“アメリカン浪人”の活躍を描く第2弾
『アウトロー』(13)に続いて、元陸軍指揮官の一匹狼ジャック・リーチャー(トム・クルーズ)を主人公にしたシリーズ第2作。ジャックは、後任のターナー少佐(コビー・スマルダーズ)がスパイ容疑で投獄されたことを知る。少佐を脱獄させたジャックが、かつての部下たちを殺害した真犯人を暴こうとする中、彼の娘だという少女が現れる。
ジャックは、同じくトムが演じる『ミッション:インポッシブル』シリーズのハイテクヒーロー、イーサン・ハントとは対照的に、歯ブラシ一本を持って放浪を続け、素手で敵と戦うというアナログな男だ。アメリカではこういう男を“ミステリアス・ストレンジャー”と呼ぶが、そのルーツは西部劇の流れ者にある。この“アメリカン浪人”の活躍を、『ラストサムライ』(03)のエドワード・ズウィック監督とトムのコンビで撮ったところが面白い。『宇宙戦争』(05)以来のトムとティーンエージャーとの絡みにも新味がある。
『ほぼ週刊映画コラム』
今週は
毎日の生活を平然と送ることの素晴らしさを描いた
『この世界の片隅に』
詳細はこちら↓
http://tvfan.kyodo.co.jp/feature-interview/column/week-movie-c/1077495
和歌山県の田辺市で行われた、第10回「田辺・弁慶映画祭」に映検審査員として6年ぶりに参加した。
コンペ作品のラインアップは
初日
『林こずえの業(わざ)』監督:蔦哲一朗
新米林業作業員の1日を描いたフェイクドキュメンタリー。
ピアノ調律師が巻き込まれた連続無差別暴行事件の闇を描く。
『ゆきおんなの夏』監督:亀山睦実
真冬の東京で、ゆきおんなが人間に恋をした…。初恋ファンタジー。
『私は渦の底から』監督:野本梢
親友への気持ちを伝えられずに悩むレズビアンの女性の心理を中心に描く恋愛劇。
2日目
高校時代の恋人の転落死を追う記者を主人公にした不条理劇。
『トータスの旅』監督:永山正史
主人公親子と兄とその恋人、そして亀による、はちゃめちゃなロードムービー。
『UNDER M∀D GROUND』監督:松尾豪
架空の街、時代で巻き起こるロマンスあり、アクションありの西部劇。
『空(カラ)の味』監督:塚田万理奈監督
摂食障害に悩む女子高生がある女性との出会いによって解放されていく姿を描く。
3日目・審査
『私は渦の底から』を推したが、グランプリ、映検審査員賞、市民賞はいずれも『空(カラ)の味』に。木村知貴(『トータスの旅』)と堀春菜(『空(カラ)の味』)の主演男女賞は納得。個人的に最も楽しんだのは『UNDER M∀D GROUND』だった。とは言え、それぞれが個性的で映画らしく仕上がっており、6年前のコンペ作品とは雲泥の差を感じた。ここまで映画祭を継続、発展させた関係者の努力に敬意を表する。
第10回記念映画『ポエトリーエンジェル』(飯塚俊光監督)も加えて計9本。久しぶりに映画漬けの3日間を堪能した。
後日、審査員仲間が編集したファンブックに、『UNDER M∀D GROUND』について書かせていただいた。
「田辺・弁慶映画祭」の公式サイトは↓
http://www.tbff.jp/
『皆さま、ごきげんよう』のオタール・イオセリアーニ監督にインタビュー取材。
映画の舞台はパリ。アパートの管理人をする武器商人と、骸骨集めが趣味の人類学者は悪友同士。彼らの周りに集まる一癖も二癖もある人々が織り成す人間模様を、81歳のイオセリアーニ監督が軽やかに描く。乾いたユーモアと皮肉、反骨精神、一人の役者が何役も演じる姿など、落語の世界を思わせるところもある。
イオセリアーニ監督はたばこをプカプカ、グラスを片手にマイペース。無声映画に始まり、音楽の使い方、黒澤明の『七人の侍』、リメイク映画への批判など、まるでこの映画さながらに、次々と話題をコラージュさせながら語ってくれた。
それはそれで楽しいのだが、なかなか本題に入らず、こちらは時間がなくなるのでないかとひやひやさせられた。何とも食えないじいさんでした。
詳細は後ほど。
『ほぼ週刊映画コラム』
今週は
思わずマスターに料理を作ってもらいたくなる!?
『続・深夜食堂』
詳細はこちら↓
http://tvfan.kyodo.co.jp/feature-interview/column/week-movie-c/1075981
ニューヨークで暮らす大学教授マイク(ニコラス・ケイジ)の一人息子が、ハロウィンの夜「幽霊に償いをして」という一言を残して失踪する。
1年後、必死に息子の行方を捜すマイクの周辺で怪異現象が起こる。
ハロウィンの起源と言われる古代ケルト人の逸話を盛り込んだB級ホラーだが、骨子は父と子の物語。
多作出演のケイジが今回は息子との絆を必死に取り戻そうとする父親を演じている。
ハロウィンは日本では仮装だけが独り歩きしているが、実際はダークな祭りだということが良く分かる。
妻役のサラ・ウェイン・キャリーズと大学の同僚役のベロニカ・フェレがなかなか色っぽくて良し。
この配役はケイジの趣味が反映されたものなのかな。
ケイジへの電話インタビューは土壇場で流れたが、メールで回答があった。↓
http://tvfan.kyodo.co.jp/feature-interview/interview/1075772
『THE BIG ISSUE JAPAN ビッグイシュー日本』298号に『手紙は憶えている』のアトム・エゴヤン監督へのインタビュー記事掲載。
70年前、アウシュビッツ収容所で家族を殺された90歳のセヴ(クリストファー・プラマー)は、収容所仲間のマックス(マーティン・ランドー)が書いた手紙を頼りに復讐の旅に出る。
認知症を患うセヴは、果たして目的を果たすことができるのか…というストーリーだ。
重いテーマを描いているが、ミステリーと一人の老人の旅の物語を融合させた娯楽作として見ることもできる。監督の話の端々からヒッチコックが大好きなことが伝わってきた。
表紙は『ベスト・フレンド』の日本版主題歌を歌った平原綾香。街で販売員の方を見掛けましたら、ぜひお買い求めください。
ビッグイシュー日本のホームページは↓
http://www.bigissue.jp/latest/index.html
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