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ライトノベルのヒロインは「ちょろい」とよく言われる。主人公と接した彼女らは1,2話もあればデレるからだ。しかし、それは感情的にではなく合理的に判断した結果なのである。 この記事では石鹸枠のヒロインが取るべき行動を検証するとともに、『ハンドレッド』の展開がいかに理にかなっているかを説明していく。 2016年春アニメの中で 新しく始まったアニメを一通り確認し、どれを残してどれを切るか決まりつつある今日このごろ。気になる作品は人それぞれだろうが、俺が興味を持ったのは『ハンドレッド』である。特にこの作品のメインヒロインであるエミール・クロスフォード改め、エミリア・ハーミットの行動が面白い。 『ハンドレッド』1話より 彼女のとった行動は、石鹸枠のヒロインとして最適解ではないかと思う。つまり、最初から主人公への好感度がMAXで、ルームメイトであり、当然着替えも見られる。にもかかわらず現段階では決闘する
蒲公英(ダンデライオン)王朝記 巻ノ一: 諸王の誉れ (新☆ハヤカワ・SF・シリーズ 5026) 作者: ケン・リュウ,古沢嘉通出版社/メーカー: 早川書房発売日: 2016/04/22メディア: 単行本この商品を含むブログを見る日本オリジナル短篇集『紙の動物園』は『SFが読みたい 2016年版』で発表されたBEST SF 2015[海外篇]1位、Twitter文学賞海外編1位、本屋大賞翻訳小説部門でも2位と翻訳物の中ではかなりの高評価が続いて話題となっている。そんなケン・リュウ最新長篇が本書『蒲公英王朝記 巻ノ一: 諸王の誉れ』だ。 『紙の動物園』がSF短篇集だったのと比べてこちらはなんとSFから遠く離れて幻想武侠譚だ。それも三部作にわたって書き継がれる大長篇である。「武侠」というわりと曖昧なジャンルで、短篇は名手だけど長篇は──という作家もいるし、読む前には「おもしろいのかなあ」と不安
作者:Nancy Jo Sales ハードカバー: 416ページ 出版社: Knopf ISBN-10: 0385353928 発売日: 2016/2/23 適正年齢:PG 12(性的な内容が多いが、中学生にも読んでもらいたい内容) 難易度:中級+(アメリカの若者が会話に使うスラングなどが多いが、基本的にはわかりやすい英語) ジャンル:ノンフィクション/ルポ キーワード:ソーシャルメディア、思春期、心理的外傷、ネットいじめ、ネットポルノ どの時代のどの国にも、子ども同士の「いじめ」はある。 筆者は、テレビがまだ一般家庭に普及していなかった時代に日本の学校で執拗ないじめを経験したし、インターネットの利用がまだ一般的ではなかった2001年から数年間、アメリカの公立小学校で教師や親と一緒にいじめ対策に関わった。どの国のどの時代でも、教師や親がどんなに努力しても子どもたちの虐めを察知するのは難しい
Twitterを見ていると、「最近のラノベは異世界でチートするような作品しかない」みたいなツイートがよく流れてきてイライラするので、おうそれやったらファンタジーとか異能バトルとか以外でオススメのラノベを紹介したろうやないか、と思って書いたのがこの記事です。 最初は「異」で韻を踏もうと思って「異性ハーレム」という新語を爆誕させたんだけど流石にちょっと無理やりだったので外しました。でもなるべくハーレムラブコメも避けてるよ。 あといわゆる「ライト文芸」系は、私があんまり読んでないので入ってないよ。 という感じでいきます。 この恋と、その未来。 この恋と、その未来。 -一年目 春- (ファミ通文庫) 作者: 森橋ビンゴ,Nardack出版社/メーカー: KADOKAWA/エンターブレイン発売日: 2014/06/30メディア: 文庫この商品を含むブログ (15件) を見るまずは鉄板の作品からいきま
