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ブラックフライデー
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男子の性教育: 柔らかな関係づくりのために 作者: 村瀬幸浩出版社/メーカー: 大修館書店発売日: 2014/05/08メディア: 単行本この商品を含むブログ (2件) を見る 2014年6月共同通信配信 この本を読むと、性教育に対するイメージが大きく変わるはずだ。著者の村瀬は、高校生や大学生に向けて、男子の性を見つめ直すことの重要性について語りかける。まず話題として取り上げるのは「射精」である。 男性雑誌やポルノ映像では、射精は気持ちのいい体験として描かれているが、ほんとうにそうなのか。男性たちは、射精の後でみじめな気持ちになったり、射精をする自分自身を情けなく思ったりはしていないか。 実際に、中高生の男子に調査してみると、3〜5人に1人が、射精は気持ちいいものだとは思っていない。村瀬はこれらのデータを説明した後に、男子学生たちに自由に意見を書いてもらった。 すると、はじめて射精を経験し
中絶技術とリプロダクティヴ・ライツ: フェミニスト倫理の視点から 作者: 塚原久美出版社/メーカー: 勁草書房発売日: 2014/03/30メディア: 単行本この商品を含むブログ (15件) を見る 2014年6月27日週刊読書人掲載 この本を読んではじめて、日本の人工妊娠中絶が世界のスタンダードからとんでもなく遅れており、日本の女性たちは時代遅れの環境で危険な中絶手術を行なっているという事実を知った。日本は医療技術の先進国だとばかり思っていたが、その常識が崩れ去ってしまった。この書評を読んでいるみなさんも、本書に目を通せば、日本の現状に唖然とするであろう。 中絶というと、女性のお腹の中の胎児を殺して、そのバラバラになった身体を掻き出すといったイメージを持っている人が多いのではなかろうか。私もそうであった。実際に日本の産婦人科で行なわれている多くの中絶が、そのような方法(拡張掻爬術:略称D
まんが 哲学入門――生きるって何だろう? (講談社現代新書) 作者: 森岡正博,寺田にゃんこふ出版社/メーカー: 講談社発売日: 2013/07/18メディア: 新書この商品を含むブログ (10件) を見る 7月18日に講談社現代新書から、 森岡正博(原画・文章)/寺田にゃんこふ(作画) 『まんが 哲学入門 ―― 生きるって何だろう?』(講談社現代新書) が発売されます!! この本の画期的なところは、 ・哲学者(=森岡)自身が、220ページのコマ割りのあるマンガ全編の絵を描き下ろしたこと。 ・過去の哲学者の思想の紹介や、哲学史の紹介をマンガでしたのではなく、「時間」「存在」「私」「生命」の4テーマについての著者自身の思索が描かれていること。 ・左開きで、吹き出し文字が横書きであること。これは、日本のマンガの伝統破壊なのである。 というあたりです。マンガの版下は、プロの漫画家の寺田にゃんこふ
感じない男 (ちくま新書) 作者: 森岡正博出版社/メーカー: 筑摩書房発売日: 2005/02/08メディア: 新書購入: 28人 クリック: 179回この商品を含むブログ (149件) を見る 2005年に、ちくま新書から刊行された『感じない男』は、ネットを中心に圧倒的な反響があり、その後読み継がれて男性学の古典の一つとなりました。そしてちくま新書版が品切れになったのを機に、このたび、ちくま文庫で再刊されることとなりました。 発売は4月10日ですので、ぜひ書店で手にとってみてください。この本のうわさは聞いていたけれども書店にないので見たことがないという方も、4月中は書店の文庫棚にありますので。 文庫版には、「感じない男はその後どうなったのか」という長めの補章が付け加えられています。その中から一部を紹介します。 補章 第2節より ・・・・・ そもそも私がこの本を書こうと思ったのは、男性の
原発と裁判官 なぜ司法は「メルトダウン」を許したのか 作者: 磯村健太郎,山口栄二出版社/メーカー: 朝日新聞出版発売日: 2013/03/07メディア: 単行本 クリック: 2回この商品を含むブログ (4件) を見る これまでの日本の原発訴訟において、裁判官はどう考え、どう判断してきたのかを(元)当事者たちへのインタビューによって浮かび上がらせた本である。福島の原発事故の前と後では、原発訴訟に対する市民の意識もがらりと変わったであろう。なによりも、これまでの原発訴訟を裁いてきた裁判官たちがいちばん困惑していることだろうと想像するが実際はどうなのだろうか。 これは東京電力柏崎刈羽原発第一号機訴訟(新潟地裁)裁判官であった西野喜一さんの言葉である。 行政事件や労働事件、国家賠償事件、公安事件などで、国家の意思にそぐわない判決を出すと、自分の処遇にどういうかたちで返ってくるだろうか。そのように
