「魔法が効かない人間なんて初めてだから、龍の力がどうなるか知りたかったのよね!」「そうだな」「そうだね」 ミドリの言葉にサブローもリョクも同意した。「どうかしら?ツバサ、何か変化はある?」「いや、特に何も……」 俺自身では何の変化もないよう
「龍族には本来名前はないの。龍族同士の会話には必要ないのよ。龍の名前は人間が私達を呼ぶためのものよ」「へー。龍同士の会話に名前はいらないんだ」 名前がないと不便じゃないのかな? おい!お前!とかそんな感じで呼び合うのだろうか。「もちろん、名
「あ、おはようございます。はじめまして。俺はツバサ。人間です!」 人間ですって挨拶はなんか変だよな。 人間か龍かなんて話をしていたから、なんか焦って変な挨拶になってしまった。「あら。はじめまして。龍の言葉がお上手ね。私はミドリ。昨日の夜から
「ツバサ、起きろ!」 大きな声が部屋の中に響いた。同時に天井が明るくなった。「う、うん?ハッ!ここは…どこだ?」 俺はベッドから起き上がって部屋の中を見回した。 見覚えのない部屋に戸惑った。 寝ぼけた頭が少しずつはっきりしてくると、昨日の出
「俺は魔法も龍も存在しないところに住んでいました。山から転落して気がついたらこの国にいたんです。」「ふむ。魔法も龍も存在しない国から来たというのか?なのに龍の言葉を話し、龍のように機敏に動く。龍の力を持つ人間から魔力を消したような存在という
この世界と元の世界の大きな違いは「魔法」と「龍」だ。 言葉も違う。けれどなぜか龍や龍使いには日本語が通じる。 これ以外にも違いがたくさんあるはずだ。 もし日本に帰れないのなら、頑張って適応するしかない!「あぁ、これから大変だなぁ…」 とつ
ユイが村長の家の扉を叩くと、す~っと扉が開いた。 ユイに従って家の中に入った。靴は脱がなくていいようだ。 照明器具などは見当たらないのに家の中が明るい。 そのまま奥の部屋に向かうと、また自動的に扉が開いた。 入り口の扉も明かりも部屋の扉も
坂を下ったところに集落が見えた。「あれがコルフ村か…」 ユイとリョク達が暮らしている村だ。 村のすぐそばには森があり、集落を挟んで森の反対側には広い草原が広がっている。 少し平坦になっている部分の森を切り開いて作った村なのだろう。 村は
龍と一緒に歩いた。 不思議な感じだ。 ユイは疲れきったらしく、龍の首元に乗せてもらっている。 ユイの事は心配だけど、少しうらやましい。俺も龍に乗ってみたい。 先程の広場から道が伸びていた。 舗装されてはいないけど、踏み固められているので歩
少し混乱してキョロキョロしていると、今度は少女が叫んだ。「pgjmwjati@ntj@g!」 何か言ってる。けれど言葉がわからない。 首を傾けて言葉がわからないことを伝えてみる。 すると…「オイ、お前、来い!」 今度は日本語だ! なんだ、
それからしばらくの間、静かにのぞいていた。 相変わらず少女と戦闘員の一人は言い争っている。 しばらくすると、恐竜(なんと呼んでいいのかわからないのでそう呼ぶことにする)の目が動いた! 閉じていた瞼がゆっくりと開く。 瞳の色は黒ではなく、体
もし本当にここが青木ケ原樹海だったとしたら……。 樹海の噂は俺だって知っている。 一度入ったら出られないとか、コンパスが使えないとか、自殺者が迷った挙句に最後に行き着く場所だとか……俺も死ぬんだろうか?「落ち着け!」 大きな声で叫んでみた
何度も何度も転がり落ちた記憶がある。 なのに無事なのは単なる幸運か、それとも普段からテニスで体を鍛えているからか……。「ふぅ……。助かってよかった」 思わすそうつぶやいて、うつ伏せになった状態からなんとか立ち上がることができた。 大きな怪
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