この紹介はあくまで数年前のものであることに留意されたい(館長も展示も変わっているかもしれない)。
ーーーー講義録始めーーーー
それでは最後に、第5室「価値の展示室」を見ていきましょう。この大テーマは「心の宇宙」とも言い換えることができ、精神世界を形に表した芸術や宗教に関わる展示が行われています。この展示室は自由動線が採用されており、観覧者が自由に巡ることができます。以下のパース(完成予想図)をご覧ください。展示全体として荘厳な雰囲気を作り出すことを、初期段階から計画していました。
この展示室について、大貫良夫館長にお話を伺いました。
大貫良夫館長のコメント
「第5室は本館で最も広い展示室で、天井も非常に高く設計されています。特に天井の高さは展示の荘厳な雰囲気を高めるため、意図的に階段式の構造にしました。この部屋では、人間の精神世界が作り出したさまざまなものを展示しています。世界中から集めた神々や信仰の象徴、自然や未知の世界を人間がどのように解釈してきたかを、さまざまな形で表現しました。展示を通して、観覧者の皆さんには人間の多様な思索の歴史に触れていただけると思います。」
展示デザインの特徴
展示室のデザインには特に以下の特徴があります:
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高低差を活かした構造
本館の地形を考慮し、野外展示に続く高い位置にある土地を利用して、階段状の設計を採用しました。この構造は、展示室のテーマである「精神世界」を象徴的に表現し、観覧者に天へ上昇する感覚を与える意図があります。 -
神秘的な雰囲気の演出
周囲には神秘的なアイテムが配置され、展示室全体が神殿のような雰囲気を持つように設計されています。入口を入った瞬間に、これまでの展示室とは異なる厳かな空間に引き込まれるよう工夫されています。 -
展示内容の多様性
宗教、神話、芸術といった人間の精神活動の成果が多様な形式で展示されています。具体的には、神々の像や宗教的なアイテム、自然の観察や考察を通じて生まれた作品が含まれます。
観覧者へのメッセージ
「第5室『価値の展示室』」では、人類が精神的世界で追求してきた問いや答えを、空間全体で表現しています。展示を通して、宗教的信仰や芸術的創造がどのように人々の価値観を形作ってきたかを感じていただけるでしょう。