フーコー・コレクション〈3〉言説・表象 (ちくま学芸文庫) 作者: ミシェルフーコー,小林康夫,松浦寿輝,石田英敬,Michel Foucault出版社/メーカー: 筑摩書房発売日: 2006/07/01メディア: 文庫購入: 4人 クリック: 20回この商品を含むブログ (23件) を見る この巻も、松浦寿輝による解説が優れているので、引用する。 個人などというものが、はたしてあるのか。書物などというものが、はたしてあるのか。主題などというものが、はたしてあるのか。そして何よりも、作品などというものが、はたしてあるのか。・・・『ソドム百二十日あるいは淫蕩学校』や『資本論』を明確な輪郭と堅固な実体を持つ言説単位として読むには及ばない。ましてそれらを「無神論」なり「資本主義批判」なりといった硬直した主題枠の中に囲い込んで何かをわかったつもりになる必要などさらさらない。名前を持たない無数の言説
「ヒキタさん! ご懐妊ですよ」 男45歳・不妊治療はじめました (光文社新書) 作者: ヒキタクニオ出版社/メーカー: 光文社発売日: 2012/06/15メディア: 新書 クリック: 28回この商品を含むブログ (5件) を見る生殖技術――不妊治療と再生医療は社会に何をもたらすか 作者: 柘植あづみ出版社/メーカー: みすず書房発売日: 2012/09/11メディア: 単行本 クリック: 29回この商品を含むブログ (7件) を見る精子提供―父親を知らない子どもたち 作者: 歌代幸子出版社/メーカー: 新潮社発売日: 2012/07/01メディア: 単行本 クリック: 8回この商品を含むブログ (9件) を見る 2012年11月4日日経新聞掲載 不妊治療の進展が、社会に様々な影響を与え始めている。不妊治療という言葉を聞くと、どこか遠い世界の話のように感じる人がいるかもしれないが、実際には
生と病の哲学 生存のポリティカルエコノミー 作者: 小泉義之出版社/メーカー: 青土社発売日: 2012/06/22メディア: 単行本 クリック: 61回この商品を含むブログ (11件) を見る 2012年8月5日日経新聞掲載 著者はこの本で、人間の生命とはいったい何なのかについて、これまでにない方法で考察しようとしている。老いること、異性と交わって子どもを持つこと、自分の身体をサイボーグのようにしていくこと、それらが人間にとってどのような意味を有するのかについて、哲学者ならではの思考実験を行なっている。その難解な文体は読者を容易には近づけないが、それでもなお強烈なインパクトを残すことに成功している。 レズビアンの思想家であるリッチは、私たちの社会の中核に「強制的異性愛」というイデオロギーがあることを発見した。すなわち、「人間ならば異性愛であるのが当然」という強烈な洗脳がこの社会には充(み
他力本願のすすめ (朝日新書) 作者: 水月昭道出版社/メーカー: 朝日新聞出版発売日: 2012/03/13メディア: 新書購入: 1人 クリック: 17回この商品を含むブログ (3件) を見る 「高学歴ワーキングプア」の著者が、親鸞の他力本願について書いた本。面白く読めるが、そのぶん親鸞への疑問点も湧いてくる。(ちなみに私は親鸞本人は尊敬してますが)。 「他力」の視点というのは、そもそも。”思い通りにはなかなかならないのが世の中や自分の人生”だと、まずは現実を直視する。そして、「でも、そのこと自体に何らかの意味があるのではないか」と一歩立ち止まってみる。最後に、もたらされたご縁の裏側に見え隠れする仏さんの存在を意識してみる。そんな作業であるとも言えよう。(194ページ) 自分ではどうしようもない世界は、残念だが確かにある。どんなに(努力して)善行を積んでいようが、お願いごとを100万回
本日夕刊の、『朝日新聞』全国版・夕刊(関西を除く)の「生きるレッスン」欄に、私の「正しく怒る」というエッセイが掲載されました。この欄の連載エッセイはネットには載せていませんが、今回はひさびさに転載してみます。 「正しく怒る」 森岡正博 昨年、原発事故が起きました。そのときの政府や東京電力の対応を見て、怒りがこみ上げてきた方も多かったはずです。人々のかけがえのない生活や故郷をいったいなんだと思っているのか、と。 同じ頃、遠いアラブの国々でも、独裁政権の圧政に対する若者たちの怒りが爆発していました。彼らは怒りのエネルギーを武器にして、果敢に戦いを挑み、多くの犠牲と引き換えに自由をつかみ取ろうとしています。 このように、不正なことに対して、腹の底からふつふつと怒りが湧き上がってくるのは、人間にとってとても大切なことです。そして、それが大きな共感となって社会全体に広がるとき、社会変革のうねりが訪れ
