食パンの友といえばバターである。甘いジャムも捨てがたいが、いつまでも飽きずに食べられるものを考えると、やはりバターに手が伸びてしまうのだ。今回はコラム最終回を飾る一品として横市フロマージュ舎の「横市バター」を取り上げよう。 バター選びを考えるとき国産か外国産か。発酵バターか非発酵バターかがポイントになる。発酵バターはクリームを乳酸発酵させて作るのが特徴で、欧州では一般的な品。わずかにヨーグルトのような酸味がある。非発酵バターは、国内や米国でポピュラーな種類。ミルクの香りとほんのりとした甘みが特徴だ。横市バターは、国産の非発酵バターに分類できる。日本人向けのバターといっていいが、普段食べているバターとはその風味はひと味もふた味も違うものだった。 バターには独特の香りがある。よく「バター臭い」などといわれるが、横市バターにはバター臭さが全くなく、フレッシュなミルクの香りが感じられる。味も香りに