令和6年12月16日(月) 【旧 一一月一六日 友引】 大雪・「鮭魚群(さけのうおむらがる)」くれてゆく年の道さへみゆるかとおもふてばかりにてる月夜かな ~樋口一葉(1872-1896) 今夜、お天気が良ければ今年最後の満月が見られる日。空気が済んでいれば月齢14.9のほぼま
#4348 二百十日の雨瀧のごとくにおちたれば海のただなかに島は濡れゐる
令和6年8月31日(土) 【旧 七月二八日 仏滅】・処暑 「天地始粛」(てんちはじめてさむし)二百十日の雨瀧のごとくにおちたれば海のただなかに島は濡れゐる ~橋本徳壽(1894-1989)『竹院集』Photo:越中富山の伝統行事「おわら風の盆」(2023年9月1日) ~毎日新聞デジ
#4347 黒雲のしたに梨の花咲きてをりいまだにつづく昭和の如く
令和6年8月30日(金) 【旧 七月二七日 先負】・処暑 「天地始粛」(てんちはじめてさむ黒雲のしたに梨の花咲きてをりいまだにつづく昭和の如く ~小池光(1947-)『梨の花』Photo:マメナシの花 ~めぐりと 梨はバラ科ナシ属の植物。真っ白で可憐な花が咲くのは桜よりや
#4346 君が名を石につけむはかしこさにしばし芙蓉と呼びてみるかな
令和6年8月29日(木) 【旧 七月二六日 友引】・処暑 「天地始粛」(てんちはじめてさむし)君が名を石につけむはかしこさにしばし芙蓉と呼びてみるかな ~与謝野鉄幹『天地玄黄』 芙蓉《フヨウ》はアオイ科フヨウ属の落葉低木。8月から10月の暑い時期に大輪の花を咲かせま
#4345 月はなほもらぬ木の間も住吉の松をつくして秋風ぞ吹く
令和6年8月28日(水) 【旧 七月二五日 先勝】・処暑 「天地始粛」(てんちはじめてさむし)月はなほもらぬ木《こ》の間も住吉《すみのゑ》の松をつくして秋風ぞ吹く ~寂蓮法師(?-1202)『新古今和歌集』 巻4-0396 秋歌上月が出ても住吉の松の梢に遮られて光が漏れてこな
#4344 絶間なきものの響やわれひとり野分だつ庭にいできたりける
令和6年8月27日(火) 【旧 七月二四日 赤口】・処暑 「綿柎開」(綿のはなしべ開く)台風が生れ天気図活気づく ~右城暮石(1899-1995)『上下』Photo:tenki.jp(2024年8月26日 21:00) 1951年~2023年の統計によると台風が日本列島に最も多く上陸する月は8月だそうです
#4343 沢瀉は夏の水面の白き花 孤独死をなぜ人はあはれむ
令和6年8月26日(月) 【旧 七月二三日 大安】・処暑 「綿柎開」(綿のはなしべ開く)沢瀉に泉の蜻蛉生れけり ~根岸善雄(1939-2022)Photo:沢瀉 ~Hana Saku 沢瀉《おもだか》は主に河川や湿地で生育する多年草の被子植物で、夏の季語。8月から9月頃にかけて白い花を咲
#4342 湯の中にわれの知らざる三分をのたうち回るカップラーメン
令和6年8月25日(日) 【旧 七月二二日 仏滅】・処暑 「綿柎開」(綿のはなしべ開く)支那蕎麦の手招く灯あり霜の辻 ~石塚友二(1906-1986)『方寸虚実』Photo:日清食品グループ 今では「中華そば」と言う言葉もあまり聞かれなくなりましたが、私の子供の頃、大人たちは
#4331 君が目の恋しきからに泊てて居てかくや恋ひむも君が目を欲り
令和6年8月24日(土) 【旧 七月二一日 先負】・処暑 「綿柎開」(綿のはなしべ開く)君が目の恋しきからに泊てて居てかくや恋ひむも君が目を欲《ほ》り ~中大兄皇子(天智天皇)『日本書紀』巻二六(斉明天皇編)母上の眼差しが恋しいばかりに、こうして停泊していてもこ
