令和6年12月16日(月) 【旧 一一月一六日 友引】 大雪・「鮭魚群(さけのうおむらがる)」くれてゆく年の道さへみゆるかとおもふてばかりにてる月夜かな ~樋口一葉(1872-1896) 今夜、お天気が良ければ今年最後の満月が見られる日。空気が済んでいれば月齢14.9のほぼま
#4456 くれてゆく年の道さへみゆるかとおもふてばかりにてる月夜かな
令和6年12月16日(月) 【旧 一一月一六日 友引】 大雪・「鮭魚群(さけのうおむらがる)」くれてゆく年の道さへみゆるかとおもふてばかりにてる月夜かな ~樋口一葉(1872-1896) 今夜、お天気が良ければ今年最後の満月が見られる日。空気が済んでいれば月齢14.9のほぼま
#4455 年暮れて我が世ふけゆく風のおとに心のうちのすさまじきかな
令和6年12月15日(日) 【旧 一一月一五日 先勝】 大雪・「熊蟄穴(くまあなにこもる)」年暮れて我が世ふけゆく風のおとに心のうちのすさまじきかな ~紫式部 『玉葉和歌集』 巻6-1036 冬歌年が暮れて、私もまた年を取るのだと思いつつ、夜更けの風の音を聞いていると、心
#4454 われもまた吉良の齢を過ぎたれば浅野の青き未熟を悪めり
令和6年12月14日(土) 【旧 一一月一四日 赤口】 大雪・「熊蟄穴(くまあなにこもる)」松に月義士討入の日なりけり ~安住敦(1907-1988) 元禄15年12月14日(1703年1月31日)は赤穂浪士が本所吉良邸に討ち入った日。したがってこの俳句では「討ち入りの日」が冬の季語に
#4453 太き骨は先生ならむそのそばに小さきあたまの骨あつまれり
令和6年12月13日(金) 【旧 一一月一三日 大安】 大雪・「熊蟄穴(くまあなにこもる)」太き骨は先生ならむそのそばに小さきあたまの骨あつまれり ~正田篠枝 『さんげ』Photo:12月10日 ノーベル平和賞授賞式でスピーチする日本被団協の田中熙巳さん ~HUFFPOST 正田篠枝
#4452 ペースメーカー埋めしわれが大歳にポインセチアの水遣りてゐる
令和6年12月12日(木) 【旧 一一月一二日 仏滅】 大雪・「熊蟄穴(くまあなにこもる)」ペースメーカー埋めしわれが大歳にポインセチアの水遣りてゐる ~篠弘(1933-2022)『軟着陸』 「大歳《おおとし》」とは大晦日のこと。ポインセチアの鉢植えはクリスマスを前にした
#4451 荒熊の棲むとふ山の師歯迫山責めて問ふとも汝が名は告らじ
令和6年12月11日(水) 【旧 一一月一一日 先負】 大雪・「熊蟄穴(くまあなにこもる)」荒熊の棲むとふ山の師歯迫山《しはせやま》責めて問ふとも汝《な》が名は告《の》らじ ~作者未詳 『万葉集』 巻11-2696 寄物陳思荒々しい熊が棲むと言う師歯迫山の名のように、いく
令和6年12月10日(火) 【旧 一一月一〇日 友引】 大雪・「閉塞成冬(そらさむくふゆとなる)」嵐山夕べ淋しく鳴る鐘にこぼれそめてし木々の紅葉 ~坂本直柔《なおなり》(1836-1867) 坂本直柔は坂本龍馬の諱《いみな》です。大政奉還から約一月後の慶応3年11月15日に京都
#4449 河豚鍋も鮟鱇鍋もせずに久しどうでもよいかそれはいけない
令和6年12月9日(月) 【旧 一一月九日 先勝】 大雪・「閉塞成冬(そらさむくふゆとなる)」河豚鍋も鮟鱇鍋もせずに久しどうでもよいかそれはいけない ~馬場あき子(1928-)『太鼓の空間』Photo:あんこう ~Sushi sKool K(慶) 寒くなってくると鍋料理が恋しくなってき
#4448 遠い時間の十二月八日には触れずけふ十二月八日のひぐれ
令和6年12月8日(日) 【旧 一一月八日 赤口】 大雪・「閉塞成冬(そらさむくふゆとなる)」遠い時間の十二月八日には触れずけふ十二月八日のひぐれ ~志垣澄幸(1934-)『山河 志垣澄幸歌集』 歌人志垣澄幸氏は昭和9年台北市生まれ。敗戦後、母の故郷である宮崎に戻り教職
#4447 大口の真神原《まがみがはら》に降る雪はいたくな降りそ家もあらなくに
令和6年12月7日(土) 【旧 一一月七日 大安】 大雪・「閉塞成冬(そらさむくふゆとなる)」大口の真神原《まがみがはら》に降る雪はいたくな降りそ家もあらなくに ~舎人娘子《とねりのをとめ》 『万葉集』 巻8-1636 雑歌大口の真神原に降る雪よ、ひどく降らないでおくれ。
#4446 ぬばたまの夜霧は立ちぬ衣手の高屋の上にたなびくまでに
令和6年12月6日(金) 【旧 一一月六日 仏滅】 小雪・「橘始黄(たちばなはじめてきばむ)」ぬばたまの夜霧は立ちぬ衣手の高屋の上にたなびくまでに ~舎人皇子《とねりのみこ》(676-735) 『万葉集』 巻9-1706 雑歌ぬばたまのような漆黒の夜に霧が立ちこめている。高屋の
#4445 モーツァルトを聴く部屋の椅子 いつか死ぬ者として在るこの世の隅に
令和6年12月5日(木) 【旧 一一月五日 先負】 小雪・「橘始黄(たちばなはじめてきばむ)」冷やかにモーツァルトのト短調 ~稲畑廣太郎(1957-) 12月5日。今年もW.A.モーツァルト(1756-1791)の命日にちなんだ俳句と短歌を探してきました。「モーツァルトのト短調」と聞
#4444 時雨の雨染めかねてけり山城の常盤の杜の真木の下葉々
令和6年12月4日(水) 【旧 一一月四日 友引】 小雪・「橘始黄(たちばなはじめてきばむ)」時雨の雨染めかねてけり山城の常盤の杜の真木の下葉々 ~能因法師(988-1050)『新古今和歌集』 巻6-0577 冬歌しぐれの雨も木々を染めるのは難しいようだ。山城の常盤の森の葉は。P
#4443 晩秋の束の間を咲くむらさきの皇帝ダリアは華やぎ見する
令和6年12月3日(火) 【旧 一一月二日 先勝】 小雪・「橘始黄(たちばなはじめてきばむ)」晩秋の束の間を咲くむらさきの皇帝ダリアは華やぎ見する ~林芙美子(1903-1951) 一般的なダリアと違って皇帝ダリアの茎は太く、草木ですが樹木のように5~6m前後まで成長します
令和6年12月2日(月) 【旧 一一月二日 赤口】 小雪・「橘始黄(たちばなはじめてきばむ)」橘の黄の小さきは右近かな ~吉田鴻司(1918-2005) 京都御所内裏の紫宸殿正面に植えられた左近の桜と右近の橘。言うまでもありませんがこの左・右は左大臣・右大臣の席と同じく天
#4441 逃れえぬわが奈良すでに師走なる啾々と夜を怨霊のこゑ
令和6年12月1日(日) 【旧 一一月一日 大安】 小雪・「朔風払葉(きたかぜこのはをはらう)」逃れえぬわが奈良すでに師走なる啾々《しうしう》と夜を怨霊のこゑ ~前川佐美雄(1903-1990) 『松杉』Photo:夜の東大寺大仏殿 ~なら瑠璃絵より いよいよ歳末12月。今年も
