★★★☆☆
あらすじ
人類が誕生するよりもはるか昔。宇宙探査をしていた異星人の男は、恐竜時代の地球に不時着してしまう。93分。
感想
タイトルだけでは全くどんな内容の映画か分からなかったが、6500万年前の恐竜時代の地球に不時着した異星人の物語だった。この異星人は、ほぼ地球のような星で生まれて、ほぼ人間のような姿かたちをしている。主人公である彼が、恐竜と戦いながら故郷へ帰るために奮闘する姿が描かれていく。
普通に地球人を恐竜時代に登場させようとすると、タイムスリップだのなんだのとややこしい設定を用意しなければいけないので、この方式は上手いやり方かもしれない。異星人にとっての「エイリアン」みたいなものになっている。
主人公と恐竜の戦いはなかなか迫力があり、見ごたえがある。最初のコンタクトは、恐竜が不意に現れて驚かす飛び上がってしまうようなシーンで、ドキドキとさせられた。終盤になるにつれて登場する恐竜のサイズが大きくなり、攻撃も激しく執拗なものになっていくのはご都合主義的だが、盛り上げるためには仕方がないのかもしれない。
恐竜との戦いの他にもう一本の柱として、主人公と共に行動することになった少女とのドラマが用意されている。不時着で両親を失った少女と、この宇宙探査で留守中に娘を失った主人公が、心の交流を手絆を深めていく様子が描かれる。
これは物語に厚みを与える要素のつもりだったのだろうが、正直邪魔だった。ハラハラドキドキする恐竜との闘いとは相性が悪い。しかも互いに言葉が通じない設定になっているのがまた面倒くさかった。余計な要素は付け加えずに、単純に小さな相棒として共に戦うだけで良かったような気がする。
変にヒューマンドラマを混ぜ込まない、シンプルな娯楽作品として見たかったなと思ってしまう映画だ。惜しい。
スタッフ/キャスト
監督/脚本 スコット・ベック/ブライアン・ウッズ
製作 サム・ライミ/デビー・リーブリング/ザイナブ・アジジ/スコット・ベック/ブライアン・ウッズ
出演 アダム・ドライバー/アリアナ・グリーンブラット/クロエ・コールマン