形あるものはいずれ朽ちる。諸行無常です。 それは美術品や文化財も同じです。そのあたりにポンと置いておけば、色は消えていき、形は変形し崩れていきます(当たり前か)。 美術館は、そして学芸員は、その万物の法則にあらがい、可能な限り収蔵品をそのままの形で後世に残すことが責務と言えます。 そのために、なるべく作品が傷まないよう、適切な温湿度に保ち、虫に食われないように注意を払い、展示をする時は照明を絞ります。 それでも時間が経てば、大なり小なり作品は劣化していきます。 日本画であれば、シミや紙焼けが出てきたり、顔料(絵の具)が剥落してきたり、糊(のり)の接着力がなくなって表具の裂がはがれてきたり。 油絵であれば、キャンバスを貼っている木枠が反ってきたり、キャンバスがたわんだり、油絵の具が割れたり、浮いたり、剥落したり。 そんな時、どうしたらいいのでしょうか。 プロの修復家はどこにいる?残念ながら学