こんにちは、らくからちゃです。 先月末は、全国各地にて日商簿記検定の2級・3級の試験が行われたようですね。当ブログは会計や簿記をテーマにした記事を扱っていることも多いので、今この記事を読んでいる方の中にも受験された方は多いのでは無いでしょうか? わたしが簿記検定を受験したのはもう随分前の話になりますが、職業柄『簿記』や『会計』に関する話をする機会が多いので、入門書から専門書まで結構いろいろな『会計本』を読み漁ってきました。 そんな中、先日一冊の『マンガ』を読ませて頂きました。以前紹介させて頂いたスーパーはてなブロガーのRootprtさん原作の『女騎士、経理になる。』です。わたしは、本書を読み、激しく後悔しました。どうしてこれ、発売日に買わなかったんだろうと。 Rootportさん原作の「女騎士経理になる」読了。やばい、これいま最強の簿記の教科書だと思う。紹介記事書きたいんだけど、引用したい
「前島賢の本棚晒し」で近々「司馬遼太郎はラノベ(キリッ」という記事を書こうと思っていたら、eBookjapanやAmazonで『坂の上の雲』や『竜馬がゆく』の半額セールが行われており、これがいつまで続くか分からないと言うことで、急遽、ブログで書くことにした。いずれ『本棚晒し』でちゃんと司馬作品を取り上げるための草稿だと思っていただきたい。 というわけで「なろう」小説の読者は司馬遼太郎を読もう! というか司馬遼太郎はなろう小説! (……司馬遼太郎先生のファンには「ふざけんな!」と思われるかもしれませんが、新しい読者を獲得するため、大目に見ていただければ幸いです) というわけで以下、「なろう」小説と司馬遼太郎歴史小説の共通点をあげつつ、娯楽小説としての司馬遼太郎小説、歴史小説の魅力を紹介したい。 1.俺TUEEE小説で主人公ageage小説 無敵のヒーローに感情移入/同一化し、その活躍を楽しむ
『でっちあげ』というノンフィクションを知っているだろうか。詳しくは私のレビューをお読みいただきたいが「モンスターペアレント」という言葉ができたのはこの事件からだった。学校に対して理不尽な無理難題を突き付け、わが子可愛さに教師ばかりか教育委員会、果ては市や県にまでクレームをつけ、裁判にまで持ち込む。それが正当なものならわかるが、嘘八百を並べ立てていた事件である。 長野県の丸子実業で起こった「いじめ殺人事件」も、このモンスターペアレントが起こした事件であった。 2005年12月、軽井沢に隣接している長野県御代田町で丸子実業高校(当時)に通う高校1年生の男子が自殺した。母親は所属していたバレーボール部内部でいじめがあったことを苦にしていたと証言し、気持ちを書きとめていたノートには「いじめをなくしてほしい」という記述もあった。事実、夏から不登校が続いていた。少年には声が出にくいという障害があり、そ
以下Gシリーズまでのネタバレあり。 ドラマは論外とする。漫画は読んでいないのでスルー。 S&Mシリーズはみなさんご存じ森博嗣の小説だ。ゲーム、漫画、ドラマ、アニメ化になっている。どれもキャラデザが原作イメージと違うのが特徴だ。 犀川創平と西之園萌絵という二人の天才が議論していたら、いつの間にか事件が解決していたというシリーズ。不適切なあらすじで申し訳ない。 96年発行なのに、VRについて現代レベルに迫っていたり、ツイッターやマイナンバーの登場を予言しちゃっているところも面白いと最近思う。SFでは無いのだが。 メインキャラ二人ともが天才なのだけど、ずば抜けている犀川に比べて萌絵はかなり劣った設定になっている。 これは、そうしないと話が動かないからだ……とメタ視点を持って読みたい。 とにもかくにも、西之園萌絵が主人公の作品だ。彼女はワトソンでは無いのだよホームズくん。 (※作者談) 「アニメ
「ただ、それだけでよかったんです」 第22回電撃小説大賞、大賞受賞作。 ということで読み終わりました。 dengekibunko.jp ある中学校で一人の男子生徒Kが自殺した。『菅原拓は悪魔です。誰も彼の言葉を信じてはいけない』という遺書を残して――。 自殺の背景には“悪魔のような中学生”菅原拓による、Kを含めた4人の生徒への壮絶なイジメがあったという。だが、Kは人気者の天才少年で、菅原拓はスクールカースト最下層の地味な生徒。そして、イジメの目撃者が誰一人としていなかったこと。彼らの接触の証拠も一切なかったことなど、多くの謎が残された。なぜ、天才少年Kは自殺しなければならなかったのか。 「革命は進む。どうか嘲笑して見てほしい。情けなくてちっぽけな僕の革命の物語を――」 悪魔と呼ばれた少年・菅原拓がその物語を語り始めるとき、そこには誰も予想できなかった、驚愕の真実が浮かび上がる――。
