自動運転を疑う【後編】 米国を中心に、各地で自動運転技術の開発が進んでいます。巨額を投じて開発を進める企業がしばしば強調するのが「自動運転は、生身の人間の運転より安全だ」という点です。前編では、自動運転自動車による安全性に関するデータは十分に集められていないと指摘したITジャーナリストの星暁雄さんが、後編では、世界シェア1位の電気自動車に先進的な運転支援を搭載したテスラを例に、企業の安全に対する姿勢を考えます。 自動運転技術に関連して、EV(電気自動車)で世界シェア1位のテスラは目立つ企業である。同社CEOのイーロン・マスク氏は自動運転の将来性を声高に宣伝してきた。同社はレベル2(人間の介入を前提とした自動運転に準じる運転支援機能)の「オートパイロット」機能を市販車に搭載しており、テスラのユーザーは自動運転機能(運転支援機能)に慣れ親しんでいる。また同社は自動運転タクシー事業への参入意向を