じゃがいもさんのレビュー一覧

意表つくバイオレンス作品

凄まじいほど意表つくバイオレンス作品である。売れる作品の常として、冒頭十数ページほどの間で読者の心を掴む必要があるのだが、この作品はまさにその通りの出来である。
「痛みを感じない」ということをこれほどまでに表に出した作品はないのではなかろうか。グロテスクで残虐な場面は苦手ではあるが、作者のアイデアに驚嘆した。
ココアの心の強さ、逆に麻薬覚醒剤の怖さにもショックを受けた。

カバー絵が洒落ている

カバー絵が随分と洒落が効いていてとても良い。ストーリー内容は、今どきの婚活あるある という話が中心で、結構悲惨な話も中にはある。所詮結婚なんて、男女間の誤解 打算 諦めの産物といえばそれまでだが、随分ピンキリ色々ある。その中の極端な例を描いている。画力があるのでそれなりの迫力がある。

緊迫感

タイムスリップものはとてもありふれているストーリー設定であるが、主人公がタイムスリップを自由に扱えぜず、感情が激するとタイムリープが実現してしまう というアイデアは素晴らしい。そのアイデアと最愛の妻を死から救う という使命の組み合わせが、大変な緊迫感をもたらしている。

その本性が相当に衝撃的

一見高嶺の花のようなお嬢さんが実は、というのはよくある舞台設定ではあるが、この作品ではその本性が相当に衝撃的である。
ストーリー展開は丁寧ではあるが、絵が少しつたないところがあるような気がする。

ねっとりとしたお話

ブラック企業で疲れ果てたサラリーマンに対する一つの解決策 というイメージをもたせる作品である。確かに疲れているときにこの様は隣人がいたら、ついフラフラと身を任せてしまいそうになる気持ちは実によく判る気がする。絵柄は動きの表現が拙いが、お姉さんは十分にエロっぽい。

コマ割りが細かい

とにかくコマ割りが細かく詰め込まれた画面なので大変に読みにくい。世界観の概要の説明もなく話がどんどん進んでゆくので、ゆいてゆくのが大変である。フルカラーの絵柄は悪くないのだが、全体像がわかっていないので戸惑うところが多い。

日本神話ギャグ

珍しく日本神話を題材にした作品である。ストーリー内容は日本神話をあまりひねらずにギャグっぽくしただけというものでそれほどのものではない。ただ画力が結構優れているのでまあまあ読み進めることができる。

絵が綺麗だが

フルカラーフルデジタルの絵はそこそこきれいであるが、それ以外の取り柄はまったくない。単にスマホを活用した売春の話で、心理的な深みや対人関係の話もなにもない。次巻以降読み進める気持ちを失わせる作品である。

蒸し暑く不快な高校の雰囲気

梅雨時の蒸し暑く不快な高校の雰囲気がよく表現されている。登場人物たちも雰囲気に合わせて不快な人たちばかりである。その中のハズレもの二人の行動が描かれている。女子高生の行動が突拍子もないが、雰囲気とよくマッチしているような気がする。絵柄もまずまず。

フルカラーの女性たちの描写が

フルカラーフルデジタルの韓国モノである。登場人物などを無理やり日本に翻案せずに韓国のままにしたところは良いと思う。しかし、ストーリー展開は都合のよい設定や展開ばかりでなんとも現実味がない。フルカラーの女性たちの描写が大変にエロっぽいのが特色かな。

生前の恨みつらみを

祟り 幽霊 恨みつらみ を扱った作品にしては、幽霊の絵柄が極端に醜悪ではないので読みやすい。ストーリー展開はそれほど凝ったところはなく、生前の恨みつらみをどのようにして解消させるか という点がキーポイントになっている。

サイコパス

絵柄は落ち着いていてしっかりと描き出されているのだが、描かれているストーリー内容がなんとも異常で.現実味に乏しくサイコパス的なものになっている。子供が大人を支配しているが、どのような力を使っているのかこの作品からは読み取ることができない。いずれにせよ読後感の悪い作品である。

絵がとても綺麗

マッサージのツボが見える というチートな能力を持った主人公を描いている。このような作品につきものの、都合の良すぎるストーリー展開 というきらいはあるが極端に目立つほどではない。フルカラーフルデジタルの絵柄はきれいで大変に読みやすい。