令和6年8月23日(金) 【旧 七月二〇日 友引】・処暑 「綿柎開」(綿のはなしべ開く)百済よりここに渡りて継ぐ花か畠の綿に淡黄に咲く ~黒田淑子(1929-2023)Photo:綿花(コットンフラワー)~BOTANICA 二十四節気の「処暑」は次の「白露」の前日までの半月間。その初
#4339 いにしへの平城のみやこの宮跡に処暑の夕風邯鄲鳴けり
令和6年8月22日(木) 【旧 七月一九日 先勝】・処暑 「綿柎開」(綿のはなしべ開く)いにしへの平城《なら》のみやこの宮跡に処暑の夕風邯鄲鳴けり ~喜夛隆子Photo:平城宮跡 朱雀門 ~RECOTRIP 二十四節気の第14「処暑」。『暦便覧』の説明では「陽気とどまりて、初め
#4338 コスモスのほそく群れさく陽のなかでこの世のふしぎな時間と言えり
令和6年8月21日(水) 【旧 七月一八日 赤口】・立秋 「蒙霧升降」(ふかききりまとう)コスモスのほそく群れさく陽のなかでこの世のふしぎな時間と言えり ~永田紅(1975-)『ぼんやりしているうちに』Photo:Creema キク科の一年生植物コスモスは熱帯アメリカが原産です
#4337 梓弓はるは来にけり武士の引きかへさじと出づるたびかな
令和6年8月20日(火) 【旧 七月一七日 大安】・立秋 「蒙霧升降」(ふかききりまとう)観桜の蛤御門開けてあり ~後藤比奈夫(1917-2020) 「新在家御門」というのが蛤御門の正式名称です。高麗門型の筋鉄門で普段は固く閉じられているのですが、1708年の宝永の大火(ある
#4336 めぐり逢ひて見しやそれとも分かぬ間に雲がくれにし夜半の月かけ
令和6年8月19日(月) 【旧 七月一六日 仏滅】・立秋 「蒙霧升降」(ふかききりまとう)めぐり逢ひて見しやそれとも分かぬ間に雲がくれにし夜半の月かげ ~紫式部(970?-1041?) 『新古今和歌集』 巻16-1499 雑歌上やっとめぐり会えたと思ったのに、あなたかどうかも分か
#4335 朝貌は朝露負ひて咲くといへど夕影にこそ咲きまさりけれ
令和6年8月18日(日) 【旧 七月一五日 先負】・立秋 「蒙霧升降」(ふかききりまとう)朝貌《あさがほ》は朝露負《お》ひて咲くといへど夕影にこそ咲きまさりけれ ~作者未詳 『万葉集』 巻10-2104 雑歌朝貌は朝露を受けて咲くというけれども、夕影にこそ 咲く姿が際立っ
#4334 妹が袖我れ枕かむ川の瀬に霧立ちわたれさ夜更けぬとに
令和6年8月17日(土) 【旧 七月一四日 友引】・立秋 「蒙霧升降」(ふかききりまとう)妹が袖我れ枕かむ川の瀬に霧立ちわたれさ夜更けぬとに ~大伴家持(718-785)『万葉集』 巻19-4163妻の衣の袖を枕にしよう。川の瀬に霧よ立ちわたっておくれ、夜の更けない内に。Photo
#4333 祭り過ぎ大文字過ぎ夏もゆくいとあわただし京の暦は
令和6年8月16日(金) 【旧 七月一三日 先勝】・立秋 「寒蟬鳴」(ひぐらしなく)祭り過ぎ大文字過ぎ夏もゆくいとあわただし京の暦は ~吉井勇(1886-1960)Photo:大文字五山送り火 ~Veltra お盆、すなわち盂蘭盆の行事は8月13日の迎え火に始まり、今日16日の送り火で亡
令和6年8月15日(木) 【旧 七月一二日 赤口】・立秋 「寒蟬鳴」(ひぐらしなく)戦争を知らぬ生徒と黙祷す八月十五日正午に立ちて ~市村八州彦(元明星中学・高校国語科教諭)Photo:2022年8月15日、高松商対九州国際大付との試合中に行われた黙祷 ~日刊スポーツ 夏の
令和6年8月14日(水) 【旧 七月一一日 大安負】・立秋 「寒蟬鳴」(ひぐらしなく)紅の天竺牡丹ぢつと見て懐姙たりと泣きてけらずや ~北原白秋(1885-1942)『桐の花』Photo:ダリア ~A oat 「天竺牡丹」とはキク科の多年生草本植物ダリアのこと。花の形がボタンに似て
#4330 御巣鷹は尾根の名にして山の名は高天原とふ神の坐せる