#4440 衣手にあらしの吹きて寒き夜を君来まさずはひとりかも寝む
令和6年11月30日(土) 【旧 一〇月三〇日 先負】 小雪・「朔風払葉(きたかぜこのはをはらう)」衣手にあらしの吹きて寒き夜を君来まさずはひとりかも寝む ~作者未詳 『万葉集』 巻13-3282 相聞歌衣の袖に嵐の風が吹きこむような寒い夜を、貴方がおいでにならないのでわた
#4439 だんだんに無感覚となる報道はウクライナからガザに移れど
令和6年11月29日(金) 【旧 一〇月二九日 友引】 小雪・「朔風払葉(きたかぜこのはをはらう)」だんだんに無感覚となる報道はウクライナからガザに移れど ~渡英子 『短歌』 2024年2月号 1977年12月の国連決議において、今日11月29日を「パレスチナ人民連帯国際デー」が
#4438 山里は冬ぞ寂しさまさりける人目も草もかれぬと思へば
令和6年11月28日(木) 【旧 一〇月二八日 先勝】 小雪・「朔風払葉(きたかぜこのはをはらう)」山里は冬ぞ寂しさまさりける人目も草もかれぬと思へば ~源宗于(?-939) 『古今和歌集』 巻6-0315 冬歌山里では冬こそ寂しさがつのるものだ。人の訪れも離《か》れ 草木も枯
#4337 枝はなれ地のものとなるくれなゐに染み極まりて照れる楓葉
令和6年11月27日(水) 【旧 一〇月二七日 赤口】 小雪・「朔風払葉(きたかぜこのはをはらう)」枝はなれ地のものとなるくれなゐに染み極まりて照れる楓葉 ~窪田空穂(1877-1967)『老槻の下』Photo:枯れ葉が舞う風景 ~photoAC(BLUEAMBERさん) 今日は二十四節気「小
#4436 西の市にただひとり出でて目並べず買ひてし絹の商じこりかも
令和6年11月26日(火) 【旧 一〇月二六日 大安】 小雪・虹蟄不見(にじかくれてみえず)火種棒まつ赤に焼けて感謝祭 ~陽美保子 そもそも巷で騒がしい「ブラックフライデー」とは何ぞやという疑問を解くためにはまず「感謝祭」を知らねばなりません。感謝祭(Thanksgiving
#4435 散るをいとふ世にも人にもさきがけて散るこそ花と吹く小夜嵐
令和6年11月25日(月) 【旧 一〇月二五日 仏滅】 小雪・虹蟄不見(にじかくれてみえず)散るをいとふ世にも人にもさきがけて散るこそ花と吹く小夜嵐 ~三島由紀夫(1925-1970)辞世 今日は三島由紀夫を追悼する「憂国忌」。1970(昭和45)年の今日、東京市ヶ谷の自衛隊駐屯
#4434 世の中に嵐の風の吹きながら実をば残せる柿のもみぢ葉
令和6年11月24日(日) 【旧 一〇月二四日 先負】 小雪・虹蟄不見(にじかくれてみえず)世の中に嵐の風の吹きながら実をば残せる柿のもみぢ葉 ~源仲正(生没年不詳・平安後期)Photo:秋の柿 ~photoAC(anopi) 日本一生産量が多い柿といえば「富有柿」。噛んだときの食
#4433 冬の虹途切れたままにきらめいて、きみの家族がわたしだけになる
令和6年11月23日(土) 【旧 一〇月二三日 友引】 小雪・虹蟄不見(にじかくれてみえず)冬の虹途切れたままにきらめいて、きみの家族がわたしだけになる ~大森静佳(1989-)Photo:冬の虹 ~木瓜帽子のぶログ 二十四節気「小雪」の初候5日間(11月22-26日)は七十二候の
#4432 はつ雪の便り北より山地より 小雪けふも大和はもみぢ
令和6年11月22日(金) 【旧 一〇月二二日 先勝】 小雪・虹蟄不見(にじかくれてみえず)松過ぎの月が散らせし小雪あり ~永井龍男(1904-1990)小雪や実の紅の葉におよび ~鷹羽狩行(1930-2024)Photo:2016年11月24日、横浜で54年ぶり紅葉の季節に初雪 ~カナココ こ
#4431 のち の よ の ひと の そへたる ころもで を かかげて たたす ぢこくてんわう
令和6年11月21日(木) 【旧 一〇月二一日 赤口】 立冬・金盞香(きんせんかさく)のち の よ の ひと の そへたる ころもで を かかげて たたす ぢこくてんわう(後の世の人の添へたる衣手をかかげて立たす持国天王) ~會津八一(1881-1956) 『鹿鳴集』Photo
#4430 つばらかに翡翠のひかり満ちわたるからまつ林朝鳥のこゑ
令和6年11月20日(水) 【旧 一〇月二〇日 大安】 立冬・金盞香(きんせんかさく)つばらかに翡翠のひかり満ちわたるからまつ林朝鳥のこゑ ~三國玲子(1924-1987)『翡翠のひかり』Photo:新緑のカラマツ林と光芒 ~photoAC(みゆきちばばさん) カラマツは主に本州中部に
#4429 たっぷりと血や臓物や悪心をしまひてくらし人間の胴
令和6年11月19日(火) 【旧 一〇月一九日 仏滅】 立冬・金盞香(きんせんかさく)或る闇は蟲の形をして哭けり ~河原枇杷男(1930-) もともと政治家もマスコミも信じてはいなかったけれど、今年ほど醜いものを見せつけられた年はありませんでした。自民党の総裁選しかり
#4428 射手座の矢冷たい闇を切り裂いて君の頭上の林檎に挿さる
令和6年11月18日(月) 【旧 一〇月一八日 先負】 立冬・金盞香(きんせんかさく)射手座の矢冷たい闇を切り裂いて君の頭上の林檎に挿さる ~北大路京介Photo:depositphotos 頭上のリンゴを弓矢で射抜くというのはあのウイリアム・テルの伝承で、これは西暦1307年の今日、
#4427 木の下のほの明るきは何なると寄る朝光に水仙咲けり
令和6年11月17日(日) 【旧 一〇月一七日 友引】 立冬・金盞香(きんせんかさく)木の下のほの明るきは何なると寄る朝光に水仙咲けり ~大下一真 『漆桶』Photo:とんぼ池公園(大阪府岸和田市)の水仙郷に咲く水仙たち ~祈りログ~ 二十四節気「立冬」の末候は七十二候
#4426 洋梨にナイフを刺せば抱擁の名残りのように芯あたたかし
令和6年11月16日(土) 【旧 一〇月一六日 先勝】 立冬・地始凍(ちはじめてこおる)洋梨にナイフを刺せば抱擁の名残りのように芯あたたかし ~東直子(1963-)『青卵』Photo:ゴールドラフランス ~くだもの歳時記(山形 味の農園) 和梨の旬は早いもので8月からおよそ10
#4425 人の親の心は闇にあらねども子を思ふ道にまどひぬるかな
令和6年11月15日(金) 【旧 一〇月一五日 赤口】 立冬・地始凍(ちはじめてこおる)人の親の心は闇にあらねども子を思ふ道にまどひぬるかな ~藤原兼輔 『後撰和歌集』 1102親の心は、闇というほどでもないのだが、どうも子供のこととなると道に迷ったかのようにわからなく
#4424 芋頭手にのせ見ればひとところ青き力の芽ぐみいきほふ
