丸木美術館への行き帰りに、宮城鷹夫『時代の風音 笑い流しの「落穂拾い」』(ボーダーインク、2014年)を読む。
著者は沖縄生まれのジャーナリスト。台湾で皇民化教育を受け、戦後沖縄に引き揚げてきて、民政府の広報係を経て沖縄タイムス記者になった人である。現在、90余歳。
本書は、さまざまな体験や思い出話を、まるでそのあたりで軽く雑談をするように披露したエッセイ集である。思いつくまま、話題はあっちこっちへと飛ぶ。それぞれの話が面白く、もし直接に聴いていたなら、えっそれはどういうことですか、と訊ねていたに違いない。
かつての男女の遊興の場である「毛遊び(モーアシビー)」なんて、当事者ならえらく興奮していたんだろうな。闘牛の前には、「ウマウィー」という馬勝負があったらしい。など、など、興味津々。