半世紀も前の作品であるが

半世紀も前の作品であるが、絵柄が大変にしっかりしているせいか、恨みに対する復讐をメインテーマとしているせいか、あまり古さを感じさせない。半世紀前は医学はこのような方向に進歩を遂げると考えていたのだな という事がわかって面白い。しかし復讐譚というのは時代を超えた永遠のテーマなのだな。

ヒロイズムと反戦の思い

脚本 梶原一騎らしいヒロイズムと反戦の思いが、これまたかざま鋭二 の昭和の絵柄で大げさに描き出されている。とは言うものの昔のヒーロー物の映画を見ているようで、十二分に楽しむことができる。絵柄も古くはあるがしっかりとしていて大変に読みやすい。

劇画調のタッチも悪くない。

ほぼ全編 喧嘩 暴力 暴行で彩られている。そしてとにかく説明文が多くてしかも長い。挿絵付きの小説的な色合い味わいを持っている。時代がどんどん悪くなっている というマスコミもいるが、半世紀以上前と比べたらたしかに治安は良くなり乱暴者も減ったような気がする。ということをしみじみと実感さされるような作品である。時代がかった劇画調のタッチも悪くない。

CGまがいの美麗な絵柄

CGまがいの美麗な絵柄がとても目を引く。現在だんだん主流になりつつあるフルカラーフルデジタルの一つの行き着く先を象徴しているような絵柄である。ストーリー展開は結構怪しいものであるが、とにかく絵柄に目を奪われてしまう。

明治初年文明開化との組み合わせ

ストーリーの切り口は大変にありふれた転生ものであるが、明治初年文明開化との組み合わせというのが目新しい。明治初年における様々な新しい事業をベンチャービジネスと捉える視点がこれまたいい。絵柄はさほど見るべきものはないが、不快とか拙劣というレベルではなくスラスラと読みすすめることができる。

画力で勝負

この作品の特徴は何と言っても叶精作の華麗流麗な画力である。非常に特徴があるので好き嫌いはあるだろうが私は非常に素晴らしいと思う。この作品には数多くの女性たちが出てくるが、どの女性も個性豊かに魅力的に描き出されている。最近のデジタルツールを使った画一的な絵柄と全く別物である。ストーリー展開もやや大時代的で水戸黄門的ではあるが、風呂敷が大きくてそれはそれで面白い。

奇抜な発想

閻魔大王や冥官がセクシーコスプレなんて、なかなかに奇抜な発想でよい。刑罰もなかなかにユニークである。フルカラーフルデジタルの絵はそこそこきれいで、スラスラと読み進めることができる。今後の展開が楽しみである。

絵柄は幼くて

フルカラーフルデジタルで描かれているが、絵柄は幼くてなんとも言えないほどレベルが低い。無人島に漂着しているはずなのに、ちっとも服が汚れていないなどリアル感がまるでない。ストーリー展開は絵柄以上にやっつけ仕事でなんの工夫の跡も見られない。

語り口が昔っぽい

作中にも言及しているように 三島由紀夫や川端康成が書いたような現代の日常では使わない言い回しが多用されている。しかし読者に与える印象は、三島のように鮮烈華麗でもなく川端のように凄みがあるわけでもない。この作者の文体からはやや沈んだ古風な印象を受ける。
ストーリー展開はいま大流行しているAIや一昔前に流行したVRの近未来版でSFであることになる。テーマや展開は面白いのだが、文体がどうも馴染めない。

正義と復讐

正義と復讐の関係を描いた作品である。法律で裁かれない犯人に対してどのような態度で臨むべきか、犯人への復讐は是か非か。何度も取り上げられたテーマではあるが、単に復讐のカタルシスだけで良しとするわけにはいかないような気がする。
絵柄はしっかりとしていて、キャラクターが良く立っている。

アメリカ禁酒法時代の前編

アメリカ禁酒法時代すなわちギャング時代を舞台とした作品である。お決まりの暴力と犯罪の中に生きる男たちの物語であるが、神父が出てくるあたりでオカルトっぽい雰囲気も漂ってきた。一体どのように話をまとめてゆくのだろうか？暴力と犯罪をテーマとしている割に、絵柄はスッキリとしていて残虐性は薄い。

忠実にコミカライズ

正伝よりも一層面白いか
異伝を忠実にコミカライズしていて、原作の面白さを余すことなく伝えてくれる。公家の風俗を「絵」の形で見せてくれるので、資料が少ないこの戦国時代の公家の様子がよくわかり、新鮮味があって面白い。三好との会談の勝負がより一層激しく、その描写がこれまたとてもいい。ただあまりも年齢と言動が合わないところに大いに違和感がある。

