朝日俳壇選者の俳人・金子兜太さん(97)が、画家の丸木位里(いり)・俊夫妻による大作「原爆の図」シリーズを展示する原爆の図丸木美術館(埼玉県東松山市)を初めて訪れた。原爆の惨禍が描かれた大画面を前に、感じたことを語り、受けた思いを句に詠んだ。(小川雪) 「これは、群衆ですな。妙なリアリティーがある」。展示室に足を踏み入れた瞬間、金子さんがつぶやいた。炎に包まれ、水を求めて逃げ惑う人々。折り重なる死体の山。作品はどれも、大勢の人間で画面が埋め尽くされている。同館学芸員の岡村幸宣さん(43)が「丸木夫妻が最も伝えたかったのは生身の人間の痛み。どの絵にもキノコ雲を描かず、あくまで人間を描いた」と説明する。 金子さんは、原爆の図を印刷物では見たが、実物は初めて。焼けただれた体でさまよう人々を描いた第1部「幽霊」をじっと見つめるうち、自句を口ずさんだ。 《彎曲し火傷(かしょう)し爆心地のマラソン》
張り替えたパネルを確認する学芸員。サイズが大きくなり、位置も高くなった=7日午後、神戸市中央区の兵庫県立美術館 県立美術館(神戸市中央区)で開催されている「怖い絵」展で7日、作品の解説を記したパネルを大きなものに張り替える作業が行われた。同展は絵画が描かれた背景を読み解くことで作品に込められた恐怖を味わってもらうことを狙いとしており、混雑時でも読みやすいように対応した。 同展は7月22日の開幕以来、予想を上回る来館者でにぎわっている。夏休み期間とあって親子連れの姿も目立ち、作品の前に人だかりができることもあった。そこで離れた位置からでも解説が読めるように、休館日のこの日、100枚を超えるパネルを約1.5〜2倍に拡大したものに張り替えた。 同館は「今回の展覧会は、解説と合わせて熱心に鑑賞する方が多い。よりストレスなく見ていただけるよう、通常より張る位置も高くした。今後も多くの人に楽しんでほし
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