クッパ7人衆とは、任天堂を代表するマリオシリーズに登場するクッパの手下達である。
設定の変遷については後述する。
かつては「コクッパ」「コクッパ7兄弟」等とも呼ばれた。海外での総称は「Koopalings」。
概要
初登場はファミコンソフト『スーパーマリオブラザーズ3』。各ワールドのボスとして登場するカメ族のキャラクター。この頃は「コクッパ」と呼ばれていた。
現在の設定ではクッパの子分。クッパ軍団の幹部かクッパの親衛隊のような立ち位置。
メンバーはやんちゃな青モヒカンで小柄のラリー(Larry Koopa)、肌の濃い大柄でバカキャラなモートン(Morton Koopa Jr.)、リボンが特徴的で勝気な唯一の女子ウェンディ(Wendy O.Koopa)、緑髪のヒョロ長で眼鏡のイギー(Iggy Koopa)、サングラスで強面ピンクのロイ(Roy Koopa)、チビで派手な虹色モヒカンのレミー(Lemmy Koopa)、自称リーダーで変な青髪のルドウィッグ(Ludwig von Koopa)の7人。
彼らの名前は、同作が海外で発売する際に、アメリカの任天堂スタッフによって音楽家やアーティストの名前から取って命名された。クッパの名前の由来が韓国料理なのに対して、コクッパが欧米圏の人名なのはそのためである。
『スーパーマリオブラザーズ3』から『スーパーマリオワールド』あたりの時代は度々登場していたが、3Dゲームが主流の時代になってからは登場の機会がグッと少なくなり、『New スーパーマリオブラザーズ Wii』でデザインを多少変更して3Dゲーム初登場となった。
コクッパ時代とクッパ7人衆時代で設定からデザイン性格などが大小いくつかの点が異なっているため、初期の情報との混同に注意。
『マリオカート8』では、レミーが軽量級、ラリーとウェンディが準軽量級、イギーとルドウィッグが中重量級、ロイが準重量級、モートンが最重量級に分類されている。
子供?手下?設定の変遷
初登場の1988年『スーパーマリオブラザーズ3』時点では「クッパの子供達・コクッパ7兄弟(※パッケージには子クッパ表記もあり)」として登場。当時は明確にクッパの子供達として登場していた。『スーパーマリオブラザーズ3』の説明書ではクッパが彼らを「息子達」と呼び、コクッパもクッパの事を「オヤジ」と呼んでいた(リメイクの『スーパーマリオアドバンス4』でも概ね同様)。『大乱闘スマッシュブラザーズDX』のクッパの解説でも「7人のこどもがいる」と書かれていた。
兄弟関係はルドウィッグが長兄、ラリーが末っ子であったことが公式に判明している。「『マリオ3』の登場順の逆がそのまま兄弟順」と言われることが多いが、これについては不明である。
母親については一切言及されなかったため様々な説が挙がった。「ピーチ姫」説や、「映画『スーパーマリオ 魔界帝国の女神』に登場する女性レナ」説、「初期の海外の雑誌『Nintendo Power UK』でクッパの妻の名ではないかとされたClawdia Koopaなる女性」説、果ては「無性で生殖できる」説まで囁かれていた。
しかし、『スーパーマリオワールド』以降は『ヨッシーのロードハンティング』や『Hotel MARIO(海外のみ)』と来てしばらく出番がなく、その後2002年に『スーパーマリオサンシャイン』で唐突に新たなクッパの息子・クッパJr.が登場。コクッパ達とクッパJr.の関係が語られず不明瞭なまま、2003年『マリオ&ルイージRPG』でおよそ10年ぶりにコクッパ達が再登場した。この時点で「コクッパ軍団」と呼称されており「兄弟」ではなかった。「コクッパ」という言葉が公式に使用されたのはこの時期が最後。
それ以降、『大乱闘スマッシュブラザーズX』ではクッパの解説に「ひとり息子のクッパJr.は、~」等と書かれたり、クッパJr.と共演した2009年の『New スーパーマリオブラザーズ Wii』でイギーが緑になったりとデザインが調整されると同時に、呼称は単に「クッパの手下」となって固有の総称すらなくなるなど、コクッパがクッパの子供だったという設定は立ち消えていった。
明確にして欲しいといった内容の質問を任天堂に送った者もいるようだが、その後も公式に明言されることはしばらく無かった模様。しかし、2012年にアメリカのゲーム雑誌『Game Informer』が宮本茂氏にインタビューを行った際、ついに「現在の我々のストーリーの中では、7人のコクッパたちはクッパの子供ではないことになっています。クッパの唯一の子供はクッパJr.で、我々も誰が母親なのかは知りません。」と明らかにされた(ソース)。
そして、2014年に『マリオカート8』への参戦が発表された際に「クッパ大魔王の子分・クッパ7人衆」と紹介された。以後彼ら7人は「クッパ7人衆」と呼ばれクッパの部下としてマリオゲームに継続的に登場している。
現在ではクッパの子供ではなくクッパの子分として確立しており、クッパJr.と共演する『マリオ&ルイージRPG ペーパーマリオMIX』などの作品では、わがままな上司の息子とそれに振り回される部下という関係性で描かれている。
登場作品
主なゲーム作品では『スーパーマリオブラザーズ3』、『スーパーマリオワールド』、『ヨッシーのロードハンティング』、『マリオ&ルイージRPG』、『New スーパーマリオブラザーズ Wii』、『New スーパーマリオブラザーズ 2』、『New スーパーマリオブラザーズ U』、『マリオカート8』、『マリオ&ルイージRPG ペーパーマリオMIX』、『ペーパーマリオ カラースプラッシュ』などに登場している。詳細は以下に記載する。
- スーパーマリオブラザーズ3
- コクッパ初登場作品。上述の通り、海外版発売時に個人名が設定された(日本版では名無し)。
- スーパーマリオワールド
- 日本版でも個人名が採用された初の作品。ゲーム内のカラーリングは本作独自のもの。
- Mario is Missing!