令和6年11月14日(木) 【旧 一〇月一四日 大安】 立冬・地始凍(ちはじめてこおる)芋頭手にのせ見ればひとところ青き力の芽ぐみいきほふ ~馬場あき子『あさげゆふげ』Photo:里芋 ~Youtube(塚原農園) 芋頭《いもがしら》とは里芋の親芋のこと。里芋は貯蔵性に優れて
#4423 咲くまではここがどこだか分からない分からぬままにつぼみふくらむ
令和6年11月13日(水) 【旧 一〇月一三日 仏滅】 立冬・地始凍(ちはじめてこおる)咲くまではここがどこだか分からない分からぬままにつぼみふくらむ ~岡本幸緒 『十月桜』Photo:十月桜 ~photoAC(フリスビーさん) 十月桜《ジュウガツザクラ》は名前の通り10月から咲
#4422 凍土に花の咲かずと嘆く歳はおのれが花である外はなし
令和6年11月12日(火) 【旧 一〇月一二日 先負】立冬・地始凍(ちはじめてこおる)凍土《いてつち》に花の咲かずと嘆く歳はおのれが花である外はなし ~中城ふみ子(1922-1954)『花の原型』Photo:Weather News 今日は七十二候の第56候「地始凍(ちはじめてこおる)」。寒
#4421 日本の終戦がすなはち韓国の解放記念日と聞きてたじろぐ
令和6年11月11日(月) 【旧 一〇月一一日 友引】立冬・山茶始開(つばきはじめてひらく)「この味がいいね」と君が言ったから七月六日はサラダ記念日 ~俵万智(1962-)『サラダ記念日』Photo:独立記念日を祝うポーランドの人々 今日は「なんとか記念日」のお話。11月11
#4420 二十年反原発の歌詠み続け擁護論の人らと共に避難す
令和6年11月10日(日) 【旧 一〇月一〇日 先勝】立冬・山茶始開(つばきはじめてひらく)二十年反原発の歌詠み続け擁護論の人らと共に避難す ~佐藤祐禎(1929-2013)『再び還らず』 歌人の佐藤祐禎《さとうゆうてい》さんの故郷は福島県浜通りの大熊町。あの原発事故で避
#4419 雪のごと灰降る夜空紅く染め一丁向かふの家が燃えてゐる
令和6年11月9日(土) 【旧 一〇月九日 赤口】立冬・山茶始開(つばきはじめてひらく)山茶花の散るにすっとぶ消防車 ~伊丹三樹彦(1920-2019)Photo:緊急出動 ~photoAC(matsuemon) 11月9日は「119番の日」。消防・救急の緊急通報用電話番号が119番であることから1987
#4418 巨勢山のつらつら椿つらつらに見つつ思ばな巨勢の春野を
令和6年11月8日(金) 【旧 一〇月八日 大安】立冬・山茶始開(つばきはじめてひらく)巨勢山《こせやま》のつらつら椿つらつらに見つつ思《しの》ばな巨勢の春野を ~坂門人足《さかどのひとたり》 『万葉集』 巻1-0054 雑歌巨勢山のつらつらと連なった椿をつらつら見な
#4417 木の葉散り秋も暮にし片岡のさびしき森に冬は来にけり
令和6年11月7日(木) 【旧 一〇月七日 仏滅】立冬・山茶始開(つばきはじめてひらく)木の葉散り秋も暮にし片岡のさびしき森に冬は来にけり ~源実朝(1192-1219)『金槐和歌集』 0271 冬歌木の葉が散り、秋も暮れてしまった。片岡の寂しい森に冬がやってきた。 「片岡」
#4415 冬の日のやうやくたけて光るころゼラニュームなど四季咲き親し
令和6年11月6日(水) 【旧 一〇月六日 先負】霜降・楓蔦黄(もみじつたきばむ)若狭くらやみ返り血の天竺葵 ~塚本邦雄(1920-2005)『句句凛凛』Photo:真っ赤なゼラニウム ~photoAC(cheetahさん) 寺山修司・岡井隆とともに「前衛短歌の三雄」の一人とされている塚本
#4416 女なり男なりを超えたるかたち網に掛かりて帰りたまひき
令和6年11月5日(火) 【旧 一〇月五日 友引】霜降・楓蔦黄(もみじつたきばむ)女なり男なりを超えたるかたち網に掛かりて帰りたまひき ~梶原さい子(1971-)『椿/リアス』 女か男かもわからなくなった遺体が漁網にかかって帰ってきた。東日本大震災の津波の惨状を詠ん
#4414 死ぬ前にフォーレが書きし真裸の音楽としてOp.117弾く
令和6年11月4日(月) 【旧 一〇月四日 先勝】霜降・楓蔦黄(もみじつたきばむ)死ぬ前にフォーレが書きし真裸の音楽としてOp.117弾く ~河野美砂子(1956-)『塔』 2015年2月号Photo:Gabriel Fauré ガブリエル・フォーレ(1845-1924)はフランスロマン派の作曲家。今日
#4413 嘆くべし否誇るべきかなボストンに日本の至宝温められしを
令和6年11月3日(日) 【旧 一〇月三日 赤口】霜降・楓蔦黄(もみじつたきばむ)嘆くべし否誇るべきかなボストンに日本の至宝温められしを ~林龍三 『塔』 2015年7月号Photo:ボストン美術館 日本美術の至宝展(2013年)(大阪市立美術館) 今日は日本国憲法が発布された
令和6年11月2日(土) 【旧 一〇月二日 大安】霜降・楓蔦黄(もみじつたきばむ)我が衣色取り染めむ味酒《うまさけ》三室の山は黄葉しにけり ~柿本人麻呂歌集 『万葉集』 巻7-1094私の衣をきれいな色に染めましょう。三室の山も紅葉している頃です。 「味酒」は「三室の山
#4411 石蕗の葉の光れる夜の道狭めあやしみ合ひてすれ違ひたる
令和6年11月1日(金) 【旧 一〇月一日 仏滅】霜降・霎時施(こさめときどきふる)石蕗《つは》の葉の光れる夜の道狭めあやしみ合ひてすれ違ひたる ~大西民子(1924-1994)Photo:石蕗《つわぶき》~HAGI(萩市観光協会公式サイト) 菊花の常緑多年草ツワブキの黄色い花が
#4410 黄かぼちやに庖丁の刃を刺したままほうほう母はどこへいつたやら
令和6年10月31日(木) 【旧 九月二九日 先勝】霜降・霎時施(こさめときどきふる)黄かぼちやに庖丁の刃を刺したままほうほう母はどこへいつたやら ~日高堯子(1945-)『振りむくひと』Photo:かぼちゃのスイーツ ~DietPlus 百貨店やショッピングモール、百均にも2ヶ月
#4409 たて笛に遠すぎる穴があつたでせう さういふ感じに何かがとほい
令和6年10月30日(水) 【旧 九月二八日 赤口】霜降・霎時施(こさめときどきふる)たて笛に遠すぎる穴があつたでせう さういふ感じに何かがとほい ~木下こう 『体温と雨』 Photo:フランス・ブリュッヘン(1934-2014) たて笛は小学校の音楽の時間に習った初めての楽器
#4408 うしろより声をもかけず殺したるその卑怯さを語りつぐべし
令和6年10月29日(火) 【旧 九月二七日 大安滅】霜降・霎時施(こさめときどきふる)うしろより声をもかけず殺したるその卑怯さを語りつぐべし ~土岐善麿(1885-1980)『緑の斜面』Photo:石破茂総裁を第102台内閣総理大臣に選出 ~自民党 そもそも似たような行為を少な
