授とは、さずけるという意味の漢字である。また以下のように人名にも用いられる。
漢字として
- 意味
- 物を渡す、さずける、与える、任命される、教える、(受と通用して)受ける、という意味がある。
- 〔説文解字・巻十二〕には「予(あた)ふるなり」とある。
- 字形
- 手+受の会意、受を声符とする形声、の二通りの解釈がある。受にはもともとうける・さずけるの両方の意味があり、受に手を加えてさずける意味専用として分化した字である。
- 音訓
- 音読みは、シュウ(漢音)、ジュ(呉音)、訓読みは、さずける、さずかる。
- 規格・区分
- 常用漢字であり、小学校5年で習う教育漢字である。1946年に当用漢字に採用され、1981年に常用漢字になった。JIS X 0213第一水準。
- 語彙
- 授衣・授戒・授業・授権・授産・授受・授賞・授賦・授与
異体字
- 𥢓・𥢓は、則天武后が授の代わりに作らせた字。𥢓を本字とする字書と、𥢓を本字とする字書がある。
- 𥡑は、〔竜龕手鑑〕に「古文の授字」とある字。おそらく𥢓の訛字。
- 𥡾は、〔竜龕手鑑〕に「古文の授字」とある字。おそらく𥢓の訛字。
- 𥣍は、〔竜龕手鑑〕に「古文の授字」とある字。おそらく𥢓の訛字。
- 䛵は、Unicodeが授の異体とする字。〔正字通〕には授と通じるとある。