髪とは、人間の頭部に生える体毛のことである。「頭髪」「毛髪」「髪の毛」などという。
概要
髪の毛の大きな役割は頭部の保護である。物理的な衝撃からの保護に加え、日光や寒暖からもその身を守っている。
髪の毛は、頭部に位置し、体毛の中でも長く色が濃く、人目につく。様々な髪型をとることにより、その人の外面を彩る役割も大きい。
髪の色や髪質は人種の差が大きい。ネグロイドは縮毛、モンゴロイドは直毛、コーカソイドはウェーブがかかった髪が多い。オーストラロイドは波状毛や縮毛が多い。
比較的丈夫であり、髪の毛一本の引張強さは30〜40pa, ヤング率は1.5〜4.6Paで、一本につき150gの重りを持ち上げることができる。
手入れ
ブラッシングして髪の表面の汚れを取り、シャンプーで汚れを落とし、トリートメント・ヘアコンディショナー・リンスで毛髪成分を整える。傷まないよう優しく拭いた後、ドライヤーで乾かす。
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漢字として
- 意味
- かみのけ。わずかなことのたとえ。草木。
- 旧字体は髮。
- 〔説文解字・巻九〕に「根なり」とある。〔説文(段注本)〕は「頭上の毛なり」。
- 〔釈名・釈形体〕には「髮、拔なり」とある。抜いたら駄目だろうと思うが、続けて「拔擢して出づるなり」とあって、引っ張るようにして出てくるという意味のようだ。
- 字形
- 形声。声符は犮。
- 音訓
- 音読みは、ハツ(漢音)、ホチ、ホツ(呉音)、訓読みは、かみꜜ。古典中国語での読みは/*pod/。
- 規格・区分
- 常用漢字である。1946年に当用漢字に採用され、1981年に常用漢字になった。JIS X 0213第一水準。
- 語彙
- 髪妻・髪膚
異体字
- 髮は、旧字体で人名用漢字である。2004年に人名用漢字となった。JIS X 0213第二水準。
- 𩠖は、〔説文〕に「髮、或ひは首に从ふ」とある異体字。
- 𩑛は、〔説文〕に「古文」とある異体字。
- 𩑱は、〔集韻〕に「髮、――古、𩑛・𩑱と作す」、〔字彙〕に「髮に同じ」とある異体字。
- 𩠕は、〔字彙〕に「髮に同じ」、〔正字通〕に「髮に同じ」とある異体字。
- 𩠙は、〔康煕字典〕に〔説文長箋〕を引いて「𩠕と同じ」とある異体字。𩠖が楷書体ベースになったもの。
- 𤠁は、〔漢語大字典・異体字表〕にある異体字。
- 𡞝は、〔字彙〕に「𡞝・㛲、並びに髪に同じ」、〔康煕字典〕に「𩠖に字の譌」とある異体字。
- 㛲は、〔字彙〕に「𡞝・㛲、並びに髪に同じ」とある異体字。Unicodeに髮と同じとある。
- 𤕥は、〔字彙補〕に「古文髮字。〔説文長箋〕に見ゆ」とある異体字。
- 𨱳は、〔字彙〕に「髮と同じ」とある異体字。
- 𩬃は、〔五音篇海〕に「音髮」、〔字彙補〕に「髮に同じ」とある異体字。
- 𩬇は、〔漢語大字典・異体字表〕にある異体字。〔竜龕手鑑〕に「今」とある。
- 𩬊は、〔漢語大字典・異体字表〕にある異体字。
- 𩬕は、〔字彙〕に「卽ち髮字」、〔正字通〕に「髮字の譌」とある異体字。
- 䰋は、〔漢語大字典・異体字表〕にある異体字。Unicodeに髮、鬘と同じとある。
- 发は簡体字。發の簡体字でもある。
単位として
10cmの髪の毛の重さは0.1g, 直径は平均0.08mm(=8ミクロン=80μm)である。軽いもの・細いものの例として身近であるためか、科学系の話題でしばしば比較対象とされがちである。
因みに10cmの髪の毛一本を全てエネルギーに変換すると約9TJになり、これは東京ドームを18日間フル稼働させられる熱量である。