- 日本未発売の地理学習ゲーム。SNES版ではルドウィッグ・イギー・ロイ、PC版では更にラリー・ウェンディが登場。モートンとレミーはハブられているが、PC版の没データには含まれており元々は登場予定だった模様。
- ヨッシーのロードハンティング
- 地味に(日本では)初めて公式イラストとグラフィックのカラーリングが一致した作品。前半面のボスとして登場。
- Hotel MARIO
- 作画崩壊レベルの作中アニメが有名な日本未発売のパズルゲーム。キノコ王国に各々のホテル(ステージ)を構えているが、何故かイギーのみ自分のホテルを持っていない為クッパのホテルに登場する。
- マリオ&ルイージRPG
- 日本国内では10年ぶりとなる新作での登場となったが、RPGであるにも関わらず台詞は一切なし。(リメイク・移植を除き)旧デザイン及び公式にてコクッパと呼称された最後の作品となった。
- New スーパーマリオブラザーズ Wii
- 本作よりデザインや設定が一新され、クッパの「子供」から「手下」に変更。新たなクッパの息子であるクッパJr.とも初共演した。以降の作品では本作の設定がベースとなっている。
- New スーパーマリオブラザーズ 2
- New スーパーマリオブラザーズ U / New スーパールイージ U / New スーパーマリオブラザーズ U デラックス
- マリオカート8 / マリオカート8 デラックス
- 初のカート参戦および初のプレイアブル化となった。本作にて「クッパ7人衆」の呼称が設定された。
- マリオ&ルイージRPG ペーパーマリオMIX
- RPG作品には初代以来の登場。ゲーム内で初めて台詞が与えられ、出番の多さも相まって各メンバーの性格や関係性が垣間見える光景も多い。なおペーパーマリオとのコラボ作品だが、彼らのペーパー版は本作では未登場。クッパJr.のペーパーは登場しているのだが…。
- ペーパーマリオ カラースプラッシュ
- ペーパーマリオシリーズ初登場。本作では大ペンキスターを探すマリオと道中で度々衝突する事になる。台詞や豊富な攻撃パターン、初の個別BGMなど個性的な一面がより強調されている。
- マリオ&ルイージRPG1 DX
- 初代のリメイク版であり、原作と同様にストーリー上で登場する他、追加モードの『クッパ軍団RPG』でも登場。各エリアにてボスとして襲い掛かるが、倒せば仲間として使用できる。
- マリオ&ルイージRPG3 DX
- リメイク前の原作では未登場の為本作でもストーリーには関わらないが、追加モードの『クッパJr.RPG』にて登場。ぼっちゃんことクッパJr.の我儘っぷりに甚だ振り回されており…
- スーパーマリオメーカー2
- Ver3.0より追加。1エリアにつき7体まで配置できるため夢の全員対決も可能。原作では『3』『ワールド』に登場しているが、本作では攻撃方法が『3』『New』ベースの為、攻撃が大きく異なる『ワールド』のグラフィックは新規に製作されている。また、『1』のスキンは『1』のクッパをベースに新規で作られた物となっている。
- 大乱闘スマッシュブラザーズシリーズ
- 『大乱闘スマッシュブラザーズ for Nintendo 3DS / Wii U』にて、クッパJr.の色変えという形でクッパ7人衆が参戦した。 性能は全員共通だが、外見やボイスは差別化されている。あくまで色変えのため、コクッパとは縁もゆかりもないニセマリオに変身するのはご愛嬌。
- 『大乱闘スマッシュブラザーズ SPECIAL』にも続投し、一部攻撃やポーズにてクッパJr.のハンマーではなく『3』で持っていた魔法の杖を使うようになっている。
登場順番
各ステージの要塞・城を守るボスとしてマリオを待ち構えている。登場順番は下記の通り。
※1:特定のルートを通らないと戦わないキャラクターが存在する。
※2:ラリーとウェンディは順番が前後する可能性がある。
ゲーム上ではただのやられ役で終わっているが、エニックス(当時)出版の『スーパーマリオ 4コママンガ劇場』などを始めとする4コマ漫画や、コロコロコミックの『スーパーマリオくん』などでは、マリオ打倒に燃えるコクッパ達が個性的で面白い印象を読者に与えた。なお、ゲーム本編では説明書のセリフ程度しか具体的なキャラ付けが無かったため、漫画では作者それぞれによって独自に様々な性格が与えられている。