作品一覧
-
4.3※この商品はタブレットなど大きいディスプレイを備えた端末で読むことに適しています。また、文字だけを拡大することや、文字列のハイライト、検索、辞書の参照、引用などの機能が使用できません。 ※この商品は紙の書籍のページを画像にした電子書籍です。文字だけを拡大することはできません。 “どこにでもある眺めとここにしかない眺めが交錯する” これまで取りこぼしてきた日々の感情を忘れないために短歌を詠む、人気歌人・岡野大嗣さん初の短歌×散文集です。 さまざまな場所をテーマに、 短歌を詠むときのまなざしから生まれた散文とたね(短歌が出来上がる前のメモ)、150首の短歌をもとに、〈夏のとある街〉を作りました。 今まさにその場所にいるような、その場所とつながっているような感覚になれる新しい本。 さまざまな場所と出合いなおすことで、 短歌と散文、感情が響き合って、懐かしさとともに新しい風景があふれだします。 ぜひ、短歌の世界と歌人のまなざしを追体験しながら うたとたねをヒントに、夏のとある街の地図を心に描いてお楽しみください。 ※装画・挿絵:中村一般さん <岡野大嗣さんよりコメント全文> タイトルに「夏休み」と入れておきながら僕は、夏があまり得意ではありません。 命の危険を感じる暑さからも、ただ生き延びることにやたらと意味を浴びせてくる光からも、なるべく距離を置いていたい。 でも、夏にふと感じる、ほっとするようなさびしさとは握手をしたくなります。 暑さを逃れて立ち寄った本屋さんで迎えてくれる涼しいインクのにおい。信号待ちの日傘に感じるなつかしい気配。 図書館の片隅で空調の音に包まれてめくられるページの響き。 この本には、そんなさびしさが集まっています。 時間はたっぷり百年用意しました。 いくらでものんびりと、この街で涼んでいってくださいね。
-
-新シリーズ創刊!最注目の歌人10名による書き下ろしの新作短歌アンソロジー歌集。 榊原紘 伊藤紺 千種創一 柴田葵 堂園昌彦 谷川電話 吉田恭大 菊竹胡乃美 宇都宮敦 初谷むい 【収録作品】 榊原紘「Classic」 伊藤紺「雪の匂い」 千種創一「White Train」 柴田葵「おさしみ」 堂園昌彦「春は水さえとろけさせる」 谷川電話「夢を縫う、たき火を保つ」 吉田恭大「フェイルセーフ」 菊竹胡乃美「火のぬいぐるみ」 宇都宮敦「羊毛期の到来(ウール、ウール、ウール)」 初谷むい「天国紀行」 【目次】 榊原紘 Classic 伊藤紺 雪の匂い 千種創一 White Train 柴田葵 おさしみ 堂園昌彦 春は水さえとろけさせる 谷川電話 夢を縫う、たき火を保つ 𠮷田恭大 フェイルセーフ 菊竹胡乃美 火のぬいぐるみ 宇都宮敦 羊毛期の到来(ウール、ウール、ウール) 初谷むい 天国紀行 執筆者プロフィール 【著者】 榊原紘 1992年愛知県生まれ。奈良県在住。第2回笹井宏之賞大賞受賞。2020年、第一歌集『悪友』刊行。ゆにここオンラインカルチャースクールで「推しと短歌」の講師を務める。短詩集団「砕氷船」の一員。 伊藤紺 歌人。1993年生まれ。横浜在住。著書に歌集『肌に流れる透明な気持ち』『満ちる腕』(いずれも短歌研究社)、ミニ歌集『hologram』(CPcenter)。 千種創一 1988年愛知県生まれ。2015年、『砂丘律』。2016年、日本歌人クラブ新人賞、日本一行詩大賞新人賞。2020年、『千夜曳獏』。2021年、現代詩「ユリイカの新人」に選出。2022年、『イギ』、ちくま文庫版『砂丘律』。 柴田葵 歌人、ライター。第2回石井僚一短歌賞次席。第1回笹井宏之賞大賞受賞により、第一歌集『母の愛、僕のラブ』(書肆侃侃房)を出版。東京都在住。身長164センチ。 堂園昌彦 1983年東京都生まれ。早稲田短歌会を経て、現在、短歌同人誌「pool」所属。2013年、第一歌集『やがて秋茄子へと到る』(港の人)刊行。ブログに歌書紹介サイト「短歌のピーナツ」。 谷川電話 1986年愛知県生まれ。2014年、角川短歌賞を受賞。歌集に『恋人不死身説』(2017年、書肆侃侃房)、『深呼吸広場』(2022年、書肆侃侃房)。 吉田恭大 1989年鳥取県生まれ。「塔短歌会」「早稲田短歌会」で短歌を学ぶ。2019年第一歌集『光と私語』(いぬのせなか座)を刊行。同年より詩歌の一箱書店「うたとポルスカ」を運営。 菊竹胡乃美 1995年福岡県生まれ。2015年から短歌を始める。第一歌集『心は胸のふくらみの中』(書肆侃侃房、2023年)。 宇都宮敦 1974年千葉県生まれ。歌集『ピクニック』(2018年、現代短歌社)。ブログ「Waiting for Tuesday」(https://blog.goo.ne.jp/utsuno)。 初谷むい 1996年生まれ、札幌市在住。第一歌集『花は泡、そこにいたって会いたいよ』(書肆侃侃房、2018年)、第二歌集『わたしの嫌いな桃源郷』(書肆侃侃房、2022年)。
ユーザーレビュー
-
Posted by ブクログ
全然わからない。
何が書いてあるのか。
何を詠んでいるのか。
岡野大嗣さんって、もっとわかりやすい歌を詠まれていた気がするのだけど。
とても不思議な世界観の本。
既定の型にはまらない作品集。
タイトルからして不思議です。
「うたたねの地図」~百年の夏休み
散文も、詩でもないし、エッセイでもないし、小説でもない。
何なんだろう、これは…。
一番初めに載っていた歌だけはキャッチコピーのようにわかりやすいのですが、あとは全然わかりません。
一番最初の歌と、わからないけどいいと思ったものをいくつか載せます。
<夏という季節がかつてありまして終わりをさびしがるものでした>
<すこし寝たらすっき -
Posted by ブクログ
#岡野大嗣 #短歌
生活のちょっとした場面がドラマのワンシーンのように蘇る。平易な言葉で優しい眼差しが伝わる。
バンド活動もされているから音楽に関する歌は特に好き。外来語カタカナや身近な店名が効果的、一コマ空ける効果も活かされていてじんわり沁みとおる。
装丁は名久井直子さん、写真は岡野さん自身で閉じこみが幾つかあるのも楽しめる。
特に気になった歌を抜粋
うしろから3曲目?のやつよかったね お互いおぼろげを泳ぎつつ
いま買ったレコードを見る 出てすぐの階段の夕日の踊り場で
あなたとは次の90年代を巡ってもいいラジカセ掲げて
注文に声を張れない3人で2回に1回は通らない
隠しごとを打ち