生活習慣病の患者さんには小太りの人が多く、口を酸っぱくして体重を落とすように指導しているのだが、実際に痩せてくる人は十人に二、三人程度で、大半の人は努力してますの言葉も虚しく、ちっとも体重が減らない。中には太ってくる患者さんさえ居る。
某病院の少食痩身の鶴野細子先生と違い、私自身もBMIが25前後を行ったり来たりしており、食欲と戦う難しさを重々承知している。それは良し悪しで、患者さんの色々の言い訳が感覚としてよく理解できるのだが、反面厳しさに欠けるかもしれない。鶴野細子先生の厳しさは患者間に知れ渡っており、お陰で痩せられた患者さんと落ちこぼれて当院などへ流れてくる患者さんとがいる。
職員が女性ばかりのせいか、私も甘いものが好きだということが知れているせいか、小太りの女性患者さんからの大福、チョコ、煎餅など駄菓子の差し入れが頻繁にある。どうも差し入れのお相伴に自分用も購入しているのは間違いなく、狐と狸の化かし合いのようになっている。
かくゆう私も、昼飯の後、むしゃむしゃないしポリポリと頂いた甘い物をデザートだからいいかとつい食べてしまっているのだ。あすなろの心境がよくわかる。