#4407 ひねもすを書に労れし目にしみるベゴニアの花のよき紅きかな
令和6年10月29日(火) 【旧 九月二七日 大安滅】霜降・霎時施(こさめときどきふる)ベゴニヤの鉢の彩り揃へけり ~稲畑汀子(1931-2022)Photo:ベゴニア ~dinos シュウカイドウ科の植物ベゴニアは原種の交配が進んで今では多くの品種が存在します。数年前に娘から黄色
#4406 大野らに小雨降りしく木の下に時と寄り来ね我が思ふ人
令和6年10月28日(月) 【旧 九月二六日 仏滅】霜降・霎時施(こさめときどきふる)いつもここに秋の雨にも潦 ~山口誓子(1901-1994) 潦《にわたずみ》は和歌・短歌では「流る」「行く」「川」などにかかる枕詞に使われますが、ここでは「水たまり」の意味。我が家の前の
令和6年10月27日(日) 【旧 九月二五日 先負】霜降・霜始降(しもはじめてふる)読本《とくほん》の栞にと我がしたりける銀杏の黄葉を娘の拾ふ ~窪田空穂(1877-1967)『歌集 郷愁』Photo:ハルメク365 今日10月27日(日)から「文化の日」を挟んで1月9日(土)までの2週間は
#4404 なにがなんでも悪とう論理に組みし得ず文殊円屋根を雲の影はしる
令和6年10月26日(土) 【旧 九月二四日 友引】霜降・霜始降(しもはじめてふる)なにがなんでも悪とう論理に組みし得ず文殊円屋根を雲の影はしる ~永田和宏(1947-)『荒神』 「文殊」は福井県敦賀市にある高速増殖炉。一般の商用原子力発電所とは違い、文部科学省が所管
#4403 逢ふことも今はなきねの夢ならでいつかは君をまたは見るべき
令和6年10月25日(金) 【旧 九月二三日 先勝】霜降・霜始降(しもはじめてふる)一条院かくれ給ひにければ、その御事をのみ恋ひ歎き給ひて、夢にほのかに見え給ひければ逢ふことも今はなきねの夢ならでいつかは君をまたは見るべき ~藤原彰子(988-1074)『新古今和歌集』
#4402 レイテ沖戦にて果てし友偲び深まる秋にひとり香を焚く
令和6年10月24日(木) 【旧 九月二二日 赤口】霜降・霜始降(しもはじめてふる)レイテ沖戦にて果てし友偲び深まる秋にひとり香を焚く ~光嶋瀬市郎Photo:フィリピン沖海戦で米軍機の攻撃を受て沈没した空母「瑞鳳」 太平洋戦争における「フィリピン沖海戦」(米側呼称で
#4401 夕凝りの霜置きにけり朝戸出にいたくし踏みて人に知らゆな
令和6年10月23日(水) 【旧 九月二一日 大安】霜降・霜始降(しもはじめてふる)夕凝《ゆうこ》りの霜置きにけり朝戸出にいたくし踏みて人に知らゆな ~作者未詳 『万葉集』 巻11-2692 寄物陳思夕べに霜が降りました。朝、あなたがお帰りになる時に踏みつけて足跡で人に知
#4400 つつましき朝の食事に香をおくる小雨に濡れし洎芙藍の花
令和6年10月22日(火) 【旧 九月二〇日 仏滅】寒露・蟋蟀在戸(きりぎりすとにあり)つつましき朝の食事に香をおくる小雨に濡れし洎芙藍《さふらん》の花 ~北原白秋(1885-1942)『桐の花』Photo:サフラン ~調香師のアトリエ サフランはアヤメ科の多年草で、この赤い雌
#4399 頼みこし身はもののふの八幡山祈るちぎりは萬代までに
令和6年10月21日(月) 【旧 九月一九日 先負】寒露・蟋蟀在戸(きりぎりすとにあり)頼みこし身はもののふの八幡山祈るちぎりは萬代《よろづよ》までに ~北条氏康 『集外三十六歌仙』ご加護を頼みとしていた鶴岡八幡に武運の長久をお祈り申し上げます。Photo:北条氏康像
#4398 はらわたの熱くにがきをまづ啖らひ秋刀魚の命を味はふかなや
令和6年10月20日(日) 【旧 九月一八日 友引】寒露・蟋蟀在戸(きりぎりすとにあり)はらわたの熱くにがきをまづ啖《く》らひ秋刀魚の命を味はふかなや ~島田修三(1950-)『東洋の秋』Photo:久原本店 今年はニュースになるほどにサンマは豊漁だそうです。9月末までの水
#4397 いく月か机に置けるすずかけの実を捨てにけり紙につつみて
令和6年10月19日(土) 【旧 九月一七日 先勝】寒露・蟋蟀在戸(きりぎりすとにあり)いく月か机に置けるすずかけの実を捨てにけり紙につつみて ~落合けい子(1950-)『じゃがいもの歌』Photo:スズカケ(プラタナス)の実 ~Wikipedia 鈴懸《スズカケ》はスズカケノキ科
令和6年10月18日(金) 【旧 九月一六日 赤口】寒露・蟋蟀在戸(きりぎりすとにあり)夕月夜《ゆふづくよ》心もしのに白露の置くこの庭に蟋蟀《こほろぎ》鳴くも ~湯原王《ゆはらのおほきみ》 『万葉集』 巻8-1552 雑歌夕月の照る夜、心がしおれるように白露の置くこの庭に
#4395 ショパンより後に生まれし仕合に嬰ハ短調作品64番の2
令和6年10月17日(木) 【旧 九月一五日 大安】寒露・菊花開(きくのはなひらく)ショパンより後に生まれし仕合《しあはせ》に嬰ハ短調作品64番の2 ~宮英子(1917-2015)『幕間(アントラクト)』Photo:2010年、ショパン生誕200年に発行された20ズロチ紙幣 ~AFP News 今
#4394 心にもあらでうき世にながらへば恋しかるべき夜半の月かな
令和6年10月16日(水) 【旧 九月一四日 仏滅】寒露・菊花開(きくのはなひらく)心にもあらでうき世にながらへば恋しかるべき夜半の月かな ~三条院(976-1017)『後拾遺和歌集』 巻15-0860 雑歌一思いもよらずこの世に生き長らえたならば、いつか恋しく思い出すであろう、
#4393 高松のこの峰も狭に笠立てて満ち盛りたる秋の香のよさ
令和6年10月15日(火) 【旧 九月一三日 先負】寒露・菊花開(きくのはなひらく)高松のこの峰も狭《せ》に笠立てて満ち盛りたる秋の香のよさ ~作者未詳 『万葉集』 巻10-2233 雑歌高円山の峰も狭しとばかりに見事に茸の笠が開いているよ。満ち盛っているのは秋の香りの良
#4392 春の雨はいやしき降るに梅の花いまだ咲かなくいと若みかも
令和6年10月14日(月) 【旧 九月一二日 友引】寒露・菊花開(きくのはなひらく)春の雨はいやしき降るに梅の花いまだ咲かなくいと若みかも ~大伴家持(718-785) 『万葉集』 巻4-0786 相聞歌春雨はしきりに降っているものの、我が家の梅の花がまだ咲かないのはまだ若すぎ
#4391 ながらへて見るは憂けれど白菊のはなれがたきは此世なりけり
令和6年10月13日(日) 【旧 九月一一日 先勝】寒露・菊花開(きくのはなひらく)ながらへて見るは憂けれど白菊のはなれがたきは此世なりけり ~後鳥羽院 『後鳥羽院御集』 1762 生き長らえて見るのはつらいが、白菊のように離れがた
