この本は簡単に言えば、行政に対する国民のコントロールの強化を訴えている本である。 立法権だけでなく、行政権にも民衆がオフィシャルに関われる制度を整えていくこと。これによって、近代政治哲学が作り上げてきた政治理論の欠陥を補うことができる。(國分p.17-18) なんだそれは。そんな本は山と出ているではないか。と思うかもしれない。 ぼく自身、そのあたりの目新しさがどれほどのものなのかは正直よくわからない。 著者・國分功一郎がいいたいのは、近代民主主義の主権という考え方は、立法権を中心に成り立っているけども、それはタテマエにすぎず、実際には行政がいろいろ決めているから、行政に主権の関与が及ぶような改革を積み重ねていくべきだろう、ということなのだ。 まあ、これだけ聞いても、ふーん、としか思わないだろう。 うん。ぼくもこれだけの主張の本だったら、買わなかっただろう。 新鮮な目で社会運動を見つめ直した