令和6年8月13日(火) 【旧 七月一〇日 仏滅】・立秋 「寒蟬鳴」(ひぐらしなく)一瞬にしてみな遺品雲の峰 ~櫂未知子(1960-)Photo:日航ジャンボ機墜落事故現場の報道写真 ~毎日新聞 昨日、8月12日は19851985(昭和60)年の日航機墜落事故の犠牲者520人を傷む慰霊の行
#4329 今よりは秋づきぬらしあしひきの山松蔭にひぐらし鳴きぬ
令和6年8月12日(月) 【旧 七月九日 先負】・立秋 「寒蟬鳴」(ひぐらしなく)今よりは秋づきぬらしあしひきの山松蔭にひぐらし鳴きぬ ~作者未詳(遣新羅使) 『万葉集』 巻15-3655 贈答歌これからは秋らしくなるようだ。あしひきの山の松陰にひぐらしが鳴いているよ。Photo
令和6年8月11日(日) 【旧 七月八日 友引】・立秋 「涼風至」(すずかぜいたる)夏山の木末《こぬれ》の茂《しげ》に霍公鳥鳴き響《とよ》むなる声の遥けさ ~大伴家持(718-785) 『万葉集』 巻8-1494 雑歌夏山の梢の茂みで霍公鳥《ほととぎす》が鳴き響いている。遥か遠
#4327 津波来し時の岸辺は如何なりしと見下ろす海は青く静まる
令和6年8月10日(土) 【旧 七月七日 先勝】・立秋 「涼風至」(すずかぜいたる)津波来し時の岸辺は如何なりしと見下ろす海は青く静まる ~上皇明仁(平成の天皇陛下)平成24年 宮中歌会始Photo:2024年8月8日、NHKニュースWebの画像 一昨日の夕方、携帯電話に津波警戒
#4326 盛大に花火を上げむポスターのまたうつくしく原爆忌来る
令和6年8月9日(金) 【旧 七月六日 赤口】・立秋 「涼風至」(すずかぜいたる)盛大に花火を上げむポスターのまたうつくしく原爆忌来る ~竹山広(1920-2010) 竹山広は長崎に生まれ、多くの原爆の歌を残した歌人です。原爆忌といえば真っ先にヒロシマを思い浮かべ、海外
#4325 それぞれの羽を揺らして風鈴はひとつの風に音を合わせる
令和6年8月8日(木) 【旧 七月五日 大安】・立秋 「涼風至」(すずかぜいたる)それぞれの羽を揺らして風鈴はひとつの風に音を合わせる ~嶋稟太郎(1988-)『羽と風鈴』Photo:ARITAYAKI-STOREさん 期間としての二十四節気「立秋」は次の「処暑」の前日までの半月間。そ
#4324 河風のすずしくもあるかうちよする浪とともにや秋はたつらん
令和6年8月7日(水) 【旧 七月四日 仏滅】・立秋 「涼風至」(すずかぜいたる)河風のすずしくもあるかうちよする浪とともにや秋はたつらん ~紀貫之(872-945)『古今和歌集』巻4-0170 秋歌上川風が涼しく吹いている。その風に打ち寄せられて立つ波と共に秋は立つのだろう
#4323 広島をはじめて訪ひて平和への深き念ひを吾子は綴れり
令和6年8月6日(火) 【旧 七月三日 先負】・大暑 「大雨時行」(たいうときどきふる)広島をはじめて訪《と》ひて平和への深き念《おも》ひを吾子は綴れり ~皇后雅子(令和6年歌会始) 今日は79年目の広島原爆忌です。私もこのブログをはじめてから毎年この日は原爆忌の
#4322 ゴールインのランナー抱えゆく人もはかなき交尾のごとく崩れぬ
令和6年8月5日(月) 【旧 七月二日 友引】・大暑 「大雨時行」(たいうときどきふる)マラソンの行き炎天の道があり ~岸田稚魚(1918-1988)『紅葉山』 パリオリンピックの閉会式は日本時間8月11日(日)午後4時(現地時間は午前8時)から。この閉会式の最中にフィナーレ
#4321 本棚の後ろのドアは開けられてアンネ・フランクの世界に入る
令和6年8月4日(日) 【旧 七月一日 先勝】・大暑 「大雨時行」(たいうときどきふる)本棚の後ろのドアは開けられてアンネ・フランクの世界に入る ~酒井景子(兵庫県神戸市)「NHK短歌」(2008年10月19日放送) 1944年8月4日、アムステルダム駐留軍保安警察が隠れ家に潜