#4390 酒のめば水遁火遁忍術をなすといひしがついにせぬなり
令和6年10月12日(土) 【旧 九月一〇日 赤口】寒露・鴻雁来(こうがんきたる)旅に病んで夢は枯野をかけ廻る ~松尾芭蕉(1644-1694)辞世 俳聖松尾芭蕉が亡くなったのは元禄7年10月12日。今日は330年目の「芭蕉忌」です。桃青忌・時雨忌・翁忌などと呼ばれることもありま
#4389 わがゆけば男のにほひちかよると含羞草の葉を閉づるかも
令和6年10月11日(金) 【旧 九月九日 大安】寒露・鴻雁来(こうがんきたる)わがゆけば男のにほひちかよると含羞草《はにかみさう》の葉を閉づるかも ~北原白秋(1885-1942)『桐の花』Photo:含羞草(おじぎそう) ~むさしの自然観察園 北町ビオトープ 「含羞草」は普
#4388 荒たへの 藤井の浦に 鮪釣ると 海人船騒ぎ ……
令和6年10月10日(木) 【旧 九月八日 仏滅】寒露・鴻雁来(こうがんきたる)鰭強く吻ねゐし鮪の腸を抜く(ひれつよくはねいししびのわたをぬく) ~山口誓子(1901-1994) 余計なお世話だと存じましたが、五七五でリズムよくお読みいただくために、(かながき)もそえてお
#4387 まつ人にあらぬものから初雁のけさなくこゑのめづらしきかな
令和6年10月9日(水) 【旧 九月七日 先負】寒露・鴻雁来(こうがんきたる)まつ人にあらぬものから初雁のけさなくこゑのめづらしきかな ~在原元方 『古今和歌集』 巻4-0206 秋歌上私が待っている人ではなかったが、今朝鳴いた初雁の声は、まことに心惹かれるものだ。 在
#4386 朝の目覚めくつきりとして寒露なり黄菊白菊ひらきはじめぬ
令和6年10月8日(火) 【旧 九月六日 友引】寒露・鴻雁来(こうがんきたる)朝の目覚めくつきりとして寒露なり黄菊白菊ひらきはじめぬ ~喜夛隆子Photo:tenki.jp 今日は二十四節気の第17「寒露」。『暦便覧』には「陰寒の気に合つて露結び凝らんとすれば也」とあり、露が
#4385 モンブランひかりの中に並み立ちてわづかにちがふ栗のかたちは
令和6年10月7日(月) 【旧 九月五日 先勝】秋分・水始涸(みずはじめてかるる)モンブランひかりの中に並み立ちてわづかにちがふ栗のかたちは ~門脇篤史(1986-)『自傾』 ことスイーツに関しては栗は秋の味覚の代表といってもいいかもしれません。モンブランはもちろん
#4384 崖際に朱のカンナ燃ゆぎらぎらと危ふきものは炎の色に
令和6年10月6日(日) 【旧 九月四日 赤口】秋分・水始涸(みずはじめてかるる)崖際に朱のカンナ燃ゆぎらぎらと危ふきものは炎の色に ~武川忠一(1919-2012)『青釉』Photo:カンナ ~GARDEN STORY 今年の夏は本当に暑かったですね。10月に入っても真夏日が続いていまし
#4383 天国は天気がよいと呼ぶけれど地獄は仲間が多いから好き
令和6年10月5日(土) 【旧 九月三日 大安】秋分・水始涸(みずはじめてかるる)天国は天気がよいと呼ぶけれど地獄は仲間が多いから好き ~石田比呂志(1930-2011)『亡八』Photo:ジャック・オッフェンバック(1819-1880) ということで、今日10月5日はドイツのチェリスト
#4382 ももしきの大宮人の熟田津に船乗りしけむ年の知らなく
令和6年10月4日(金) 【旧 九月二日 仏滅】秋分・水始涸(みずはじめてかるる)ももしきの大宮人の熟田津に船乗りしけむ年の知らなく ~山部赤人(700?-736?)『万葉集』 巻3-0323ももしきの大宮人が熟田津《にきたづ》から出港した年はもう昔のことになってしまった。
#4381 秋の田の穂向きの寄れる片よりに我れは物思ふつれなきものを
令和6年10月3日(木) 【旧 九月一日 先負】秋分・水始涸(みずはじめてかるる)水田《こなた》に寄せたる秋の田の穂向きの寄れる片よりに我れは物思《ものも》ふつれなきものを ~作者未詳 『万葉集』 巻10-2247 相聞歌秋の田の稲穂が片方に靡くように、わたしはあなたを思
#4380 秋雨の庭は淋しも樫の実も落ちて泡だつそのにはたづみ
令和6年10月2日(水) 【旧 八月三〇日 先勝】秋分・蟄虫坯戸(むしかくれてとをふさぐ)秋雨の庭は淋しも樫の実も落ちて泡だつそのにはたづみ ~長塚節(1879-1915)Photo:シラカシのドングリ ~庭木図鑑 植木ペディア 「樫《カシ》」はブナ科の常緑高木の総称なので、地
令和6年10月1日(火) 【旧 八月二九日 赤口】秋分・蟄虫坯戸(むしかくれてとをふさぐ午前二時荷台にのって堂々と新幹線が通り過ぎてく ~福山詩織(川内南中学3年)「2021年度若山牧水青春短歌大賞」優秀賞 福山詩織さんは当時鹿児島県の中学生でしたからこれは新幹線の
#4378 彼岸花 水引草 鶏頭 緋の色のやや寂しきを秋と呼ぼうか
令和6年9月30日(月) 【旧 八月二八日 大安】秋分・蟄虫坯戸(むしかくれてとをふさぐ)肉たるむ鶏頭倦めり九月尽 ~有働亨(1920-2010)Photo:ケイトウ ~Plantia 九月も今日で終わり。さすがに35℃以上の猛暑日は影を潜めて、やっと秋の兆しを感じる程度になってきまし
#4377 瓜食めば 子ども思ほゆ 栗食めば まして偲はゆ ……
令和6年9月29日(日) 【旧 八月二七日 仏滅】秋分・蟄虫坯戸(むしかくれてとをふさぐ)瓜食《うりは》めば 子ども思ほゆ 栗食めば まして偲《しぬ》はゆ 何処《いずく》より 来りしものそ 眼交《まなかひ》に もとな懸《かかり》て 安眠《やすい》し寝《な》さぬ ~
#4376 秋の夜は露こそことに寒からし草むらごとに虫のわぶれば
令和6年9月28日(土) 【旧 八月二六日 先負】秋分・蟄虫坯戸(むしかくれてとをふさぐ秋の夜は露こそことに寒からし草むらごとに虫のわぶれば ~詠み人しらず 『古今和歌集』 巻4-0199 秋歌上秋の夜は寒く、露はとくに寒いのだろう。露の下りた草むらごとに虫が侘びしく鳴
#4375 空を突く岩に照る日のてりかへし谷のひかげのみ雪を照らす
令和6年9月27日(金) 【旧 八月二五日 友引】秋分・雷乃収声(かみなりすなわちこえをおさむ)御嶽に遊ぶ空を突く岩に照る日のてりかへし谷のひかげのみ雪を照らす ~三井甲之(1883-1953)Photo:噴火の犠牲になられた野口泉水さんが撮影 ~withnews 詞書にある「御岳」
#4374 蟾蜍幽霊のごと啼けるあり人よほのかに歩みかへさめ
令和6年9月26日(木) 【旧 八月二四日 先勝】秋分・雷乃収声(かみなりすなわちこえをおさむ)蟾蜍《ひきがへる》幽霊のごと啼けるあり人よほのかに歩みかへさめ ~北原白秋(1885-1942)『桐の花』 2025年後期のNHK連続テレビ小説(朝ドラ)はラフカディオ・ハーンの妻小
