宅とは、以下のことを表す。
人称代名詞として
「お宅の娘さんは~」と言う場合は、「あなたのお宅の娘」という意味である。
この用法が、「マニア」を意味する「オタク」の語源になったのは有名である。
これに対し、「お」をつけず「宅の娘」と言った場合は、「自分の家の娘」という意味である。
この用法はすでに絶滅状態であり、古い小説や『サザエさん』などの古い漫画にしか出てこない。
数少ない例外として、『ポケットモンスター赤・緑』で、ヤマブキシティにいるものまね娘の母親が「たくの娘はほんとうにわがままに育って…」と言っている例がある。
人名
日本の姓である。
漢字として
- 意味
- 住まい、やしき、墓、墓地、居る、定める、という意味がある。
- 〔説文解字・卷七(段注本)〕には「人の託凥する所なり」とある。
- 字形
- 形声で声符は乇。
- 音訓
- 音読みはタク(漢音)、訓読みは、おる。
- 規格・区分
- 常用漢字であり、小学校6年で習う教育漢字である。JIS X 0213第一水準。1946年に当用漢字に採用され、1981年に常用漢字になった。
- 声符
- 宅を声符とする漢字には侂などがある。
- 語彙
- 宅宇・宅居・宅舎・宅地・宅兆・宅憂
異体字
- 𡧪は、〔説文〕にある古文。〔五音集韻〕には古文の度字とある。
- 㡯は、〔説文〕にある古文。〔広韻〕には古文の度字とある。
- 厇は、〔漢語大字典・異体字表〕にある異体字。また磔の異体字。JIS X 0212補助漢字。
- 𡊾は、〔説文長箋〕に宅と同じとある異体字。