世界最大のモバイル産業の展示会「モバイルワールドコングレス(以下MWC)」が、例年通り2月末に開催された。気がつけば筆者は11年ほど、ほぼ連続で参加しているが、今年も現地は「春のバルセロナ祭り」の様相で、活況を呈していた。 ただし、一部報道にあるような5G(第5世代移動通信システム)の興隆については、「そんなに簡単な話ではない」というのが第一印象だった。もっともそれは当たり前の話で、昨年の米国を皮切りに、欧州や中国・韓国で、商用サービスがスタートすることに伴う5G普及の困難さに、早々に着手した事業者や地域から順繰りに直面しているのである。 そんな今年のMWCにあって、暫定的に合意されていたのは、「スマートフォンは5Gの主たる用途ではない」ということだ。もちろん普及の初期(2019-~2022年頃)には、今回発表された折りたたみ端末のようなハイエンドスマートフォンによる市場の牽引を、多くの事