エコー検査、レントゲン検査など、現代の医療では検査による画像診断が欠かせない。わけても日本は、医療機器であるCT(コンピューター断層撮影装置)やMRI(磁気共鳴画像化装置)が人口当たり保有台数で世界一という「検査大国」だ。最先端の検査が身近にある環境は恵まれている半面、医師の勧めに無条件に従って不必要な検査を受けてしまう「過剰検査」に陥る可能性にも気をつける必要がある。 【画像】人口100万人当たりの日本のMRI設置台数は世界一 ■診療所にもあるMRI 「脳ドックで認知症リスクを判定」「脳ドックで認知症の早期発見」――。こんな惹句がインターネットに並ぶ。超高齢社会を迎え、誰もが気になる認知症に対する不安心理をあおる。現在、国内に600か所以上あるという脳ドックの実施施設。ここまで増えた背景にはMRIの普及がある。経済協力開発機構(OECD)の2017年のデータによると、日本のMRI設置台数