前のページへ 1|2|3 次のページへ 前作「ドロステのはてで僕ら」もまた、カメラが登場人物を追い続け、かつ「2分間でやるべきことをやらないといけない」制限があるリアルタイム進行だからこそ、彼らに心から同調できる「体感型ムービー」としての面白さがあった。そちらが擬似的なワンカットであったのに対して、今回は2分間で必ずカットがかけられるとはいえ、その2分間の間でスタッフとキャストが一丸になっての緻密な計算と試行錯誤、はたまた気が遠くなるほどのリテイクをしなければ完成しなかった映画であることは明白だ。 (C)ヨーロッパ企画/トリウッド2023 実際、テイクが10秒オーバーや5秒ショートしてしまった場合は撮り直しになっていたこともあったといい、山口淳太監督は「時の牢獄の看守はこいつだ」と憎まれていたらしい。 計算が行き届いた勇気と希望がもらえる映画 計算が行き届いているのは、もちろん脚本もだ。何