妊娠中絶の生命倫理 作者: 江口聡出版社/メーカー: 勁草書房発売日: 2011/10/11メディア: 単行本購入: 4人 クリック: 95回この商品を含むブログ (17件) を見る 英語圏の70年代からの中絶の生命倫理の代表的な論文を集めて翻訳したもの。これまでの断片的な翻訳紹介を一新するエポックメイキングな本だと言える。収められているのは、JJトムソンの「妊娠中絶の擁護」という中絶についてのもっとも有名な論文の全訳をはじめ、トゥーリーの「パーソン論」論文の全訳、ウォレン、イングリッシュらのしぶい論文、シャーウィンのフェミニストからの視点など。なかでも注目すべきはやはりトムソン論文の全訳だろう。それとトゥーリー論文の改訳か。この二つとも、日本の生命倫理学草創期の「バイオエシックスの基礎」での抄訳を乗り越えてそれを一新するものであり、前著を持っている者は本書を備えるべきであろう。 そもそも
チェルノブイリのときのスウェーデンの低線量被曝で発がん性が上昇したようだと結論したトンデルが、2011年に新しい論文を発表している。 http://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/21112071 (追記:これはチェルノブイリ影響地での調査ではない) アブストラクトを読んでみると、次の2点を結論した模様である。 (1)最高被曝カテゴリ以外のすべてのカテゴリで、全発がん性の危険度の上昇が見られる。 (2)ただし被曝度に対応する直線的な増加は見られない。 Sci Total Environ. 2011 Jan 1;409(3):471-7. Epub 2010 Nov 26. Risk of malignancies in relation to terrestrial gamma radiation in a Swedish population cohort. To
いろんな意味で必見。 子どもの発がんリスクについては、毎日新聞の記事がよくまとまっている。 http://mainichi.jp/select/weathernews/news/20110516dde012040013000c.html 「子供を守ってほしい。基準値は年間20ミリシーベルトから事故前の1ミリシーベルトに戻して」。2日、東京・永田町の参院議員会館講堂であった集会。福島市から駆け付けた住民代表、中手聖一さん(50)は文部科学省幹部に訴えた。幹部らが並ぶ長机の前には、福島市の小学校から持ち込まれた小さな土袋が一つ。そばに置かれた線量計は、その放射線量に反応して「ザー」という警告音を鳴らし続けていた−−。 支援者の一人、福島瑞穂・社民党党首は「20ミリシーベルトは安全ではない。どうして子供たちを遊ばせるのか」と質問。文科省の渡辺格・科学技術・学術政策局次長は「学校は勉学をするのも重
災害がほんとうに襲った時――阪神淡路大震災50日間の記録 作者: 中井久夫出版社/メーカー: みすず書房発売日: 2011/04/21メディア: 単行本(ソフトカバー)購入: 2人 クリック: 94回この商品を含むブログ (33件) を見る 阪神淡路大震災を経験した精神科医の中井久夫が当時書いた文章の再刊と今回の災害についての新エッセイをまとめたもの。タイムリーな出版である。今回の震災については、下記のようなことも言っている。 私はひょっとしたら「フクシマ・フィフティズ」なるものは架空の存在であって、日本国内には不十分であろう現場の人にエールを送り、そしていざとなればチェルノブイリのような決死隊の編成を行なうようにと示唆するために作られたものではないかと、気をまわした。それを感受した一隊員夫人の「日本の救世主になってください」という言葉はその表れだろう。(23ページ) しかし次のような記述
