今世紀の標準! 次世代を担う物理学徒に向けて、量子力学を根本的に再構成した。原理から本当に理解する15章。 「量子力学は20世紀前半には場の理論を含めて完成を見た。しかしその完成に至るまでの試行錯誤では、現在では間違っていることがわかっている物質波の解釈の仕方や、正確ではなかった不確定性関係の議論もなされていた。そこで本書では、そのような歴史的順序そのままの紆余曲折のある論理を辿らないことにした。一方で、線形的な状態空間やボルン則を用いた確率解釈やシュレディンガー方程式などを天下り的に公理とするスタイルもとらない。代わりに情報理論の観点からの最小限の実験事実に基づいた論理展開で、確率解釈のボルン則や量子的重ね合わせ状態の存在などを証明する。」〈本書「まえがき」より〉 第1章 隠れた変数の理論と量子力学 1.1 はじめに 1.2 シュテルン=ゲルラッハ実験とスピン 1.3 隠れた変数の理論の