既に電子書籍で販売していました拙書『烽(とぶひ)』が、上・下巻ともに紙書籍でお読みいただけるようになりましたのでお知らせいたします。(Amazon限定のペーパーバック版なので一般書店での販売はありません)烽(上)皇祖の血 ←詳しくはこちら烽(下)皇城騒乱 ←
#4320 透き羽とみどりのからだもつ蝉よ鳴けば水玉うまるるごとし
令和6年8月3日(土) 【旧 六月二九日 仏滅】・大暑 「大雨時行」(たいうときどきふる)透き羽とみどりのからだもつ蝉よ鳴けば水玉うまるるごとし ~栗木京子(1954-)『ランプの精』Photo:クマゼミ ~しゅうくんとけいちゃんの百科事典 朝一番に目を覚まさせてくれるの
#4319 夕立ちの雨降るごとに春日野の尾花が上の白露思ほゆ
令和6年8月2日(金) 【旧 六月二八日 先負】・大暑 「大雨時行」(たいうときどきふる)しばらくは豪雨をはしる月のいろ ~加藤楸邨(1905-1993)Photo:Wikipedia 二十四節気「大暑」の末候は七十二候第36候の大雨時行(たいうときどきふる)。暦の上での夏もこれで最後
#4318 武庫川の水脈《みを》を速みと赤駒の足掻く激ちに濡れにけるかも
令和6年8月1日(木) 【旧 六月二七日 友引】・大暑 「土潤溽暑」(つちうるおうてむしあつし)武庫川の水脈《みを》を速みと赤駒の足掻《あが》く激《たぎ》ちに濡れにけるかも ~作者未詳 『万葉集』 巻7-1141 雑歌武庫川の流れが速いからなのか、栗毛色の馬の足掻きの水
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令和6年12月16日(月) 【旧 一一月一六日 友引】 大雪・「鮭魚群(さけのうおむらがる)」くれてゆく年の道さへみゆるかとおもふてばかりにてる月夜かな ~樋口一葉(1872-1896) 今夜、お天気が良ければ今年最後の満月が見られる日。空気が済んでいれば月齢14.9のほぼま
令和6年12月15日(日) 【旧 一一月一五日 先勝】 大雪・「熊蟄穴(くまあなにこもる)」年暮れて我が世ふけゆく風のおとに心のうちのすさまじきかな ~紫式部 『玉葉和歌集』 巻6-1036 冬歌年が暮れて、私もまた年を取るのだと思いつつ、夜更けの風の音を聞いていると、心
令和6年12月14日(土) 【旧 一一月一四日 赤口】 大雪・「熊蟄穴(くまあなにこもる)」松に月義士討入の日なりけり ~安住敦(1907-1988) 元禄15年12月14日(1703年1月31日)は赤穂浪士が本所吉良邸に討ち入った日。したがってこの俳句では「討ち入りの日」が冬の季語に
令和6年12月13日(金) 【旧 一一月一三日 大安】 大雪・「熊蟄穴(くまあなにこもる)」太き骨は先生ならむそのそばに小さきあたまの骨あつまれり ~正田篠枝 『さんげ』Photo:12月10日 ノーベル平和賞授賞式でスピーチする日本被団協の田中熙巳さん ~HUFFPOST 正田篠枝
令和6年12月12日(木) 【旧 一一月一二日 仏滅】 大雪・「熊蟄穴(くまあなにこもる)」ペースメーカー埋めしわれが大歳にポインセチアの水遣りてゐる ~篠弘(1933-2022)『軟着陸』 「大歳《おおとし》」とは大晦日のこと。ポインセチアの鉢植えはクリスマスを前にした
令和6年12月11日(水) 【旧 一一月一一日 先負】 大雪・「熊蟄穴(くまあなにこもる)」荒熊の棲むとふ山の師歯迫山《しはせやま》責めて問ふとも汝《な》が名は告《の》らじ ~作者未詳 『万葉集』 巻11-2696 寄物陳思荒々しい熊が棲むと言う師歯迫山の名のように、いく