ルポ 仏教、貧困・自殺に挑む 作者: 磯村健太郎出版社/メーカー: 岩波書店発売日: 2011/02/09メディア: 単行本(ソフトカバー)購入: 3人 クリック: 36回この商品を含むブログ (3件) を見る 衰退久しいと言われている日本仏教の世界で、社会の穴ぼこで苦しんでいる人々に働きかけている仏教者たちをルポした本である。 たとえば、宮城県の行持院の真壁太隆さんのやっている駆け込み寺はどんな人でも無条件に迎え入れる。収入のない人には月5000円が渡される。いつまでいてもいい。真壁さんは、駆け込んできた人に、そのわけを一切聞かず、完全に信頼して住処を提供する。信頼された人たちは、その信頼を裏切らないように自分に言い聞かせ、やがてアパートへと移っていくという。団体生活は自主管理している。真壁さんは自分の自営業の稼ぎを寺に使い、ボランティアたちの手を借りながら運営する。この運営自体が布施行
完全な人間を目指さなくてもよい理由?遺伝子操作とエンハンスメントの倫理? 作者: マイケル・J・サンデル,林 芳紀,伊吹友秀出版社/メーカー: ナカニシヤ出版発売日: 2010/10/12メディア: 単行本購入: 11人 クリック: 181回この商品を含むブログ (35件) を見る 2010年10月24日京都新聞掲載 生命倫理というと、日本では脳死臓器移植や安楽死・尊厳死の問題がさかんに論じられてきた。それらは簡単には解決できない大問題であるが、それに匹敵するほどの難問がいま立ち上がってきている。 それは、最先端医療技術をもちいて、人間の身体的・精神的能力を増大させたり、あるいはこれから生まれてくる子どもに遺伝子操作をしてより優れた子どもを作り出したりしてもよいのか、という問題である。英語では「エンハンスメント」すなわち人工的になされる能力増強・能力拡大の倫理的問題と言われている。 個人の
他者・死者たちの近代 (近代日本の思想・再考3) 作者: 末木文美士出版社/メーカー: トランスビュー発売日: 2010/10/02メディア: 単行本 クリック: 90回この商品を含むブログ (10件) を見る 末木文美士の新刊。なかでも死者とともに生きるリアリティについての議論は刺激的である。「死者と共に闘う―上原専禄」と題された章は読み応えあり。死者はどこかへ消えていって、この世には追憶のみが残るのではない。むしろ残された私と死者とがこの世界で共闘する、ということすらあり得る。よく死者が死後に審判にさらされると言われるが、実はそうではなくて、死んだ人たち、殺された人たちはことごとく審判の席に座って生者を裁く主体となっているのではないか。というような次元のことが、1973年の上原の仏教的死者論において展開されているとのことだ。死者とともに生きるということのリアリティから何を学べるのか、と
救児の人々 ~ 医療にどこまで求めますか (ロハスメディカル叢書 1) 作者: 熊田梨恵出版社/メーカー: ロハスメディア発売日: 2010/05/25メディア: 単行本(ソフトカバー)購入: 10人 クリック: 148回この商品を含むブログ (16件) を見る 熊田梨恵さんによる、高度新生児医療の狭間に落ち込んだ人々へのインタビュー本。ここに捉えられた言葉は貴重なのかもしれない。下記の言葉は31歳シングルマザーの母親のもの。早産で生まれた子は生まれつき脳に障害があり、母親と意思疎通することすらできない。母親はキャリアを絶たれ24時間介護をしている。 「もしこの子がいなければ」と考えないことがない、と言ったら嘘になると思いますよ。子供が助からない方がよかったのかもしれないと、言ってはいけないとは分かってますけど、やっぱり思うことはあるんです。でも、そんなことを言えば、自分は地獄に堕ちると思
環状島=トラウマの地政学 作者: 宮地尚子出版社/メーカー: みすず書房発売日: 2007/12/20メディア: 単行本購入: 5人 クリック: 96回この商品を含むブログ (28件) を見る 2008年3月2日熊本日々新聞掲載 阪神淡路大震災のような大惨事を経験して、心に大きな傷を負った人は、あの時間、あの場所で起きたことについて、自分の言葉で何ひとつ語れなくなることがある。また、繰り返されるDVや虐待を受けた人は、そのとき自分に何が起きたのかについて、他人に対して説明できないだけでなく、自分に対してもそれを言語化できないことがある。 本書の著者の宮地さんは、この点に注目して、トラウマをかかえた人と、その人を取り囲む人間関係を説明する、新たなモデルを提案した。それが「環状島」である。 環状島というのは、大海の真ん中にぽつんと浮かんだ離れ小島なのであるが、その中心部がへこんで大きな湖になっ
