退とは、以下のことを表す。
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漢字として
- 意味
- 後ろに移動する、退却する、引き下げる、しりぞく、しりぞける、下降する、衰える、戻る、退出する、去る、辞める、(褪と通じて)色褪せる。褪、頽の代用字。
- 〔説文解字〕の本字は𢓴で、〔説文・巻二〕に「卻(しりぞ)くなり」「一に曰く行きて遲くるるなり」とある。退は〔説文〕に古文として載っている𨓤の系統の字形。〔干禄字書〕には𨓤が正字、退は通用の字とある。
- 字形
- 𢓴は、彳+日+夊の会意。解釈に諸説ある。
- 日は日にちの日で、行く+毎日+遅れるで退くとする説(〔段注〕)、日の部分は供え物の食器の象形で、これを取り下げ戻る意味とする説(白川静)がある。
- 音訓
- 音読みはタイ(漢音、呉音)、訓読みは、しりぞく、ひく、さがる、のく、すさる、しさる。
- 規格・区分
- 常用漢字であり、小学校5年で習う教育漢字である。1946年に当用漢字に採用され、1981年に常用漢字になった。JIS X 0213第一水準。
- 声符
- 退を声符とする漢字には、褪、腿がある。
- 語彙
- 退位・退院・退化・退却・退去・退行・退散・退治・退出・退場・退職・退陣・退朝・退任・退避・退老
異体字
- 𢓴は、〔説文〕の本字。
- 𢓇は、〔説文〕に「或ひは内に从ふ」とある古文。
- 𨓤は、〔説文〕に「古文辵に从ふ」とある古文。現在の字体だと退。
- 𨓆は、〔玉篇〕にある古文。
- 𨑧は、〔玉篇〕にある古文。
- 𨔫は、〔集韻〕に「古、𨔫と作す」とある異体字。
- 𢔕は、〔漢語大字典・異体字表〕にある異体字。
- 𨘍は、〔字彙補〕に「音義同じ」とある異体字。
- 𩄮は、〔漢語大字典・異体字表〕にある異体字。𨘍と異構。䨴の異体字と同形で、〔康煕字典〕に引く〔字彙補〕に「䨴と同じ」とある。