筋肉美 躍動美が際立つ

とにかく筋肉美 躍動美が際立つ作品である。今どきの作品だから当然デジタル描画だとは思うが、なるほどこのような表現ができるのだな と感嘆した。ストーリー展開もよくありがちではあるがあまり荒唐無稽に陥らず、超能力 チート能力にも手を出さず、ある意味安心してみることができる。

お互いを引き立て合っている。

今どきの引っ込み思案な女の子の生態を描き出している。対象的なムカデの入れ墨をした女の子が、お互いを引き立て合っている。これと言って大きな事件が起こるわけではないが、なんとなく気になる作品である。絵柄はまずまずである。

明治開花もの

明治初年の犯罪者アウトローもの というストーリーの舞台設定から、山田風太郎の明治開花物を彷彿とさせる。ストーリー展開も風太郎風で何事も不安定な時代をよく象徴している。絵柄も風太郎風のストーリー内容とよくマッチしたおどろおどろしいキャラクター設定である。

キャラクタの対比

ヤクザと縁を切ったはずのヤクザの娘が主役である。彼女への思いがけない連絡をもたらしたヤクザと赤ん坊が好対比を示している。いわゆるギャップ萌えというやつかな。絵柄は落ち着いているが、キャラクタの対比をうまく描き出していて中々に良い。

とにかく主人公が強い

大昔の怪獣退治少年漫画を思い出させるような絵柄とストーリー展開、そしてキャラクター設定である。最初のうちはとにかく主人公が強い ということしかわからないようなストーリー内容である。

臨場感リアル感がある。

いくらかは実際の事件を参考にしているのではないかと思うほど臨場感リアル感がある。とは言うもののこのような事件が実際に身近で起こると本当に怖くはあるが。フルデジタルの描画はしっかりとしていてキャラクターの描き分けもちゃんとできている。

人類の夢のはずなのだが

若返り 不老 というのは人類の夢のはずなのだが、実現してみるとこの作品のような課題.問題点が続出するのが目に見えている。高齢化問題を別の視点「肉体が若かったら解決するのか？」という視点から見つめ直した野心的な作品である。冒頭の首相の演説シーンから、ぐっと読者を引き付ける。

力みすぎ

絵柄は迫力満点であるが、逆に大げさでグロテスクということもできる。ストーリー展開はある程度 史実に則しているところもあるが、多くは創作だろうな。鎧や武具のデザインには随分違和感がある。まあエンタメと割り切れば楽しく読むことができるが。

古典的な時代劇漫画

勧善懲悪 白黒がはっきりした古典的な時代劇漫画である。タッチもストーリーを反映して骨太であるが、昔の劇画のように荒れた筆致ではないので読みやすい。時代背景を読者に説明しようとするために、長い説明文や長い独白場面があるのがやや鬱陶しい。

半世紀以上前の昭和の薫り

今から半世紀以上前の昭和の薫りが漂う作品である．タイムスリップ というきっかけは現在でも多用されているが、この当時も使われていたんだと印象を新たにした。ストーリー展開は全くの荒唐無稽ものであるが、昭和っぽいかっちりとした絵柄が見ものである。

絵は綺麗だが

少年漫画.青年漫画に非常に頻繁に登場する「陰キャな男がぼーっと口を開けていたら、陽キャな美少女が飛び込んできた。」というタイプの作品である。男のほうが努力も何もしていないのが特徴である。陽キャ少女のタイプも結構典型的である。絵柄はまずまず。

深刻な復讐譚

勧善懲悪というよりはもっと深刻な復讐譚である。日本の各所にブラック企業 パワハラ がはびこっているという話であるが、「警備員」という存在を活用するのは、復讐の調査.実行においてなかなかに便利ということがわかった。復讐が実行されてカタルシスが生まれるが、それほど愉快ではない。

スカスカ

スマホ用の縦読み漫画をすのまま横読みようにした感じの絵柄である。フルカラーフルデジタルの絵はそれなりにきれいであるが、なんともスカスカといった感じである。ストーリー展開はもっと雑で無理やりというった感じが強い。

