をご覧になった方から、「欧米は応報刑、即ち社会的制裁・復讐の刑罰、それに対し日本は目的刑、即ち教育・更生を目的とした刑罰であると言われる、しかし、出所後の再犯率は高い・・・」 というナレーションが冒頭にでてくるが、どうなのかと質問が寄せられ、意見を求められました。 この映画を見ていませんし、また、法律の専門家でもない私がコメントするのは憚られますが、受刑者の処遇に絞ってこの問題に触れることにします。 「出所後の再犯率は高い・・・」 の方から先にお答えしますと、矯正統計から見た出所後、10年間ほどの再入所率は、全出所者の45%から55%の間です。 また、再入所者(2回以上の服役者)のうち、約4割のひとが出所後1年未満で再犯をしています。 いずれもこの状態が戦後、大体続いていますので、映画で 「出所後の再犯率は高い」 とのナレーションにそれほど異議を唱えること
個人主義が生んだ少子化の弊害 最近の日本の一番大きな問題に、少子高齢化がある。高齢化のほうは喜ばしいが、少子だから高齢者の多い社会になるのだ。なぜ少子になるかというと、まず女性が結婚をしない。「よい男性がいない」という。でも男性に聞くと「よい女性がいない」といっている。両方でいっているわけだから、仕方がない。40歳の男性の2割がまだ独身だ。女性だけでなく、男性も結婚しない。つまり、子どもを持とうと思わない。「子どもはやっかいだ、1人で暮らしているのが一番いい」。これが個人主義だ。個人主義を徹底すると、妻も夫もわずらわしい。 なぜ日本人がこんなに個人主義になってしまったか。それがこの問題の根本で、やはり学問の弊害だと思う。「学問公害」とでもいえばいいのか。大学で教える学問には“個人主義”という毒が潜んでいるのだ。 理科系はともかく、法学部や経済学部など文系の学問は、根本が個人主義な
ゼミの発表。フーコーが終わりました。トップバッターにもかかわらずB4用紙に細かい字で詰め込みまくって5枚叩きつけてきました。 評価は悪くなかったので、あとはコレを生かしてゼミ論です。どーなるやら。 で、メモ程度に思ったことを書き連ねる。 酒鬼薔薇以降の少年法に対する厳罰化、加えて成年犯罪者に対しても最近強まってきた厳罰化の傾向。これはフーコーが示した、近代化に伴う「法の表徴としての刑罰→規律・訓練による矯正としての刑罰」という流れから逆行してるんじゃないか。牢獄の中で監視の下、強制的に労働させるのは、身体を通して犯罪者の「精神の変容」を求めたからであって。この観点からいけば、もし厳罰化が要求されるならそれは刑罰がうまく犯罪者を矯正できてない、再犯率が高い場合ですよね。 ところが社会的背景はそうではない。「こんだけ残虐な犯罪を行ったのだからこれだけ厳しい処罰を受けるべきだ」という、ある種被害
結局、世論は子供が犠牲になる事件はすべて重く罰して欲しいということ - Munchener Brucke 子どもが死んだからって外野がギャーギャー言うな - いつか作ります - 断片部 「子殺しの重罪化」に関して、冷静な批判をするなら上のエントリに付け加えることはない。 しかし、恐らくこれに同意しない人達もいるだろう。感情論が先行し、「それでも子供を犠牲にするなんて許せない!!」と声高に叫ぶ人がいることは容易に想像できる。 そうした人達につけるいい薬がある。 世界主要国チョコレート生産・輸出入・消費量推移| 統計・レポート | 日本チョコレート・ココア協会 上の統計が何故「子殺し重罰化論者」への牽制になるかというと(勘のいい人はもう気が付いているだろうけど)、 こういうこと。 それでもまだ分からない人には『http://indigofish.exblog.jp/3901988/』でも読んで
核保有の議論は必要 自民・中川政調会長 あらかじめ言っておきますが、自分はいくつかの理由から「日本は核兵器を持つべきではない」と思っております。しかし、 同席した公明党の斉藤鉄夫政調会長は「核は絶対に持たない。議論することも世界に懸念を与えるから駄目だ」と同番組の中で強く反論した。 っていうのはどうなのよ。 二重に情けないよ。1点目は"議論すること"がダメって日本は言論の自由が保証された民主国家ではないのですか?その基本理念を与党の政調会長が否定してどうするよ。2点目は"世界に懸念を与えるから"って自分たちの防衛をどうこうではなく、"他人のリアクション"を気にしているのかよ。オマエには主体的に間考えるという発想がないのか?(とは言え、自分の反対の理由の一つも世界の「イメージ」ではあるのだけれど、それが最優先ではないぞ) でもまあ、一昔前なら、こんなことを言った時点で首が飛んだものだけれどね
先日、下関の放火事件のことをエントリーで取り上げましたが、どうしても気になって続報がないものか探してました。 「累犯障害者 」山本譲司著(非常に真摯な活動をされている著者です)で、その犯人像について取り上げられていました。 そうだったのか・・・。 一部要約抜粋させていただきます。 ** 火災の翌日、新聞各紙はこぞって「憤る市民の声」を取り上げた。その怒りの矛先は一人の男に向けられている。 A(本では実名で載せてます)、74歳。出火から3時間後、現在建造物等放火の容疑で逮捕された男だ。8日前まで刑務所に服役していた。元受刑者だった。 12月30日福岡刑務所を出所したA容疑者は、そのあと1週間、北九州市内の自転車置き場などで野宿生活を続けていたらしい。 「刑務所に戻りたかったから、火をつけた」 A容疑者は接見した弁護士にそう話しているという。 A容疑者は障害者であるという事実であった。 A容疑
死刑廃止の議論をしていると、「終身刑がないから死刑が廃止できないんだよ。日本の無期懲役というのは、誤解してる人が多いけどいつ出てくるか決まっていないという意味の無期なんだよね~」という人が必ず現れる。 では実際に死刑を廃止した国が終身刑という制度を採用しているのか、死刑の廃止と終身刑の創設がセットになるというのは本当なのだろうか。 ドイツは1949年に死刑が廃止され、確かにそのときに終身刑が創設されたという。たが、終身刑は1981年に廃止された。またアメリカでは、死刑があれば終身刑がないのかというと実際には3分の2以上の州、すなわち32の州で死刑と終身刑がある。死刑も終身刑もない州が10州。死刑がなく終身刑があるという州は6に過ぎない。死刑があり、終身刑のない州が2州ということになる(「無期懲役受刑者処遇の問題点と重無期刑(終身刑)の導入について」 海渡雄一弁護士)。 表を見てわかる通り、
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