熊本地震では、鉄筋コンクリート造りのビルで1階がつぶれる被害が相次いだ。1階部分を駐車場などに利用するため壁を少なくした「ピロティ形式」などの建物がほとんどだ。阪神・淡路大震災で被害があったことから設計の基準が強化されたが、それ以前の古いビルで被害が目立つという。 熊本市西区の7階建てマンション。1階の料理店主森田康敬さん(40)は16日未明、閉店後のトイレで「本震」に見舞われた。コンクリート片がバラバラと落ちるなか外に逃げ、壁向こうにあった駐車場のほうを見て驚いた。 上の住居部分が地面すれすれまで落ち込み、鉄筋コンクリート製の柱が、ぐしゃりとつぶれていた。「あとちょっとで自分もつぶれてしまうところだった」 マンションを販売した会社の元社長(67)によると、建物は1974年に完成。「市中心部でも、これからは車が欠かせない」と考え、1階に駐車場を設けたという。「熊本には断層が多数あり、地震は