令和6年12月10日(火) 【旧 一一月一〇日 友引】 大雪・「閉塞成冬(そらさむくふゆとなる)」嵐山夕べ淋しく鳴る鐘にこぼれそめてし木々の紅葉 ~坂本直柔《なおなり》(1836-1867) 坂本直柔は坂本龍馬の諱《いみな》です。大政奉還から約一月後の慶応3年11月15日に京都
令和6年12月9日(月) 【旧 一一月九日 先勝】 大雪・「閉塞成冬(そらさむくふゆとなる)」河豚鍋も鮟鱇鍋もせずに久しどうでもよいかそれはいけない ~馬場あき子(1928-)『太鼓の空間』Photo:あんこう ~Sushi sKool K(慶) 寒くなってくると鍋料理が恋しくなってき
令和6年12月8日(日) 【旧 一一月八日 赤口】 大雪・「閉塞成冬(そらさむくふゆとなる)」遠い時間の十二月八日には触れずけふ十二月八日のひぐれ ~志垣澄幸(1934-)『山河 志垣澄幸歌集』 歌人志垣澄幸氏は昭和9年台北市生まれ。敗戦後、母の故郷である宮崎に戻り教職
令和6年12月7日(土) 【旧 一一月七日 大安】 大雪・「閉塞成冬(そらさむくふゆとなる)」大口の真神原《まがみがはら》に降る雪はいたくな降りそ家もあらなくに ~舎人娘子《とねりのをとめ》 『万葉集』 巻8-1636 雑歌大口の真神原に降る雪よ、ひどく降らないでおくれ。
令和6年12月6日(金) 【旧 一一月六日 仏滅】 小雪・「橘始黄(たちばなはじめてきばむ)」ぬばたまの夜霧は立ちぬ衣手の高屋の上にたなびくまでに ~舎人皇子《とねりのみこ》(676-735) 『万葉集』 巻9-1706 雑歌ぬばたまのような漆黒の夜に霧が立ちこめている。高屋の
令和6年12月5日(木) 【旧 一一月五日 先負】 小雪・「橘始黄(たちばなはじめてきばむ)」冷やかにモーツァルトのト短調 ~稲畑廣太郎(1957-) 12月5日。今年もW.A.モーツァルト(1756-1791)の命日にちなんだ俳句と短歌を探してきました。「モーツァルトのト短調」と聞
令和6年12月4日(水) 【旧 一一月四日 友引】 小雪・「橘始黄(たちばなはじめてきばむ)」時雨の雨染めかねてけり山城の常盤の杜の真木の下葉々 ~能因法師(988-1050)『新古今和歌集』 巻6-0577 冬歌しぐれの雨も木々を染めるのは難しいようだ。山城の常盤の森の葉は。P
令和6年12月3日(火) 【旧 一一月二日 先勝】 小雪・「橘始黄(たちばなはじめてきばむ)」晩秋の束の間を咲くむらさきの皇帝ダリアは華やぎ見する ~林芙美子(1903-1951) 一般的なダリアと違って皇帝ダリアの茎は太く、草木ですが樹木のように5~6m前後まで成長します
令和6年12月2日(月) 【旧 一一月二日 赤口】 小雪・「橘始黄(たちばなはじめてきばむ)」橘の黄の小さきは右近かな ~吉田鴻司(1918-2005) 京都御所内裏の紫宸殿正面に植えられた左近の桜と右近の橘。言うまでもありませんがこの左・右は左大臣・右大臣の席と同じく天
令和6年12月1日(日) 【旧 一一月一日 大安】 小雪・「朔風払葉(きたかぜこのはをはらう)」逃れえぬわが奈良すでに師走なる啾々《しうしう》と夜を怨霊のこゑ ~前川佐美雄(1903-1990) 『松杉』Photo:夜の東大寺大仏殿 ~なら瑠璃絵より いよいよ歳末12月。今年も
令和6年11月30日(土) 【旧 一〇月三〇日 先負】 小雪・「朔風払葉(きたかぜこのはをはらう)」衣手にあらしの吹きて寒き夜を君来まさずはひとりかも寝む ~作者未詳 『万葉集』 巻13-3282 相聞歌衣の袖に嵐の風が吹きこむような寒い夜を、貴方がおいでにならないのでわた