ということになるがどうする?という論文がAJOBに掲載されたようです。 http://www.informaworld.com/smpp/58638359-44577984/content~db=all~content=a923305121~frm=titlelink Robert Sparrow, "Should Human Beings Have Sex? Sexual Dimorphism and Human Enhancement", The American Journal of Bioethics, Volume 10, Issue 7 July 2010 , pages 3 - 12 the most efficient way to do this is to use sex selection technology to ensure that only girl chi
いのちの選択――今、考えたい脳死・臓器移植 (岩波ブックレット 782) 作者: 小松美彦,市野川容孝,田中智彦出版社/メーカー: 岩波書店発売日: 2010/05/08メディア: 単行本(ソフトカバー)購入: 12人 クリック: 96回この商品を含むブログ (17件) を見る 昨年の臓器移植法改正において慎重論・反対論の立場に立っていた生命倫理会議のメンバーが共同執筆した本が出ました。ご一読ください。資料的にも貴重だと思います。 今年7月からは、脳死に対して反対、あるいは意見を決めてない、という人は、ドナーカードなどであらかじめ自分の反対意思を表明して持参してないと、脳死になったときに家族の意思によって上書きされてしまうことになります。大学で学生たちに聞いてみるとほとんどこの事実を知りません。 今年7月からは、脳死に反対・慎重の人はドナーカードを持って、反対・慎重の自分の意見を表明する必
うかつにも、こんなモニュメントが宮崎県にあるなんて知りませんでした。 八紘一宇の塔 http://otokonohoukago.mond.jp/page075.html http://www.geocities.jp/taken373/heiwa.html 平和の塔の史実を考える会の児玉武夫氏の論考 http://hisphere.org/tlife/hakouitiu/shiryou/files/hakkouitiu.pdf によれば、この塔建設時に、日本軍は世界各地の史跡・建造物の一部を壊して持ち寄り、この塔に埋め込んでいる。当時の中国の故宮、万里の長城の石などもはめ込まれているとのこと(写真あり)。 宮崎県民は、この塔のことをどう思っているのだろう。中国をはじめ各国政府と協議したのちに、日本が行なったことの証言プラス貴重な史跡として後世までそのまま保存するのがいいのではないか。しかし
とある用事で東京の地下鉄表参道駅に降り立つと、なにやら警備員がたくさんいて、女性たちが柱や壁のポスターに群がってさかんに写真を撮っている。なんだろうと思って見てみると、嵐という人たちの上半身裸緊縛写真ポスターが表参道駅の柱や壁に貼られていて、みんなそれを撮っていたのであった。 写真を撮る女性たちで構内は大混雑で、警備員が「止まらないでください〜」と絶叫状態。 ポスターは見てお分かりのように、若い美形男性の上半身裸に、口をガムテープでふさぎ、紐で柱を緊縛するというもの。陵辱されるのは若い男性で、視姦するのは女性という構図。この写真に性的な意味がない、とは言えないであろうし、女性の置かれた性的地位を暴露するためにあえて被害者を男性に置き換えた告発写真とも取れないであろう。 若い美形男性に突き刺さる視線の渦の現存を、はからずも明るみに出したプロジェクトに結果的にはなっているとは言える。「草食系男
大阪府立大学が、橋下改革によって、文系学部を切り捨てるという結論を出しました。以下、朝日新聞大阪版より。 「日本一」の理系大学を大阪から、と 2009年12月04日 総合大学から「日本一」の理系大学へ転身するという府立大(堺市中区)の改革案が3日、奥野武俊学長から橋下知事に提出された。府はこの案をベースに改革の方向性を決め、2011年春からの新体制スタートを目指す。 再編でできるのは、現代システム科学、工学、生命環境科学、地域保健学の4学域。学域の下に計13の「学類」を設置。従来の「学部・学科」体制よりも柔軟なカリキュラム編成を目指す。 改革案の説明を受けた知事は「文系の学部は猛反対するでしょうが、大学全体、府全体を考えてよく作っていただいた」と評価。「費用を削るための改革ではない。学長が理想の大学を追求できるよう、全面的にバックアップする」と強調した。 奥野学長はその後の記者会見で「大阪
