厳冬期の西穂独標へ。【その3】のつづきです。 『あーっ!!!!!』 隊長はその瞬間を最初から目撃していたわけで。 あとから聞いたところ。 頭から後ろにひっくりかえっていったそうです。 で、そのまんまコロンコロンと数回転。 自分がどうなってるかわからないけど、とにかく止まらなければ!! 何を考えてたかあんまり覚えてないんだけど、とにかく何かをつかもうと思ったことと、 ピッケル刺さなくちゃ!っていうことだけ。 ピッケルが刺さったのかアイゼンがひっかかったのかただのラッキーか、稜線から10mくらい落ちたとこで停止。 後ろから追いついた2人組のおじさんと隊長が『止まれー!!』って叫んでたのも なんとなく聞こえていたような。 これ以上落ちないようにアイゼンをしっかりきかせてピッケルをさしたところで 一息ついて全身チェックしてみる。 落ちた斜面がたまたま岩がぼこぼこ露出してたので、つかむところがあった