令和6年11月29日(金) 【旧 一〇月二九日 友引】 小雪・「朔風払葉(きたかぜこのはをはらう)」だんだんに無感覚となる報道はウクライナからガザに移れど ~渡英子 『短歌』 2024年2月号 1977年12月の国連決議において、今日11月29日を「パレスチナ人民連帯国際デー」が
令和6年11月28日(木) 【旧 一〇月二八日 先勝】 小雪・「朔風払葉(きたかぜこのはをはらう)」山里は冬ぞ寂しさまさりける人目も草もかれぬと思へば ~源宗于(?-939) 『古今和歌集』 巻6-0315 冬歌山里では冬こそ寂しさがつのるものだ。人の訪れも離《か》れ 草木も枯
令和6年11月27日(水) 【旧 一〇月二七日 赤口】 小雪・「朔風払葉(きたかぜこのはをはらう)」枝はなれ地のものとなるくれなゐに染み極まりて照れる楓葉 ~窪田空穂(1877-1967)『老槻の下』Photo:枯れ葉が舞う風景 ~photoAC(BLUEAMBERさん) 今日は二十四節気「小
令和5年12月17日(日) 【旧 一一月五日 先負】・大雪 鮭魚群(さけのうおむらがる)雪の朝独り干鮭を噛み得タリ ~松尾芭蕉(1644-1694)Photo:鮭の遡上 ~ととクル 今日は七十二候の第63候「鮭魚群(さけのうおむらがる)」。川で産まれ海で大きく育った鮭が産卵のために群
令和5年12月16日(土) 【旧 一一月四日 友引】・大雪 熊蟄穴(くまあなにこもる)何もかも日本と異なる異なりを確認しをりニューヨークにて ~今泉由利Photo:miyanova 今から130年前、1893年12月16日にニューヨークのカーネギーホールで初演されたのがアントニン・ドヴォル
令和5年12月15日(金) 【旧 一一月三日 先勝】・大雪 熊蟄穴(くまあなにこもる)街路樹の根元根元を照らしゐしポインセチアもいつか抜かれぬ ~三國礼子(1896-1976)『晨《あした》の雪』青森Photo:ポインセチア ~マチュアリスト 紅葉の季節が終わってクリスマスのシー
令和5年12月14日(木) 【旧 一一月二日 赤口】・大雪 熊蟄穴(くまあなにこもる)名にしおふ今宵の空の月かげはわきていとはんうき雲もなし ~吉良義央(1641-1703)Photo:歌川広重「忠臣蔵 夜討三 本望」静岡市東海道美術館蔵 ~Artagenda 「赤穂事件」とはおそらく江戸
令和5年12月13日(水) 【旧 一一月一日 大安】・大雪 熊蟄穴(くまあなにこもる)駅員のつもりで母はベゴニアの世話をしている無人駅にて ~袴田朱夏 NHK短歌2019年7月号(佐伯裕子選)Photo:フォーチューンベゴニア(黄色)とベゴニア・センバフローレンス(赤)12月11日撮
令和5年12月12日(火) 【旧 一〇月三〇日 先負】・大雪 熊蟄穴(くまあなにこもる)熊の糞青光る野の寒さ哉 ~中川宋淵(1907-1984)Photo:あにまるじゃんくしょん 今日は七十二候の第62候「熊蟄穴(くまあなにこもる)」。二十四節気「大雪」の次候にあたります。俳人中川宋
令和5年12月11日(月) 【旧 一〇月二九日 友引】・大雪 閉寒成冬(そらさむくふゆとなる)理髪店出できてわれの不思議さよ明日は狐を飼ふかもしれず ~小中英之(1937-2001)『過客』Photo:散髪屋SUN 最近は店先に赤・青・白のくるくる回る看板を置いている散髪屋さんをあ
令和5年12月10日(日) 【旧 一〇月二八日 先勝】・大雪 閉寒成冬(そらさむくふゆとなる)思ひきや東の国にわれ生《あ》れてうつつに今日の日にあはんとは ~湯川秀樹(1907-1981)『湯川秀樹歌文集』Photo:ノーベル賞のメダル(ストックホルム市庁舎蔵)~毎日新聞HP 「今
令和5年12月9日(土) 【旧 一〇月二七日 赤口】・大雪 閉寒成冬(そらさむくふゆとなる)神無月はるの光か晴るる江の南にめぐる空の日影も ~武者小路実陰(1661-1738)『芳雲集』神無月に春の光であろうか。晴れ渡る長江の南に巡る空の光もこうであったろう。Photo:長江(
