ウクライナのキエフまで足を伸ばしてみた(9月17日記)。ここで行われている「戦争」がいったいどういったものなのか、この目で見極めるためである。 最初に記しておきたい。東京で勝手に想像していた「紛争下のウクライナ」というステレオタイプのイメージは、首都キエフにはない。キエフは、表向きは夏の名残を感じさせる暖かな陽射しの中で、紛争の最中と思えないほどの平穏さに戻っている。 この日曜日には、人々は、街の中心のマイダーン(広場)につながる、歩行者天国とされた大きな目抜き通りを闊歩して、夏の終わりを存分に楽しんでいた。この8月にかけて、2013年末以降マイダーンを占拠していた自警団のテントや、革命の残滓がきれいに片付けられて、ようやく夏の終わりを楽しむべく、人々がわれこそと一斉に繰り出したかのようだ。 これも9月5日の分離派との停戦がかろうじて発効したおかげなのだろうか。しかし、街を歩けば歩くほど、