スマホやデジカメで撮った写真のイメージで短歌を創っています。写真は自己流です。
地元の短歌会「HANI(埴)」の会員です。短歌誌は一年に6冊発行され、一回に一人4首〜10首発表しています。私は、傘下の「六郷短歌会」で毎月一回山下和夫先生のご指導の下で短歌の勉強をしています。
われもまた化野(あだしの)行く冬の坂今しばらくを華やぐ夕映え
年経てもまだ待っている赤い糸に繋がれている運命の人
たそがれのダム湖の底より眺めいる黄金(後根)の空に浮かぶ綿雲
例のなき猛暑の後の厳寒に不死鳥は雪女に変身
お絵描きの材料揃う年の瀬の山、川、人参、卵に胡瓜
「言葉には役目がある」と言いたれば幼(おさな)は腰ふり「アッポー・ペン」
削り節搔きつつ咽の体操は「カタリン・カタコ」「カキククケケコ」
人の目に見えない星にあやつられ軌道を行き惑う青きシリウス
手作りのざぶとんにいる人形の重さの窪みをほのぼのと見る
細胞が勝手に育ち老いているわれの心を置き去りにして
魚跳ねる池を見ていた白鷺がカメラ向けるとツと後ろ向く
「『角川』にも応募せよ」との師を拒み”新人”の季を逃してしまう
月へ住む計画進む私には地軸離れる一歩が重い
クリスマスローズは”殺しの異名”と詠まれしもわれの知る名は”冬の女王”よ
吾(あ)の知らぬ秘密のドアよりぬけ出たか高層ビルに人影の無し
エキサイトより二十周年のギフト券青い財布となりてわが手にエキサイト二十周年のキャンペーン「エキサイトブログの思い出」に2024年10月11日にアップしたそ...
長野、群馬にまたがり浅間山燃え滾(たぎ)りつつ雪に包まる
大欅は内部に水を走らせて葉の影を幹に感光させいる
上弦の月に半分翳る道石畳の道母と歩きし道
夢多き少年が乗るや帆を張りて銀河に遠き谷底の海
宇宙より吹きくる風に透き徹りガラスの街はシンフォニー鳴らす
住む人の絶えたる庭の柿の木は月無き夜を自(し)が影しまう
二度と無き今日 富士山は青・空の青透明の青・潔癖の青
活断層に翻弄されし木が身をよじらせて虚空を捩(ね)じる
この道も万般(ばんぱん)の道『短歌研究』へ掲載は師の置き土産
「お姫さま出してよ!」と母コマーシャル飛ばすようにはいかない”マリオ”
月面をりんごの”名月”抱えさせ歩かせてみたき狸の「かぐや」
ほの青き林檎の”名月”友情を影もろともに確(しか)と受け取る
根拠なき「わたくしだけは大丈夫」活断層の被膜の上に
残光の水の面(おもて)にいにしえのときが隔てる透明は重き
指先のしなやかにして姫君は地貝、出貝を合わせていたか
誰(たれ)そ彼(かれ)われより遠く馥郁の匂宮(におうのみや)か薫の君か
いずこかに拘引(こういん)されし馬なるや運命に身を任せ華やぐ
遠きものに眼(まなこ)向ければ山澄みて身の内深く炎(ほ)をひそめ立つ
いずこより水もれの音のアンダンテやがて地球の乾燥するまで
おぼろなる銀河を囲む南東の大三角の中に南天の実
散る萩の光と影のセレナーデ猛暑の後の上弦の月に
マグマまで続いているや強化とうガラスの階段ゆっくり下る
ひたすらに紅を目指さん吾亦紅”われも亦紅”と詠われるゆえ
飛天吹く笛の音響く秋の日は一歌自浄の思い湧くまで
早乙女にうす紅(べに)の振袖を着せかける日本人の持つ誇りと共に
手遊び(てすさび)の母の栞の書より出(い)づしずけき秋のひかりまといて
見つめれば見詰め返しいる魂はいずこに隠す鏡の不思議
銀の棒に玻璃の玉の触れる音して流氓(りゅうぼう)を哀しむ秋天
黄金(こうこん)の風にわが核心(コア)染められて彼の世の境を歩むがごとし
柘榴の実は毒持つ果皮に包まれて透明の宇宙をひそかに育てる
初秋(はつあき)の光を追えば夜をこめてペガススの大四辺形クリア
行間を翳らせ走る秋しぐれ初雪草より雫したたる
結界(けっかい)の境にほんのり薔薇いちりん 重力を持つ身の杳(はるか)に見つめる
鳴りやまぬ風の小夜曲ゆれまどう薄の競演 この秋の野に
むらさきのクリスマスローズは自(し)の 影を濃くして毒を溜め込んでいる
人はいさ秋の祭の祝膳 活断層のしずまる上に
今は無き古き扉やトランクの スペアーキーは記憶の化石
切り株の年輪の渦の百年を見てる間に 蟻は過(よ)ぎって行けり
身めぐりのわれの行く道みな迷路どの路もいま木犀の香
百人一首のイメージよるミクロ物語(十三)時緒翔子陸奥(みちのく)のしのぶもぢ(じ)ずり誰(たれ)ゆゑ(え)に乱れそめにしわれならなくに ...