令和5年12月8日(金) 【旧 一〇月二六日 大安】・大雪 閉寒成冬(そらさむくふゆとなる)十二月八日の霜の屋根幾万 ~加藤楸邨(1905-1993)Photo:窓の結露 ~photoAC(カメラ日和さん) 12月8日は今年の農事などの雑用をしまう「事納め」の日。地方によってはこの日に「
令和5年12月7日(木) 【旧 一〇月二五日 仏滅】・大雪 閉寒成冬(そらさむくふゆとなる)高山の巌に生ふる菅《すが》の根のねもころごろに降り置く白雪 ~橘諸兄《たちばなのもろえ》(684-757)『万葉集』 巻20-4454高い山の岩に生えている菅の根のようにねんごろに降り積も
令和5年12月6日(水) 【旧 一〇月二四日 先負】・小雪 橘始黄(たちばなはじめてきばむ)枯れまじとして磯菊の枯るるかな ~清崎敏郎(1922-1999)Photo:磯菊(伊豆下田爪木崎)~四季の花散歩 晩秋の季語となっている磯菊《イソギク》の花が咲くのは10月から12月頃まで。
令和5年12月5日(火) 【旧 一〇月二三日 友引】・小雪 橘始黄(たちばなはじめてきばむ)女《め》の孫がステージに弾く即興のレクイエム涙あふれつつ聞く ~松田佐津子 『即興のレクイエム』Photo:『モーツァルトの死』(ベルンハルト・パウムガルトナー画) 古今東西のあ
令和5年12月4日(月) 【旧 一〇月二二日 先勝】・小雪 橘始黄(たちばなはじめてきばむ)救われてわれは生きたし凍原に異性のような落葉松が見ゆ ~道浦母都子《みちうらもとこ》(1947-)『花やすらい』Photo:カラマツの黄葉 ~秋から冬へ~ 富良野観光物語 落葉松《カラ
令和5年12月3日(日) 【旧 一〇月二一日 赤口】・小雪 橘始黄(たちばなはじめてきばむ)家康に過ぎたるものは二つあり唐《から》の頭《かしら》に本多平八 ~小杉左近(武田信玄の近習)家康の身の程に過ぎたものが二つある。唐の頭と本多平八郎だ。 「唐の頭」とはヤクの
令和5年12月2日(土) 【旧 一〇月二〇日 大安】・小雪 橘始黄(たちばなはじめてきばむ)橘の下吹く風のかぐはしき筑波の山を恋ひずあらめかも ~占部廣方 『万葉集』 巻20-4371橘の木の下を吹く風が香しい筑波の山を懐かしく思わずにいられようか。Photo:橘の実 ~tenki.j
令和5年12月1日(金) 【旧 一〇月一九日 仏滅】・小雪 朔風払葉(きたかぜこのはをはらう)極月の水にしづめる青砥石引上げて砥ぐ霜の柳刃 ~馬場あき子(1928-)『雪木』Photo:12月の天王寺公園とあべのハルカス ~Holiday 「極月《ごくつき》」は一年が極まる月、すなわ
令和5年11月30日(木) 【旧 一〇月一八日 先負】・小雪 朔風払葉(きたかぜこのはをはらう)雪待月その幽《かそ》けきを鴨なけり ~加藤秋邨(1905-1993)Photo:カルガモ ~水前寺江津湖公園スタッフブログ 11月は今日でおしまい。11月の異称として「霜月」はよく知られて
令和5年11月29日(水) 【旧 一〇月一七日 友引】・小雪 朔風払葉(きたかぜこのはをはらう)霜月の濡れ落ち葉蹴る子どもらの通学の路咳《しはぶ》きひとつ ~林龍三(1952-)『塔』2015年1月号Photo: FREEP!K 11月も今日を含めてあと2日、まさに今が紅葉の見頃です。色
令和5年11月28日(火) 【旧 一〇月一六日 先勝】・小雪 朔風払葉(きたかぜこのはをはらう)明日ありと思う心の仇桜夜半に嵐の吹かぬものかは ~親鸞(1173-1263)明日の命があると思う心が仇になるのです。桜も夜半の嵐で散ってしまうかも知れないだろう。Photo:親鸞聖人影