※この記事は4000文字弱なため、1500万文字の4000分の1近くという前提でお読みください。 25歳以上の社会人で、アニメやラノベをちょっとかじってるレベルのネットおじさん達、ご機嫌いかがでしょうか。 なんか最近、WEB小説発のコンテンツが増えてきたけど、読みもしないで適当なレッテル貼って溜飲下げていませんか? それは老化の始まりですよ! 読まず嫌いで「似たような異世界テンプレばっか乱発して知性の低下なの?」とか考えていた時期が私にもありました。 それでも、曲がりなりにも一大ジャンルを築き上げ、大型書店では本棚一列全部がWEB小説発なんていうこのご時世です。 「読みもしないで批評するのはプライドが許さん!」というビブリオマニアとしてのよくわからん意地だけで努力した結果が、3ヶ月で1500万文字強(2016年2月調べ)だよ!!!! 本当に、私は何と戦っているんですかね? Kindleの積
「なぜ世界がこうなっているのか?」への、説得力ある議論が展開される。薄いのに濃いスゴ本。 世界史やっててゾクゾクするのは、うすうす感じていたアイディアが、明確な議論として成立しており、さらにそこから歴史を再物語る観点を引き出したとき。「こんなことを考えるの私ぐらいだろう」と思って黙ってた仮説が、実は支配的な歴史観をひっくり返す鍵であることを知った瞬間、知的興奮はMAXになる。 たとえば、「先進国(developed)」と「途上国(developing)」という語に、ずっと違和感があった。「後進国」は差別的だからやめましょうという圧力よりも、この用語そのものが孕む欺瞞を感じていた。 なぜなら、この語の背景として、近代化・工業化が進むというプロセスがあるから。なんなら、進化のメタファーを使ってもいい。産業構造が一次から高次に転換するとか、封建社会から資本主義社会に"進化"するといった欧米の経済
※本記事はアフィリエイトプログラムによる収益を得ています ねとらぼ読者のみなさん、こんにちは。長らく積みゲーになっていたニンテンドー3DSの「ゼノブレイド」を再開したら、寝食忘れるほどドハマりして、この2週間で4キロ痩せた虚構新聞の社主UKです。図らずもダイエットがはかどりました。 さて、今回紹介するマンガは「月刊ビッグガンガン」(スクウェア・エニックス)にて連載中、ゴツボ☆マサル先生のファンタジー作品「Romsen Saga(ロムセン・サーガ)」(~3巻、以下続刊)。どこかで見たことのある雰囲気のタイトルだったりロゴデザインだったり、帯に「サガ」シリーズプロデューサーの河津秋敏さんがコメントを寄せたりしていますが、全くのオリジナル作品です。 「Romsen Saga(ロムセン・サーガ)」(~3巻、以下続刊)→ 試し読みページ) メインではなくサブクエストに焦点を当てた物語 勇者ブレイヴ・
人を、殺してみたかった 名古屋大学女子学生・殺人事件の真相 作者: 一橋文哉出版社/メーカー: KADOKAWA/角川書店発売日: 2015/09/15メディア: 単行本この商品を含むブログ (5件) を見る Kindle版もあります。 人を、殺してみたかった 名古屋大学女子学生・殺人事件の真相 (角川書店単行本) 作者: 一橋文哉出版社/メーカー: KADOKAWA / 角川書店発売日: 2015/09/16メディア: Kindle版この商品を含むブログ (1件) を見る 内容(「BOOK」データベースより) 二〇一四年十二月、名古屋大学理学部一年の女子学生が、同市内に住む主婦を手斧で殴り、マフラーで首を絞めて殺害した。子どもの頃からの奇行、動物虐待、同級生への人体実験、殺人犯たちへの激しい共感…なぜ彼女は殺人願望を抑えられなかったのか?徹底した取材から事件の真実を炙り出す! この事件、
