サビ(さび)とは、
- (錆、銹) 金属が腐食したときに生成されるもの。
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- (寂) 日本の美意識。俳句なら句中で最も深淵に達する部分。対義語は「侘(わび)」。 ⇒「寂」
- (サビ) 歌曲等の旋律のうち、聴く者に核として印象付ける部分。対義語は「メロ」「平歌(ひらうた)」。
- (サビ) ワサビの略。
- (皺) 烏帽子のシワのこと。
- (さび) 生放送主。 ⇒「さび(生主)」
以下で「3.」についてもう少し詳しく説明する。
サビ(楽曲用語)
音楽には古今東西さまざまな音の構成の仕方があるが、
昔から民謡や賛美歌、アリアなど「旋律を歌うこと」を目的とした分かりやすい楽曲においては、1つ(又は2つ程度)のまとまったフレーズの流れを繰り返していくのが普通である。
1つのまとまりを繰り返していく曲は「A→A→A→A→…」と表すことができ、民謡や童謡、賛美歌の多くはこうした形式である。一方、2つのまとまりに分けることができる場合は「A→B→A→B」と表せる。
しかし、ある時期から(1960年代の米国のロック、ポップロック、R&B等から)
「A(ダイナミクス小=メロ)→B(ダイナミクス大=サビ)」
「A(ダイナミクス小=メロ)→B(ダイナミクス大=サビ)→A'(ダイナミクス小=メロ)」
「A(ダイナミクス小=Aメロ)→B(ダイナミクス小=Bメロ)→C(ダイナミクス大=サビ)」
といった1分弱~2分強程度の流れを一つの完結として、その後に2番としてもう一回繰り返したり間奏を挟んでサビのみ繰り返す、というような構成が支配的となっていった。
(英語ではサビにあたる語としてChorus、メロにあたる語としてVerseが使われる)
※なお80年代以降のJ-POPではサビの後にメロに戻ってから完結する上から2番目のパターンは少数となっている
現在のJ-POPで最もありがちな構成例
イントロ
→Aメロ(→A'メロ)→Bメロ→サビ
→Aメロ(→A'メロ)→Bメロ→サビ
→間奏→Cメロ(又はB'メロ)→サビ→大サビ→短いアウトロ
間奏の終わりあたりか大サビ前で転調することも多い。
なお、Cメロはブリッジとも呼ぶ。
語源
俳句の「寂」から来ているという説が有力だが、初出などはわかっていない。
メロ・サビが明確に区別される楽曲が定式になったのは歌謡曲史上でも戦後になってからなので、そう古くはない気もするが……