#4373 秋分のおはぎを食へば悲しかりけりわが仏なべて満洲の土
令和6年9月25日(水) 【旧 八月二三日 赤口】秋分・雷乃収声(かみなりすなわちこえをおさむ)秋分のおはぎを食へば悲しかりけりわが仏なべて満洲の土 ~山本友一(1910-2004)Photo:おはぎ ~cake.jp 今日は秋の「彼岸の明け」。もう、皆さんはご存知でしょうけど、お萩
令和6年9月24日(火) 【旧 八月二二日 大安】秋分・雷乃収声(かみなりすなわちこえをおさむ)路の辺の壱師の花の灼然《いちしろ》く人皆知りぬ我が恋妻を ~柿本人麻呂歌集 『万葉集』 巻11-2480 寄物陳思道端の壱師の花が目立つように、私の恋しい妻のことを みんなに
#4371 いなづまはかげろふばかり有し時秋のたのみは人しりにけり
令和6年9月23日(月) 【旧 八月二一日 仏滅】秋分・雷乃収声(かみなりすなわちこえをおさむ)いなづまはかげろふばかり有し時秋のたのみは人しりにけり ~詠み人しらず 『古今和歌六帖』 第1-0816稲妻がかげろうのようにほんの一瞬光った時、秋の逢瀬などどれほどのものか
#4370 秋の夜を長しと言へど積りにし恋を尽くせば短くありけり
令和6年9月22日(日) 【旧 八月二〇日 先負】秋分・雷乃収声(かみなりすなわちこえをおさむ)秋の夜を長しと言へど積りにし恋を尽くせば短くありけり ~作者未詳 『万葉集』 巻10-2303 相聞歌秋の夜は長いと言うけれど積もる恋を尽くせば短いものですね。Photo:秋の夜明
#4369 伊勢の海の白水郎の島津が鰒玉とりての後もか恋の繁けむ
令和6年9月21日(土) 【旧 八月一九日 友引】白露・玄鳥去(つばめさる)伊勢に来たからは薄暑の伊勢うどん ~飯島晴子(1921-2000) 秋の正倉院展と年末の伊勢参りはここ10年以上にわたって私の恒例行事になっています。神宮では外宮近くの伊勢うどんを食べること。これ
#4368 鷺のとぶ川辺のほたてくれなゐに夕日さびしき秋の水かな
令和6年9月20日(金) 【旧 八月一八日 先勝】白露・玄鳥去(つばめさる)鷺のとぶ川辺のほたてくれなゐに夕日さびしき秋の水かな ~藤原家良(1192-1264)『新撰六帖題和歌』 第6-2086鷺が飛ぶ川岸に咲く穂蓼《ほたで》の花が赤く夕日に染まってすっかり寂しい秋の水辺にな
#4367 足たたば北インヂヤのヒマラヤのエヴェレストなる雪食はましを
令和6年9月19日(木) 【旧 八月一七日 赤口】白露・玄鳥去(つばめさる)毎年よ彼岸の入に寒いのは ~正岡子規(1867-1902)『子規句集』Photo:正岡子規終焉の地「子規庵」(東京都台東区根岸)~写真日記 今年の秋分は9月22日。秋のお彼岸はこの日を中日として前後3日間
#4366 瓢箪のくびれさすりてうつしみはけむりのごとく吸ひこまれゆく
令和6年9月18日(水) 【旧 八月一六日 大安】白露・玄鳥去(つばめさる)瓢箪のくびれさすりてうつしみはけむりのごとく吸ひこまれゆく ~内藤明(1954-)『海界の雲』 この瓢箪は『西遊記』に出てくる魔王、金閣・銀閣の持つヒョウタン「紫金紅葫蘆《しきんこうころ》」
#4365 里は荒れてつばめならびし梁の古巣さやかに照らす月かげ
令和6年9月17日(火) 【旧 八月一五日 仏滅】白露・玄鳥去(つばめさる)里は荒れてつばめならびし梁《うつばり》の古巣さやかに照らす月かげ ~木下長嘯子(1569-1649)『挙白集』古里は荒れていて燕が並んでいた家の梁は今では空っぽの古巣をはっきりと月の光が照らして
#4364 いにしへゆ人の言ひける老人の若変といふ水ぞ名に負ふ瀧の瀬
令和6年9月16日(月) 【旧 八月一四日 先負】白露・鶺鴒鳴(せきれいなく)いにしへゆ人の言ひける老人《おいひと》の若変《をつ》といふ水ぞ名に負ふ瀧の流れ瀬 ~大伴東人《あづまと》 『万葉集』 巻6-1034 雑歌これが昔から言い伝えられている老人を若返らせるという、
令和6年9月15日(日) 【旧 八月一三日 友引】白露・鶺鴒鳴(せきれいなく)治まれるやまとの國に咲き匂ふいく萬代《よろづよ》の花の春風 ~徳川家康(1543-1616)『戦国時代和歌集』 徳川家康が亡くなった元和2(1616)年、駿府で詠んだ和歌です。Photo:自民党総裁選立
#4362 瀬を早み岩にせかるる滝川のわれても末にあはむとぞ思ふ
令和6年9月14日(土) 【旧 八月一二日 先勝】白露・鶺鴒鳴(せきれいなく)瀬を早み岩にせかるる滝川のわれても末にあはむとぞ思ふ ~崇徳院 『詞花和歌集』 巻7-0229 恋歌上川の瀬が岩にぶつかった滝川の水が一度別れてしまっても、まためぐり逢ってひとつになるのだと
#4361 神様は君を選んで殺さない君を選んで生かしもしない
令和6年9月13日(金) 【旧 八月一一日 赤口】白露・鶺鴒鳴(せきれいなく)枯れし苑磔刑の釘錆流す ~山口誓子(1901-1994)Photo:『イーゼンハイム祭壇画』 (マティアス・グリューネヴァルト) Wikipedia イエス・キリストが磔刑に処されたのが13日の金曜日であること
#4360 いしたたきちさきめうとの頬を寄せて啼くよ浅瀬の白石のうへに
令和6年9月12日(木) 【旧 八月一〇日 大安】白露・鶺鴒鳴(せきれいなく)いしたたきちさきめうとの頬を寄せて啼くよ浅瀬の白石のうへに ~若山牧水 (1885-1928)『砂丘』Photo:ハクセキレイ ~tenki.jp 今日は二十四節気「白露」の次候、七十二候の第44候「鶺鴒鳴(
#4359 名にし負はば逢坂山のさねかづら人に知られでくるよしもがな
令和6年9月11日(水) 【旧 八月九日 仏滅】白露・草露白(くさのつゆしろし)名にし負はば逢坂山のさねかづら人に知られでくるよしもがな ~藤原実方(873-932)『後撰和歌集』 巻11-0700 恋歌三逢坂山のさねかづらではないが、その名のように、人知れず蔓を手繰り寄せてあ
#4358 月草のうつろひやすく思へかも我が思ふ人の言も告げ来ぬ
令和6年9月10日(火) 【旧 八月八日 先負】白露・草露白(くさのつゆしろし)月草のうつろひやすく思へかも我が思ふ人の言《こと》も告げ来ぬ ~大伴坂上大嬢 『万葉集』 巻4-0583 相聞歌露草のように移り気だからですか。私が想う人は言葉もかけてくれないのは。Photo:ツ
#4357 露ながら折りてかざさむ菊の花老いせぬ秋のひさしかるべく
令和6年9月9日(月) 【旧 八月七日 友引】白露・草露白(くさのつゆしろし)露ながら折りてかざさむ菊の花老いせぬ秋のひさしかるべく ~紀友則(850-904)『古今和歌集』 巻5-0270 秋歌下露の置いた菊の花を手折って髪に挿頭しましょう老いることのない年が続くように。Ph