今年の半ばあたりからサイトの更新が止まっておりますが、まあなんていうか忙しくてな……感想を書く時間があるなら、本を読んでいたいお年頃。とはいえ、読んだ本については記録を残しておかないと、ほんとわからなくなるんですよね。この記憶力をなんとかしたい。 ともあれ、2015年に読んだ本について、各月ごとによかったのをつらつらと書いていきましょう。 2015年1月(読了数28冊) 漫画も含めてこの冊数なので、かなり少ない。あまり新しいシリーズに手を出していなかったので、これってのがなかったけど、そんな中、すっごいハマったのが、「勇者イサギの魔王譚」 異世界に召喚され、勇者として魔王を倒し、共に歩んだ愛する少女に告白した瞬間、再び召喚された。それも敵対していたの魔族の魔王候補として……というイサギの境遇が、はじめはシリアスすぎない感じだったけど、物語が進むにつれて見えてくるものが次第に重くなってくる。
人体600万年史(上):科学が明かす進化・健康・疾病 作者: ダニエル・E・リーバーマン,塩原通緒出版社/メーカー: 早川書房発売日: 2015/09/18メディア: 単行本この商品を含むブログ (2件) を見る人体600万年史(下):科学が明かす進化・健康・疾病 作者: ダニエル・E・リーバーマン,塩原通緒出版社/メーカー: 早川書房発売日: 2015/09/18メディア: 単行本この商品を含むブログ (2件) を見る読み始める前はちょっと疑っていたんだけど、丹念に人体の歴史と文明の発展をおい、それが我々の身体にどのような利益と危険をもたらしたのかを解説してくれる良書だ。本書は、人体がたどってきた歴史を「なぜ立ち上がったのか」「そもそも最初の人類は何か」「何がネアンデルタール絶滅させ、ホモ・サピエンスを生きながらえさせたのか」を根本的に解き明かし、人体がたどってきた歴史が現在の文化とミス
はじめまして、『なかのとおるの生命科学者の伝記を読む』で、ごく一部ではおなじみの、浪速大学・仲野です。ここしばらくHONZ被害者同盟の暫定代表を務めておりましたが、このたび訳あって、読み手から書き手へ、すなわち、被害者から加害者へ、あっさり転向することになりました。よろしくお願いいたします。って、よろしくないですね、すみません。ところで、すっかり忘れていましたが、とある生命系専門誌での連載企画として「押し売り書店 仲野堂」というのがあったのでした。この案は未遂にておわりましたが、ひょっとすると、生来の加害者体質かもしれませんので、取り扱いには十分注意してください。処女作は、得意ジャンルの伝記本、『大村智』でございます。 子ども向け伝記本では、問答無用・説明不要の偉人であれば、そのタイトルに「野口英世」とか「キュリー夫人」とかいうのがありだけど、大人向けの伝記本でこのメインタイトルというのは
新潮ことばの扉 教科書で出会った名句・名歌三〇〇 (新潮文庫) 新潮社Amazon さいきんはもう500円以下の短歌関連の文庫なら「買う」と思った次の瞬間にもうその行動が終わっている。プロシュートの兄貴ィ*1! タイトル通り、教室で、どこかで聞いたことのある俳句・和歌・短歌を集めたもの。 監修者である石原千秋の解説”「自然」という思想/「ひとり」という思想”から思ったことをログ。 石原さんによれば、これら定型の詩歌に詠まれるモチーフは「自然」から「ひとり」へ遷移している、という。その決定的なターニングポイントが近代にあるとも。 咳をしても一人 尾崎放哉 たしかに私も通して読んでいてそう思うし自分でも詠んでいて思う。自分から離れて自然を客体を詠もうとすればするほど、離れがたい「自分」の輪郭に気づいてしまう、ということは前にも書いた(題詠短歌100首よんでその感想だよー - nerumae)。
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