猛暑日のなかなか去らぬ秋の果て有明の月に命吸われいる
夜の部屋にドライフラワー溢れいて われは冷水をゴクゴクと飲む
今さらに闇と光のモザイクのつかみどころ無き わが歌ごとば
透明のガラス瓶の紫に変色するまでの 砂中の混沌
反古紙焼く夏の夕暮れカレンダーの大阪城よが上が上があがる
万華鏡を此の世の外から見るように現(うつつ)の眼(まなこ)遊ばせている
百人一首のイメージよるミクロ物語(十二) 時緒翔子花の色は移(うつ)りにけりないたづ(ず)らにわが身世(よ)にふるながめせし間(ま)に ...
殷々(いんいん)と鳥の子紙は漉かれいて今生(こんじょう)の歌の書かれるを待つ
聖天宮の緻密の美と真髄は言わずに 削る短歌の美と
短歌の師山下和夫の教えギッシリ われの歌集の『分散和音』
埋火がポッと音たて燃えあがるエキサイトよりのノート開けば私にとってのエキサイトブログは希望の詰まったパンドラの箱のようなものです。小さな部屋に居て、心は何...
埋火がポッと音たて燃えあがるエキサイトよりの ノート開けば私にとってのエキサイトブログは希望の詰まったパンドラの箱のようなものです。小さな部屋に...
糸のような茎に咲きたる蓮華升麻(れんげしょうま) 滅びし夜をゆらしてやまぬ
音もなく吊橋をぬらす秋しぐれこの世の澱(おり)の 渓(たに)へしたたる
忘れられてしまう日のため残しおく 分散和音を奏でしギター ”禁じられた遊び”の楽譜を求めたる 霧に閉ざされし御殿場の町に
百人一首のイメージよるミクロ物語(十一) 時緒翔子わたの原(はら)八十島(やそしま)かけて漕(こ)ぎ出(い)でぬと人には告(つ)げよ海女(あま)の釣船(つ...
ふるさとの音を観ているここちする ピアノの鍵盤叩くゆうひに
読みさしの世界史照らす夕焼けを栞となして 今日を閉じいる
虫の声やみて虚空に佇めば千草(ちぐさ)枯れゆく ひそかなる音
蝉の声やみてより木々たちは枝震わせて 声を放てり
青りんご空へ放れば甘酸っぱい香りがしずくとなってふりくる
邃(ふか)き夜の淵より降りくる星々の音を聴きつつ眠りに落ちる
百人一首のイメージよるミクロ物語(十) 時緒翔子月見れば千々(ちぢ)に物こそ悲しけれわが身ひとつの秋にはあらねど (2...
お御堂へ着くまでの間を歳月ひびく太子の歩みし夢殿への道
去りてゆく君の行くての夕茜わが胸裡(むなぬち)の埋火(うずみび)となる
缶詰を開ければ瞬を燃えあがる閉じ込められし過去の時間が
とび乗った電車の中の空席の夕陽を抑えるように座り込む
百人一首のイメージよるミクロ物語(九) 時緒翔子いにしへ(え)の奈良(なら)の都(みやこ)の八重(やえ)桜(ざくら)けふ(きょう)九重(ここのえ)にほひぬ...
北斗七星のこぼした時を汲みあげてゆっくり回る大観覧車
百人一首のイメージによるミクロ物語「八」 時緒翔子わびぬれば今はた同じ難波(なにわ)なるみをつくしても逢(あ)はむ(わん)とぞ思ふ(う) (20) ...
消毒は「次亜塩素酸ナトリュウム」声たて言えば闇が瞬く
百人一首のイメージによるミクロ物語⑦ 時緒翔子あらざらむ(ん)この世(よ)の他の思ひ(い)出にいまひとたびの逢(お)ふ(う)こともがな (56番) ...
ウィズコロナ・ウィズファミリー・ウィズマスク 山のあなたのなお遠ざかる
太陽系の外より来たる〈ou.mua.mua〉われの思考を乱して去りぬ
草叢に埋もれていたるベンチには青き時間が座っておりぬ
避難所の張り紙止めいる鋲(リベット)をしっかり押さえる夏の朝日は
夕暮れのカーブミラーにゆれているマグマ溜りの白き水蒸気
百人一首のイメージによるミクロ物語⑥ 時緒翔子ももしきや古き軒端(のきば)のしのぶにもなほ(お)あまりある昔なりけり ...
一日に一万五千リットルの空気吸いたる汚れていても
海水が風と地震に行ったり来たり青き地球のコップの中を
むかしむかし宇宙のチリでありしこと知るも知らぬも今を呼吸す
わが無為の時間を濡らし落ちている噴水に打たれ四次元に行かん
百人一首のイメージによるミクロ物語⑤ 時緒翔子ながらへえばまたこの頃ごろやしのばれむん憂うしと見し世よぞ今は恋こいしき(84番) ...
*ひさかたの鏡の中のわたくしは右手あげれば左手あげる
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