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令和6年12月16日(月) 【旧 一一月一六日 友引】 大雪・「鮭魚群(さけのうおむらがる)」くれてゆく年の道さへみゆるかとおもふてばかりにてる月夜かな ~樋口一葉(1872-1896) 今夜、お天気が良ければ今年最後の満月が見られる日。空気が済んでいれば月齢14.9のほぼま
令和6年12月15日(日) 【旧 一一月一五日 先勝】 大雪・「熊蟄穴(くまあなにこもる)」年暮れて我が世ふけゆく風のおとに心のうちのすさまじきかな ~紫式部 『玉葉和歌集』 巻6-1036 冬歌年が暮れて、私もまた年を取るのだと思いつつ、夜更けの風の音を聞いていると、心
令和6年12月14日(土) 【旧 一一月一四日 赤口】 大雪・「熊蟄穴(くまあなにこもる)」松に月義士討入の日なりけり ~安住敦(1907-1988) 元禄15年12月14日(1703年1月31日)は赤穂浪士が本所吉良邸に討ち入った日。したがってこの俳句では「討ち入りの日」が冬の季語に
令和6年12月13日(金) 【旧 一一月一三日 大安】 大雪・「熊蟄穴(くまあなにこもる)」太き骨は先生ならむそのそばに小さきあたまの骨あつまれり ~正田篠枝 『さんげ』Photo:12月10日 ノーベル平和賞授賞式でスピーチする日本被団協の田中熙巳さん ~HUFFPOST 正田篠枝
令和6年12月12日(木) 【旧 一一月一二日 仏滅】 大雪・「熊蟄穴(くまあなにこもる)」ペースメーカー埋めしわれが大歳にポインセチアの水遣りてゐる ~篠弘(1933-2022)『軟着陸』 「大歳《おおとし》」とは大晦日のこと。ポインセチアの鉢植えはクリスマスを前にした
令和6年12月11日(水) 【旧 一一月一一日 先負】 大雪・「熊蟄穴(くまあなにこもる)」荒熊の棲むとふ山の師歯迫山《しはせやま》責めて問ふとも汝《な》が名は告《の》らじ ~作者未詳 『万葉集』 巻11-2696 寄物陳思荒々しい熊が棲むと言う師歯迫山の名のように、いく
令和6年12月10日(火) 【旧 一一月一〇日 友引】 大雪・「閉塞成冬(そらさむくふゆとなる)」嵐山夕べ淋しく鳴る鐘にこぼれそめてし木々の紅葉 ~坂本直柔《なおなり》(1836-1867) 坂本直柔は坂本龍馬の諱《いみな》です。大政奉還から約一月後の慶応3年11月15日に京都
令和6年12月9日(月) 【旧 一一月九日 先勝】 大雪・「閉塞成冬(そらさむくふゆとなる)」河豚鍋も鮟鱇鍋もせずに久しどうでもよいかそれはいけない ~馬場あき子(1928-)『太鼓の空間』Photo:あんこう ~Sushi sKool K(慶) 寒くなってくると鍋料理が恋しくなってき
令和6年12月8日(日) 【旧 一一月八日 赤口】 大雪・「閉塞成冬(そらさむくふゆとなる)」遠い時間の十二月八日には触れずけふ十二月八日のひぐれ ~志垣澄幸(1934-)『山河 志垣澄幸歌集』 歌人志垣澄幸氏は昭和9年台北市生まれ。敗戦後、母の故郷である宮崎に戻り教職
令和6年12月7日(土) 【旧 一一月七日 大安】 大雪・「閉塞成冬(そらさむくふゆとなる)」大口の真神原《まがみがはら》に降る雪はいたくな降りそ家もあらなくに ~舎人娘子《とねりのをとめ》 『万葉集』 巻8-1636 雑歌大口の真神原に降る雪よ、ひどく降らないでおくれ。
令和6年12月6日(金) 【旧 一一月六日 仏滅】 小雪・「橘始黄(たちばなはじめてきばむ)」ぬばたまの夜霧は立ちぬ衣手の高屋の上にたなびくまでに ~舎人皇子《とねりのみこ》(676-735) 『万葉集』 巻9-1706 雑歌ぬばたまのような漆黒の夜に霧が立ちこめている。高屋の
令和6年12月5日(木) 【旧 一一月五日 先負】 小雪・「橘始黄(たちばなはじめてきばむ)」冷やかにモーツァルトのト短調 ~稲畑廣太郎(1957-) 12月5日。今年もW.A.モーツァルト(1756-1791)の命日にちなんだ俳句と短歌を探してきました。「モーツァルトのト短調」と聞
令和6年12月4日(水) 【旧 一一月四日 友引】 小雪・「橘始黄(たちばなはじめてきばむ)」時雨の雨染めかねてけり山城の常盤の杜の真木の下葉々 ~能因法師(988-1050)『新古今和歌集』 巻6-0577 冬歌しぐれの雨も木々を染めるのは難しいようだ。山城の常盤の森の葉は。P
令和6年12月3日(火) 【旧 一一月二日 先勝】 小雪・「橘始黄(たちばなはじめてきばむ)」晩秋の束の間を咲くむらさきの皇帝ダリアは華やぎ見する ~林芙美子(1903-1951) 一般的なダリアと違って皇帝ダリアの茎は太く、草木ですが樹木のように5~6m前後まで成長します
令和6年12月2日(月) 【旧 一一月二日 赤口】 小雪・「橘始黄(たちばなはじめてきばむ)」橘の黄の小さきは右近かな ~吉田鴻司(1918-2005) 京都御所内裏の紫宸殿正面に植えられた左近の桜と右近の橘。言うまでもありませんがこの左・右は左大臣・右大臣の席と同じく天
令和6年12月1日(日) 【旧 一一月一日 大安】 小雪・「朔風払葉(きたかぜこのはをはらう)」逃れえぬわが奈良すでに師走なる啾々《しうしう》と夜を怨霊のこゑ ~前川佐美雄(1903-1990) 『松杉』Photo:夜の東大寺大仏殿 ~なら瑠璃絵より いよいよ歳末12月。今年も
令和6年11月30日(土) 【旧 一〇月三〇日 先負】 小雪・「朔風払葉(きたかぜこのはをはらう)」衣手にあらしの吹きて寒き夜を君来まさずはひとりかも寝む ~作者未詳 『万葉集』 巻13-3282 相聞歌衣の袖に嵐の風が吹きこむような寒い夜を、貴方がおいでにならないのでわた
令和6年11月29日(金) 【旧 一〇月二九日 友引】 小雪・「朔風払葉(きたかぜこのはをはらう)」だんだんに無感覚となる報道はウクライナからガザに移れど ~渡英子 『短歌』 2024年2月号 1977年12月の国連決議において、今日11月29日を「パレスチナ人民連帯国際デー」が
令和6年11月28日(木) 【旧 一〇月二八日 先勝】 小雪・「朔風払葉(きたかぜこのはをはらう)」山里は冬ぞ寂しさまさりける人目も草もかれぬと思へば ~源宗于(?-939) 『古今和歌集』 巻6-0315 冬歌山里では冬こそ寂しさがつのるものだ。人の訪れも離《か》れ 草木も枯
令和6年11月27日(水) 【旧 一〇月二七日 赤口】 小雪・「朔風払葉(きたかぜこのはをはらう)」枝はなれ地のものとなるくれなゐに染み極まりて照れる楓葉 ~窪田空穂(1877-1967)『老槻の下』Photo:枯れ葉が舞う風景 ~photoAC(BLUEAMBERさん) 今日は二十四節気「小
