- 17 - 〈研究ノート〉 日本のおもてなしと西洋のホスピタリティの見解に関する一考察 岩本 英和 ・ 髙橋 謙輔 【要旨】 本稿では、観光産業において近年多用されるコンセプトであるホスピタリティおよび「お もてなし」についてその異同を確認する。そして、「もてなし」の源流を日本の伝統文化であ る茶道に見られる「おもてなし」とする視点からの考察に加え、茶事が包含する「趣向」お よびイベント性を付加価値として導入する可能性を探る。 ホスピタリティおよび「もてなし」両者の異同に関しては、起源においては無償性という 類似する性格を有していたが、産業化の進展においてホスピタリティのサービス化すなわち 無償性の喪失が始まっていると考えられる点で「もてなし」とは相違するとの見解を取る。 「おもてなし」については、日本文化の特色に立脚する、趣向をはらみイベント性を有する 観光商品企画の中核コンセプトで