中途半端

絵柄や描き方は女性漫画風であるがストーリー展開は本格的推理モノを目指しているようだ。しかし、ヒロインのメイドのキャラクターが何とも魅力に乏しい。ここまで怯え症では仕事にならないのではないかと思ってしまうほどである。その他怪しいシーンの伏線がいっぱい仕込んであるのは判るが。

絵がとても綺麗だが

この作者の作品は過去に何冊か読んでいてなかなかに面白いものも多かったのでこの作品も読んでみた。しかし、ストーリー内容ははっきり言って期待外れであった。幼かった頃のあこがれのお姉さんがすっかり変わってしまって という大変にありふれたストーリーである。絵柄がきれいなのがまあ救いかな。

異世界転生モノの一バリエーショ

異世界転生モノの一バリエーションである。ラブコメ漫画な中に入り込んで登場人物のひとりに成り代わる というストーリー設定はなかなかに面白い。対象漫画の知識が役に立つところが異世界転生モノののチートな能力に該当するのだろうな。絵柄も典型的な少年漫画である。

話がぐっと重くなる

生きている暗号 という思いがけない話が出てきて大いに興味をそそられた。たしかに以前「暗号解読」という本を読んだときに出てきた話だと思い出した。特に日本 そして自衛隊が劣っている暗号 セキュリティの話なのでなかなかに面白い。ただ生きている暗号が可愛らしい少女なので話が重くなる。

絵がとても綺麗だが

フルカラーフルデジタルの絵柄はとてもきれいでくっきりしている。女性たちの絵はとても色っぽい。逆にストーリー展開は、男の妄想 願望をそのまま絵にしたような感じで、なんとも都合が良すぎる話の連続である。

敗戦後の世情をよく表現している

劇画っぽい描き方で、敗戦後の世情をよく表現している。敗戦で何もかもが失われた時に、それでもと 事業を立ち上げた主人公の活躍を描いている。特に順調に儲け続けていた闇屋を思い切って売り、小売業に転身する判断など 現代でも参考になりそうな教訓である。

一匹狼の新規事業物語

一匹狼の新規事業物語である。半世紀も前の作品であるが、描かれている内容は道具こそ違え現代でも参考になるものが数多くある。そう言えばこんな時代だったよなと懐かしく思い出すところもある。絵柄は当時の劇画テイストが入った画調であるがまずまず読みやすい。

人の悪意.ダメなところを描く

7篇の短編からなるがすべて描き方 語り口が違う。多彩な語りができる能力を持った作者だなと感じる。７篇の中で「魔王の帰還」のみが明るく 前向きな話である。それ以外は、人の悪意.ダメなところを執拗に描いている。描き方は悪くはないのだが、どうにも主題が合わなくって読みにくかった。あとがきに辻村深月の評が載っていたが、辻村深月の作風と似たところがあるのかな。

久しぶりにワクワク

久しぶりにワクワクしながら読み進めることができる作品に出会った。作者山本浩司の作品は「アイの物語」や「詩羽のいる街」など何冊か読んだが、いわゆる「説教癖」が鼻について純粋に作品を楽しむことができなかった。しかしこの作品は、最終部分を除いて「説教」は登場せず、素直に読み進めることができた。とりわけヒロインの人物造形が見事で、このような才能 性格の持ち主の典型としてもっと言及されていいような気がする。
なお、作者山本弘氏は今年3月に亡くなったとのこと。御冥福をお祈りいたします。

イケメン彼女

高身長のイケメン彼女が随分と魅力的である。低身長の相方も主張するところは主張し存在感を主張している。ありふれているようでそれほど類書もない良いストーリー展開だと思う。絵柄もまずまずかわいらしく描き出されている。

意識とは？ 自分自身とは？

AIやアンドロイドの発達を考えると近未来にも実現しそうな話と感じた。現在でもペット相手に発生している問題 気に入った「物」を注文し 飽きたら捨てる が より深刻な問題になりそうな気がする。
自分自身も人工人間かもしれない 意識とは？ 自分自身とは？ という より一層深刻な問題も提起されている。
とは言うもののあまりオリジナリティは感じさせず、さらに絵が少々粗いのが残念である。

本格的なミステリー作品

文句なしの星5つである。口を利かない女子高生が可愛いだけの作品かと思ったら、なんとなんとかなり本格的なミステリー作品であった。スケッチブックによる筆談がとても斬新で面白い。しかも、絵が下手なところがこれまた良い。翻弄される切鮫刑事がお決まりのパターンとはいえ良い味を出している。