令和5年12月17日(日) 【旧 一一月五日 先負】・大雪 鮭魚群(さけのうおむらがる)雪の朝独り干鮭を噛み得タリ ~松尾芭蕉(1644-1694)Photo:鮭の遡上 ~ととクル 今日は七十二候の第63候「鮭魚群(さけのうおむらがる)」。川で産まれ海で大きく育った鮭が産卵のために群
令和5年12月16日(土) 【旧 一一月四日 友引】・大雪 熊蟄穴(くまあなにこもる)何もかも日本と異なる異なりを確認しをりニューヨークにて ~今泉由利Photo:miyanova 今から130年前、1893年12月16日にニューヨークのカーネギーホールで初演されたのがアントニン・ドヴォル
令和5年12月15日(金) 【旧 一一月三日 先勝】・大雪 熊蟄穴(くまあなにこもる)街路樹の根元根元を照らしゐしポインセチアもいつか抜かれぬ ~三國礼子(1896-1976)『晨《あした》の雪』青森Photo:ポインセチア ~マチュアリスト 紅葉の季節が終わってクリスマスのシー
令和5年12月14日(木) 【旧 一一月二日 赤口】・大雪 熊蟄穴(くまあなにこもる)名にしおふ今宵の空の月かげはわきていとはんうき雲もなし ~吉良義央(1641-1703)Photo:歌川広重「忠臣蔵 夜討三 本望」静岡市東海道美術館蔵 ~Artagenda 「赤穂事件」とはおそらく江戸
令和5年12月13日(水) 【旧 一一月一日 大安】・大雪 熊蟄穴(くまあなにこもる)駅員のつもりで母はベゴニアの世話をしている無人駅にて ~袴田朱夏 NHK短歌2019年7月号(佐伯裕子選)Photo:フォーチューンベゴニア(黄色)とベゴニア・センバフローレンス(赤)12月11日撮
令和5年12月12日(火) 【旧 一〇月三〇日 先負】・大雪 熊蟄穴(くまあなにこもる)熊の糞青光る野の寒さ哉 ~中川宋淵(1907-1984)Photo:あにまるじゃんくしょん 今日は七十二候の第62候「熊蟄穴(くまあなにこもる)」。二十四節気「大雪」の次候にあたります。俳人中川宋
令和5年12月11日(月) 【旧 一〇月二九日 友引】・大雪 閉寒成冬(そらさむくふゆとなる)理髪店出できてわれの不思議さよ明日は狐を飼ふかもしれず ~小中英之(1937-2001)『過客』Photo:散髪屋SUN 最近は店先に赤・青・白のくるくる回る看板を置いている散髪屋さんをあ
令和5年12月10日(日) 【旧 一〇月二八日 先勝】・大雪 閉寒成冬(そらさむくふゆとなる)思ひきや東の国にわれ生《あ》れてうつつに今日の日にあはんとは ~湯川秀樹(1907-1981)『湯川秀樹歌文集』Photo:ノーベル賞のメダル(ストックホルム市庁舎蔵)~毎日新聞HP 「今
令和5年12月9日(土) 【旧 一〇月二七日 赤口】・大雪 閉寒成冬(そらさむくふゆとなる)神無月はるの光か晴るる江の南にめぐる空の日影も ~武者小路実陰(1661-1738)『芳雲集』神無月に春の光であろうか。晴れ渡る長江の南に巡る空の光もこうであったろう。Photo:長江(
令和5年12月8日(金) 【旧 一〇月二六日 大安】・大雪 閉寒成冬(そらさむくふゆとなる)十二月八日の霜の屋根幾万 ~加藤楸邨(1905-1993)Photo:窓の結露 ~photoAC(カメラ日和さん) 12月8日は今年の農事などの雑用をしまう「事納め」の日。地方によってはこの日に「
令和5年12月7日(木) 【旧 一〇月二五日 仏滅】・大雪 閉寒成冬(そらさむくふゆとなる)高山の巌に生ふる菅《すが》の根のねもころごろに降り置く白雪 ~橘諸兄《たちばなのもろえ》(684-757)『万葉集』 巻20-4454高い山の岩に生えている菅の根のようにねんごろに降り積も
令和5年12月6日(水) 【旧 一〇月二四日 先負】・小雪 橘始黄(たちばなはじめてきばむ)枯れまじとして磯菊の枯るるかな ~清崎敏郎(1922-1999)Photo:磯菊(伊豆下田爪木崎)~四季の花散歩 晩秋の季語となっている磯菊《イソギク》の花が咲くのは10月から12月頃まで。
令和5年12月5日(火) 【旧 一〇月二三日 友引】・小雪 橘始黄(たちばなはじめてきばむ)女《め》の孫がステージに弾く即興のレクイエム涙あふれつつ聞く ~松田佐津子 『即興のレクイエム』Photo:『モーツァルトの死』(ベルンハルト・パウムガルトナー画) 古今東西のあ
令和5年12月4日(月) 【旧 一〇月二二日 先勝】・小雪 橘始黄(たちばなはじめてきばむ)救われてわれは生きたし凍原に異性のような落葉松が見ゆ ~道浦母都子《みちうらもとこ》(1947-)『花やすらい』Photo:カラマツの黄葉 ~秋から冬へ~ 富良野観光物語 落葉松《カラ
令和5年12月3日(日) 【旧 一〇月二一日 赤口】・小雪 橘始黄(たちばなはじめてきばむ)家康に過ぎたるものは二つあり唐《から》の頭《かしら》に本多平八 ~小杉左近(武田信玄の近習)家康の身の程に過ぎたものが二つある。唐の頭と本多平八郎だ。 「唐の頭」とはヤクの
令和5年12月2日(土) 【旧 一〇月二〇日 大安】・小雪 橘始黄(たちばなはじめてきばむ)橘の下吹く風のかぐはしき筑波の山を恋ひずあらめかも ~占部廣方 『万葉集』 巻20-4371橘の木の下を吹く風が香しい筑波の山を懐かしく思わずにいられようか。Photo:橘の実 ~tenki.j
令和5年12月1日(金) 【旧 一〇月一九日 仏滅】・小雪 朔風払葉(きたかぜこのはをはらう)極月の水にしづめる青砥石引上げて砥ぐ霜の柳刃 ~馬場あき子(1928-)『雪木』Photo:12月の天王寺公園とあべのハルカス ~Holiday 「極月《ごくつき》」は一年が極まる月、すなわ
令和5年11月30日(木) 【旧 一〇月一八日 先負】・小雪 朔風払葉(きたかぜこのはをはらう)雪待月その幽《かそ》けきを鴨なけり ~加藤秋邨(1905-1993)Photo:カルガモ ~水前寺江津湖公園スタッフブログ 11月は今日でおしまい。11月の異称として「霜月」はよく知られて
令和5年11月29日(水) 【旧 一〇月一七日 友引】・小雪 朔風払葉(きたかぜこのはをはらう)霜月の濡れ落ち葉蹴る子どもらの通学の路咳《しはぶ》きひとつ ~林龍三(1952-)『塔』2015年1月号Photo: FREEP!K 11月も今日を含めてあと2日、まさに今が紅葉の見頃です。色
令和5年11月28日(火) 【旧 一〇月一六日 先勝】・小雪 朔風払葉(きたかぜこのはをはらう)明日ありと思う心の仇桜夜半に嵐の吹かぬものかは ~親鸞(1173-1263)明日の命があると思う心が仇になるのです。桜も夜半の嵐で散ってしまうかも知れないだろう。Photo:親鸞聖人影