Bioethics誌最新号に、Kristin Zeilerという人が、米国ニュージャージー州法と、日本の旧・臓器移植法を取り上げて、この二つに見られる「死の多元主義(脳死とともに心臓死も認める)」を肯定的に評価する論文を発表している。こういう内容が掲載されたことは、軽い驚きがある。内容は、われわれが日本で議論してきたことを超えてはいないが、ロールズの多元主義についての議論を参照した点は面白いかと思う。日本の旧・移植法改正については、私の英語論文から多くの情報を得ている模様である。1990年代から欧米で始まった、脳死概念再考の流れの中に位置付く論文だと言える。しかし、今年7月に日本の臓器移植法が改正されて、単純には多元主義とは言えなくなったことは皮肉だ。この著者はその情報を得ているだろうか。 Kristin Zeiler, "Deadly Pluralism?: Why Death-Conc
サイゾーウーマンに、私へのインタビューが掲載されています。 http://www.cyzowoman.com/2009/07/post_762.html http://www.cyzowoman.com/2009/07/post_763.html(これ、タイトルがミスリーディング) その中で、『最後の恋は草食系男子が持ってくる』で解説した、草食系/肉食系男子の8つのカテゴリが、簡潔にまとめられています。 「草食系男子・肉食系男子」 8パターン 森岡氏著書『最後の恋は草食系男子が持ってくる』より 1)奥手の草食系男子 女性にどうやって接近したらいいのかわからない。 2)経験豊富な草食系男子 癒やし系で、女性とのやりとりに慣れている。女性に過度の期待を抱いていない。 3)奥手の肉食系男子 経験が少ないので、押しの一手で迫る。内にこもって悶々とする。 4)経験豊富な肉食系男子 女性の気持ちを探り
いのちの砂時計―終末期医療はいま 作者: 共同通信社社会部出版社/メーカー: 日本評論社発売日: 2008/06メディア: 単行本 クリック: 49回この商品を含むブログ (5件) を見る終末期医療と生命倫理 (生命倫理コロッキウム) 作者: 飯田亘之,甲斐克則出版社/メーカー: 太陽出版発売日: 2008/06メディア: 単行本購入: 1人 クリック: 21回この商品を含むブログ (3件) を見る余命半年 満ち足りた人生の終わり方 (ソフトバンク新書 96) 作者: 大津秀一出版社/メーカー: ソフトバンククリエイティブ発売日: 2009/02/17メディア: 新書購入: 2人 クリック: 75回この商品を含むブログ (10件) を見るがんと闘った科学者の記録 作者: 戸塚洋二,立花隆出版社/メーカー: 文藝春秋発売日: 2009/05メディア: 単行本購入: 6人 クリック: 49回こ
今日採決がある。マイノリティービューをこれまで持ってきた研究者として、外圧に屈せず言うべきことは言ってきた(外圧はあった)。立法プロセスにも直接関与した。あとは議会制民主主義が決定するだけである。これから研究者として、学術の世界でさらにこの複雑な問題を追究していく。社会的関与が必要なときにはする。前エントリーのコメントでも書いたが、この話題についてはとうぶんこのブログでは触れないことにする。2001年よりずっと公共的な議論してほしいと言い続けてきた。その黙殺のプロセスを私と一緒に見てきた人は、私がいま何を感じているのか分かるであろう。子ども脳死臨調は、私が長期脳死とラザロ兆候について『中央公論』誌に発表した2001年に設置を検討されるべきだった。2001年以降、この問題を新聞・テレビの記者に言い続けてきたが反応はほぼなかった。子ども脳死臨調の設置は、今回の採決のずっと以前に行なわれるべきだ
あしたの採決の前に、書いておきます。 もし仮にA案、A’案が通ったとしたら、これまで子どもの移植を訴えてきた親の方々は、つらい状況に追い込まれるのではないでしょうか。 それは、移植を待っているあいだに、不運にも、子どもが脳死になってしまった、あるいは心臓死になってしまったときに、親は脳死・心臓死の子どもから臓器を摘出して移植し差し出すかどうかを問われることになる、ということです。(いまはそういうことは日本では生じません) このとき、 ・ 親には、脳死・心臓死になった子どもから臓器を摘出する法的義務はありません。 これは確かなことです。 問題となるのは、 ・ 親は、自分の子どもには臓器をくださいと言っていたのだから、自分の子どもが脳死・心臓死になったときには、自分の子どもから臓器を摘出して差し出す、道義的義務があるのかどうか? という点です。言い換えれば、 ・ 「うちの子どもに臓器をください
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